2002年8月18日(日)配信

C.ダ・マッタ今季6勝目 天王山」制覇に手応え
「パワー・サーキット」ロードアメリカで、
C.ダ・マッタとB.ジュンケイラが1位/3位獲得

予選
今季6勝目を挙げたC.ダ・マッタ(中央)と、3位入賞を果たしたB.ジュンケイラ(右)
今季6勝目を挙げたC.ダ・マッタ(中央)と、
3位入賞を果たしたB.ジュンケイラ(右)
 第12戦の行われる"ロード・アメリカ"サーキットは、5大湖のひとつミシガン湖西岸ウィスコンシン州のエルクハートレイク郊外に位置する。のどかな田園地帯に忽然と現れるサーキットは、ピット前の登り勾配の長いストレートと、バックストレッチの長いストレートを、インフィールドのテクニカルなコーナーでつないだ、CARTシリーズ最長のコース。1周4.05マイル(6.5Km)のコースは、長くても2マイルという他のコースの、約2倍の距離を持つ"エンジン・パワー"サーキット。例年、エンジン、ギアボックス系などメカニカルトラブルが各チームを苦しめる。
 8月16日(金)に行なわれた予選第1日目は、昨年の覇者B.ジュンケイラが、好調さにものをいわせてセッション終盤までトップを守っていたが、予選終了間際にC.ダ・マッタが首位奪取。トヨタチーム同士の首位争いの末、暫定ポールポジションを確定するとともに、1ポイントを獲得。
 17日(土)の予選第2日目は、B.ジュンケイラが意地を見せて奮起。トップタイムを叩き出して堂々ロードコース初のポールポジション。C.ダ.マッタと共にフロントローから決勝へと臨むこととなった。

決勝
 18日(日)決勝日朝のウォームアップでは、フロントローのC.ダ・マッタがトップタイムをマーク。高木虎之介も3番手のタイムを叩き出し、トヨタチームへの期待が高まった。
 好天のもと、午後3時過ぎにスタートが切られた決勝レースは、1周目から波乱のイエローコーションで始まった。全60周で争われるこのレースは、最大14周以内という給油ピットイン規定のため、各チームともピットインのタイミングをずらす積極的な戦略を展開。5周目には早くもC.フィッティパルディが、6周目には高木虎之介がピットイン。
 序盤戦は好スタートでフロントローの2台をパスしたP.トレーシー(ホンダ)を、B.ジュンケイラ、C.ダ・マッタ、そしてK.ブラックらが激しく追い上げる展開となった。しかしP.トレーシーは、ピットイン戦略がかみ合わず順位を落とし、代わってトップ争いには、B.ジュンケイラとC.ダ・マッタが躍り出た。
 39周目、B.ジュンケイラが早めのピットインを行った直後、K.ブラックとP.トレーシーが接触、双方ともリタイアとなってしまった。そして残り17周での再スタートで、ピットインのタイミングと作戦に注目が集まる中、49周目に中野信治(ホンダ)のスピンで再度イエローコーションとなり、各車一斉にピットイン。
 しかし、2位のB.ジュンケイラはタイヤ交換に手間取り、A.タグリアーニ(フォード)に先行され3位へ後退。首位争い復帰へ、猛然とアタックを開始した。残り8周となり、C.ダ・マッタを先頭に、トップ3台のテール・トゥ・ノーズのバトルは、最後まで予断を許さない激戦となり、観客を興奮のるつぼに巻き込んだ。
 終始安定した走りを見せたC.ダ・マッタはそのままトップを守りきり、今季6勝目を獲得。また、ポールスタートのB.ジュンケイラは最後の追い上げもかなわず3位。13番手スタートの高木虎之介は、着実にポジションを上げていたが、走行中にサスペンショントラブルに見舞われ、37周目で戦線離脱を余儀なくされた。

C.ダ・マッタ(ニューマン・ハース・レーシング)のコメント:
このところ、3戦連戦でリタイアしているだけに、とにかく完走することが第一の目標だった。ホンダのエンジンがストレートで速いのは知っていたので、P.トレーシーがスタートで飛び出したのには驚かなかった。しかし、今日のレースで証明されたように、勝利に必要なのは安定性だ。レースの全周回を100%で走ったのはきつかったが、レースらしいレースで楽しかった。チャンピオンを目指し、残りのレースも全力を尽くす。

高木虎之介(ウォーカー・レーシング)のコメント:
レースセッティングも良く、早めのピットイン作戦も功を奏して、ラップタイムを稼ぐことができていた。しかし、35周目、突然ガクンと車体が傾いたので、ピットインしたら、右フロントのサスペンションが折れていた。順調に追い上げて、ポジションアップの可能性も見えていただけに、とても悔しい。

TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
C.ダ・マッタの強さには脱帽だ。前戦、珍しいミスをおかし、3戦連戦完走できなかったことで、かなりプレッシャーもあっただろうが、彼はそんなプレッシャーには負けないドライバーであることを証明してくれた。これでポイント争いでも、再びポイント差を広げることが出来た。まだシーズンは長いが、一戦一戦確実に戦っていく。

TRD-USA 林 博美のコメント:
4戦ぶりに表彰台に上がることが出来、それも、1位、3位でホッとしている。ただし、 トヨタ"RV8Fα"エンジンの実力と性能には絶対の自信があったので、表彰台を独占できなかったことは悔やまれる。今後も表彰台を独占するべく邁進する。高木選手は、レースの内容はとても良かったが、サスペンショントラブルは残念だった。

リザルト

決勝結果
順位No.ドライバーエンジンシャシーチームLapタイム/差ST
16C.ダ・マッタトヨタローラニューマン・ハース6001:56:43.0302
233A.タグリアーニフォードレイナードフォーサイス600.8053
34B.ジュンケイラトヨタローラチップ・ガナッシ601.531
410T.カナーンホンダローラモー・ナン607.14718
58J.バッサーフォードローラレイホール6011.48915
611C.フィッティパルディトヨタローラニューマン・ハース6012.39111
1412K.ブラックトヨタローラチップ・ガナッシ3921 Laps7
155高木虎之介トヨタレイナードウォーカー3624 Laps13
1620O.セルビアトヨタレイナードパトリック3525 Laps9
1744S.ディクソントヨタローラチップ・ガナッシ2634 Laps5
Race DATA
ポールポジションB.ジュンケイラ (1:42.151)
ファステストラップB.ジュンケイラ (1:43.792)
最多リードラップP.トレーシー(24周)
気温摂氏26度
天候晴れ
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1位C.ダ・マッタトヨタ143
2位P.カーペンティアフォード101
3位B.ジュンケイラトヨタ101
5位C.フィッティパルディトヨタ82
10位K.ブラックトヨタ68
11位S.ディクソントヨタ62
16位高木虎之介トヨタ37
18位T.ベルトヨタ19
19位O.セルビアトヨタ16
マニュファクチャラーズポイント
順位エンジンポイント
1位トヨタ209
2位ホンダ182
3位フォード164