「虎」高木が今季唯一の欧州戦で快走 惜しくも表彰台を逃がす
C.ダ・マッタが2位入賞チャンピオンポイント首位堅守
予選
快走を見せ、6位入賞を果たした
高木虎之介とトヨタ・レイナード
CART第15戦は、今シーズン唯一の欧州遠征戦。イギリス・ロッキンガムが戦いの舞台。ロンドンから北西に約80マイルのコルビーに位置する「ロッキンガム・スピードウェイ」は、1周1.5マイルの台形型をしたオーバルコース。
9月13日(金)の午前中にプラクティスが行なわれ、午後には予選、そして14日(土)には決勝レースが行なわれる予備日を考慮した"2デイレース"。昨年、初めての開催では、懸念されていたイギリス特有の雨に祟られ、期待は裏切られ1日目、2日目共に、プラクティス、予選共にキャンセル。かろうじて雨のあがった3日目に、予選無しでそれまでの獲得ポイント順に決勝レースをスタートしたものの、日没で168周のレースが140周に短縮された苦い経験を持つ。
しかし、今年は、天気に恵まれ快晴のもと、13日(金)に予選を行い、ポールポジションをK.ブラックが獲得。2番手は、M.アンドレッティ(ホンダ)に譲ったものの、3番手にはC.ダ・マッタ、4番手には絶好調の高木虎之介、6番手にB.ジュンケイラが入るなどトヨタチームが大活躍。残り5戦中3勝で確定する、念願のマニュファクチャラーズチャンピオン獲得へと体制を固めた。
決勝
9月14日(土)午前1時30分、昨年より周回数を増した211周の決勝レースがスタート。K.ブラックのリードで序盤戦へ突入した。セカンドロースタートで、決勝前のウォームアップ走行でも2番手タイムと、好調な"虎"高木も、4位をキープ。
15周目に最初のイエローコーションとなるが、上位陣はピットインせず、規定の最大連続周回数47周目に、一斉に最初のピット合戦となった。ここで、"虎"高木は素晴らしいピットワークに支えられ、首位を守るK.ブラックに続く2位に躍進。2度目のピットインも順調にこなし、その直後には、ペナルティで後退したM.アンドレッティを捉え、3位に上がったC.ダ・マッタとともに、事実上トヨタチームの1-2-3体勢で中盤戦へと持ち込んだ。
この間、"虎"高木は、首位のK.ブラックと激しい首位争いのバトルを見せたが、138周目に上位陣の中で一足先に3度目のピットインを行う賭けに出た"虎"高木は、ピットアウト後、周回遅れに阻まれ、惜しくも4位へと後退。
その後は、169周目、T.カナーン(ホンダ)の接触で、各車が最後のピットインへと殺到する中、首位K.ブラックがタイヤ交換時にホイールナットを落とす痛恨のミスでタイムロス。首位をD.フランキッティ(ホンダ)に譲り8位へと大きく順位を落としてしまった。
また、このピットインで、"虎"高木も、O.セルビア、B.ジュンケイラに先行を許し、6位に後退。惜しくも初の表彰台獲得は成らなかった。
この波乱のレースでトヨタチーム最上位の2位でフィニッシュしたのは、ドライバーズチャンピオン争いで首位を堅守するC.ダ・マッタ。着実な戦いぶりを見せ、ドライバーズ/マニュファクチャラーズ両チャンピオン獲得へ向け、貴重なポイントを獲得した。
C.ダ・マッタ(ニューマン・ハース・レーシング)のコメント:
すべてが上手くはこび、セッティングも仕上がりが良く、完全な体制でレースに挑むことが出来た。もちろん首位を狙っていたが、D.フランキッティを捉えるチャンスが巡ってこなかった。無理をする気は無かったし、とにかく着実にポイントを獲得することだけに集中していた。残りのレースも、ポイントの獲得を目指して、一刻も早く、ドライバー/マニュファクチャラー両タイトルを確実なものにしたい。
高木虎之介(ウォーカー・レーシング)のコメント:
昨日の練習走行からクルマの調子が非常に良く、トヨタエンジンも強力で、勝てる手応えを感じていた。オーバルなのに抜きにくいコースなので、ピットワークが重要になることはわかっていた。しかし、いいポジションからのスタートで、首位争いをしていただけに、この結果は本当に悔しい。最初のピットストップでは、チームは素晴らしい仕事をしてくれたが、全てがパーフェクトでないと勝てないということを痛感させられた。今シーズンも残すところ4戦となってしまったが、フォンタナのオーバルも残っているし、まだチャンスはあると思っている。
TRD-USA 林 博美のコメント:
ほとんどK.ブラックの勝利が見えていたレースを、ピットの作業ミスで落としてしまい ものすごく悔しい。しかし、C.ダ・マッタが、しっかりと2位を確保してくれ、獲得ポイントも最小のリスクで首位を堅守出来た。残り4戦は、すべて完璧なレースを戦うべく、各チームと共に全力を尽くす。また、高木選手は、すごく良い走りで、表彰台は間違いないと思ったが、3回目のピットインの戦略が裏目に出てしまった。6位だが、充分に表彰台獲得に相当する内容のレースをしてくれた。今シーズンも残り少なくなったが、絶対に表彰台に上がってくれると信じている。
リザルト
決勝結果 | ||||||||
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順位 | No. | ドライバー | エンジン | シャシー | チーム | Lap | タイム/差 | ST |
1 | 27 | D.フランキッティ | ホンダ | ローラ | グリーン | 211 | 01:58:44.754 | 5 |
2 | 6 | C.ダ・マッタ | トヨタ | ローラ | ニューマン・ハース | 211 | 0.986 | 3 |
3 | 32 | P.カーペンティア | フォード | レイナード | フォーサイス | 211 | 2.785 | 10 |
4 | 20 | O.セルビア | トヨタ | レイナード | パトリック | 211 | 3.757 | 14 |
5 | 4 | B.ジュンケイラ | トヨタ | ローラ | チップ・ガナッシ | 211 | 4.281 | 6 |
6 | 5 | 高木虎之介 | トヨタ | レイナード | ウォーカー | 211 | 4.778 | 4 |
8 | 12 | K.ブラック | トヨタ | ローラ | チップ・ガナッシ | 211 | 13.912 | 1 |
12 | 44 | S.ディクソン | トヨタ | ローラ | チップ・ガナッシ | 209 | 2 Laps | 16 |
17 | 11 | C.フィッティパルディ | トヨタ | ローラ | ニューマン・ハース | 44 | 167 Laps | 12 |
Race DATA | |||||||
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ポールポジション | K.ブラック (24.908) | ||||||
ファステストラップ | J.バッサー (25.217) | ||||||
最多リードラップ | K.ブラック(134周) | ||||||
気温 | 摂氏16度 | ||||||
天候 | 曇り |
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