2002年9月15日(日)配信

「虎」高木が今季唯一の欧州戦で快走 惜しくも表彰台を逃がす
C.ダ・マッタが2位入賞チャンピオンポイント首位堅守

予選
快走を見せ、6位入賞を果たした
高木虎之介とトヨタ・レイナード
快走を見せ、6位入賞を果たした 高木虎之介とトヨタ・レイナード
 CART第15戦は、今シーズン唯一の欧州遠征戦。イギリス・ロッキンガムが戦いの舞台。ロンドンから北西に約80マイルのコルビーに位置する「ロッキンガム・スピードウェイ」は、1周1.5マイルの台形型をしたオーバルコース。  9月13日(金)の午前中にプラクティスが行なわれ、午後には予選、そして14日(土)には決勝レースが行なわれる予備日を考慮した"2デイレース"。昨年、初めての開催では、懸念されていたイギリス特有の雨に祟られ、期待は裏切られ1日目、2日目共に、プラクティス、予選共にキャンセル。かろうじて雨のあがった3日目に、予選無しでそれまでの獲得ポイント順に決勝レースをスタートしたものの、日没で168周のレースが140周に短縮された苦い経験を持つ。  しかし、今年は、天気に恵まれ快晴のもと、13日(金)に予選を行い、ポールポジションをK.ブラックが獲得。2番手は、M.アンドレッティ(ホンダ)に譲ったものの、3番手にはC.ダ・マッタ、4番手には絶好調の高木虎之介、6番手にB.ジュンケイラが入るなどトヨタチームが大活躍。残り5戦中3勝で確定する、念願のマニュファクチャラーズチャンピオン獲得へと体制を固めた。

決勝
 9月14日(土)午前1時30分、昨年より周回数を増した211周の決勝レースがスタート。K.ブラックのリードで序盤戦へ突入した。セカンドロースタートで、決勝前のウォームアップ走行でも2番手タイムと、好調な"虎"高木も、4位をキープ。  15周目に最初のイエローコーションとなるが、上位陣はピットインせず、規定の最大連続周回数47周目に、一斉に最初のピット合戦となった。ここで、"虎"高木は素晴らしいピットワークに支えられ、首位を守るK.ブラックに続く2位に躍進。2度目のピットインも順調にこなし、その直後には、ペナルティで後退したM.アンドレッティを捉え、3位に上がったC.ダ・マッタとともに、事実上トヨタチームの1-2-3体勢で中盤戦へと持ち込んだ。  この間、"虎"高木は、首位のK.ブラックと激しい首位争いのバトルを見せたが、138周目に上位陣の中で一足先に3度目のピットインを行う賭けに出た"虎"高木は、ピットアウト後、周回遅れに阻まれ、惜しくも4位へと後退。  その後は、169周目、T.カナーン(ホンダ)の接触で、各車が最後のピットインへと殺到する中、首位K.ブラックがタイヤ交換時にホイールナットを落とす痛恨のミスでタイムロス。首位をD.フランキッティ(ホンダ)に譲り8位へと大きく順位を落としてしまった。  また、このピットインで、"虎"高木も、O.セルビア、B.ジュンケイラに先行を許し、6位に後退。惜しくも初の表彰台獲得は成らなかった。  この波乱のレースでトヨタチーム最上位の2位でフィニッシュしたのは、ドライバーズチャンピオン争いで首位を堅守するC.ダ・マッタ。着実な戦いぶりを見せ、ドライバーズ/マニュファクチャラーズ両チャンピオン獲得へ向け、貴重なポイントを獲得した。

C.ダ・マッタ(ニューマン・ハース・レーシング)のコメント:
すべてが上手くはこび、セッティングも仕上がりが良く、完全な体制でレースに挑むことが出来た。もちろん首位を狙っていたが、D.フランキッティを捉えるチャンスが巡ってこなかった。無理をする気は無かったし、とにかく着実にポイントを獲得することだけに集中していた。残りのレースも、ポイントの獲得を目指して、一刻も早く、ドライバー/マニュファクチャラー両タイトルを確実なものにしたい。

高木虎之介(ウォーカー・レーシング)のコメント:
昨日の練習走行からクルマの調子が非常に良く、トヨタエンジンも強力で、勝てる手応えを感じていた。オーバルなのに抜きにくいコースなので、ピットワークが重要になることはわかっていた。しかし、いいポジションからのスタートで、首位争いをしていただけに、この結果は本当に悔しい。最初のピットストップでは、チームは素晴らしい仕事をしてくれたが、全てがパーフェクトでないと勝てないということを痛感させられた。今シーズンも残すところ4戦となってしまったが、フォンタナのオーバルも残っているし、まだチャンスはあると思っている。

TRD-USA 林 博美のコメント:
ほとんどK.ブラックの勝利が見えていたレースを、ピットの作業ミスで落としてしまい ものすごく悔しい。しかし、C.ダ・マッタが、しっかりと2位を確保してくれ、獲得ポイントも最小のリスクで首位を堅守出来た。残り4戦は、すべて完璧なレースを戦うべく、各チームと共に全力を尽くす。また、高木選手は、すごく良い走りで、表彰台は間違いないと思ったが、3回目のピットインの戦略が裏目に出てしまった。6位だが、充分に表彰台獲得に相当する内容のレースをしてくれた。今シーズンも残り少なくなったが、絶対に表彰台に上がってくれると信じている。

リザルト

決勝結果
順位No.ドライバーエンジンシャシーチームLapタイム/差ST
127D.フランキッティホンダローラグリーン21101:58:44.7545
26C.ダ・マッタトヨタローラニューマン・ハース2110.9863
332P.カーペンティアフォードレイナードフォーサイス2112.78510
420O.セルビアトヨタレイナードパトリック2113.75714
54B.ジュンケイラトヨタローラチップ・ガナッシ2114.2816
65高木虎之介トヨタレイナードウォーカー2114.7784
812K.ブラックトヨタローラチップ・ガナッシ21113.9121
1244S.ディクソントヨタローラチップ・ガナッシ2092 Laps16
1711C.フィッティパルディトヨタローラニューマン・ハース44167 Laps12
Race DATA
ポールポジションK.ブラック (24.908)
ファステストラップJ.バッサー (25.217)
最多リードラップK.ブラック(134周)
気温摂氏16度
天候曇り
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1位C.ダ・マッタトヨタ191
2位B.ジュンケイラトヨタ133
3位D.フランキッティホンダ126
5位C.フィッティパルディトヨタ98
10位S.ディクソントヨタ82
11位K.ブラックトヨタ81
15位高木虎之介トヨタ45
18位O.セルビアトヨタ30
マニュファクチャラーズポイント
順位エンジンポイント
1位トヨタ266
2位ホンダ234
3位フォード192