2002年6月10日(月)配信

C.ダ・マッタ独走 トヨタチーム表彰台独占 ラグナセカ完全勝利
高木虎之介は、残り3周で痛恨のスピン 完走ならず

予選
独走体制でトヨタチームを完全勝利へ導いたC.ダ・マッタ(中央)を表彰台で祝福する2位のC.フィッティパルディ(右)と3位のK.ブラック(左)
独走体制でトヨタチームを完全勝利へ導いたC.ダ・マッタ(中央)を
表彰台で祝福する2位のC.フィッティパルディ(右)と3位のK.ブラック(左)
 前戦第4戦ミルウォーキーから一週間。CARTは西海岸カリフォルニア州のモントレーへ戦いの舞台を移した。第5戦が行われる"ラグナセカ"は、サンフランシスコから車で2時間ほど南下した観光保養地モントレー郊外の丘陵地帯に造られた1周2.238マイル(3.6Km)の中高速サーキット。一気に丘をS字コーナーで駆け下りる「コークスクリュー」がドライバーの度胸を試し、エンジンパワーとセッティングの良し悪しが問われる難コース。
 6月7日(金)午後に行われた予選1日目は、今年2月の「スプリングトレーニング」では、圧倒的なタイムで、他をまったく寄せ付けなかったC.ダ・マッタに期待が集まった。しかし、タイムアタック終盤までトップをキープしていたものの最後のアタックでクリアラップがとれず、同じくトヨタチームのK.ブラックにトップを譲り2番手。K.ブラックは、今年からの規則により、早々とフロントローを確約され、予選2日目のトップタイム争いでポールポジションを競うこととなった。
 8日(土)の予選2日目は、C.ダ・マッタが奮起、堂々自身初のポールポジションを獲得。トヨタチーム全員が予選トップ10入りを果たした。

決勝
 6月9日(日)午後1時半に87周にわたる決勝レースがスタート。オープニングラップ早々にD.フランキッティ(ホンダ)の接触からイエローフラッグ。5周目のレース再開から本格的な戦いが始まった。
 フロントロースタートのC.ダ・マッタとK.ブラックに続き、B.ジュンケイラがトヨタチームをリードしてトップ3を形成、5位にC.フィッティパルディ、8位にS.ディクソン、9位に高木虎之介という順列で序盤戦へ突入。中でもC.ダ・マッタは、唯一、1分11秒台で走行し、2位以下を大きく離して独走態勢。17周目にP.トレーシー(ホンダ)がターン4でクラッシュして再びイエローフラッグになるなど、規定周回数の給油ピットインを含め、ピットインによる若干の順位変動はあったものの、4位、5位争いで孤軍奮闘のP.カーペンティア(フォード)を挟み、トヨタチームの上位独占状態に変わりは無く、中盤戦そして終盤戦へと戦いは進んだ。
 そして、1位のC.ダ・マッタから7位、8位争いを展開する高木虎之介とT.ベルまで、トヨタチーム7台の完全勝利が目前かと思われていたが、残り3周となった84周目に高木虎之介がターン11で痛恨のコースオフ。惜しくも15位へ後退、その後、戦列を去ることとなってしまった。
 しかし、C.ダ・マッタがトップで逃げ切り堂々の優勝。2位にはC.フィッティパルディ、3位にK.ブラックとトヨタチームが表彰台を独占。念願の"ラグナセカ"完全勝利をものにした。

C.ダ・マッタ(ニューマン・ハース・レーシング)のコメント:
今回のラグナセカでは、プラクティスから予選、決勝とすべてパーフェクトだった。最多リードラップのポイントも加え、22ポイントを獲得出来、再びチャンピオンシップポイントで首位に返り咲くことが出来たことが何よりも嬉しい。今日の勝利で確実に復調したことも実証出来、次戦以降が楽しみだ。

高木虎之介(ウォーカー・レーシング)のコメント:
すごく順調に他のトヨタチームとともに、着実にレースを戦っていた。しかし、あと、ほんの3周でゴールという時に、前を行くS.ディクソンに追突して、コースオフしてしまった。いつものブレーキングポイントよりも、早めにブレーキをかけていたようで、とても避けられる状況ではなかった。本当にアンラッキーとしか言いようがないが、調子は良いので、次戦では、必ず結果を出して表彰台へのぼるつもりだ。

TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
1位から4位までを独占、それもC.ダ・マッタの初ポールポジションからの完全勝利。そして、K.ブラックもシーズン初の表彰台獲得を果たしてくれた。さらに加えるならば、トヨタチーム7台が揃って上位入賞を果たしたかったが、高木選手のコースオフは残念だった。しかし、この勢いを持続して、これから本格シーズンに入るCARTシリーズを全力で戦い、マニュファクチャラーポイントでも首位へと戦いを挑み続ける。

TRD-USA 林 博美のコメント:
先週のミルウォーキー戦では、セッティングに手間取り、さらに決勝レースでは、各チームにミスも出て、とても悔しい思いをした。しかし、この"ラグナセカ"では、エンジンパワーも証明出来、素晴らしい結果でしめくくる事が出来た。次戦ポートランドも今回同様の「エンジンパワーサーキット」なので気合を抜かずに頑張る。

リザルト

決勝結果
順位No.ドライバーエンジンシャシーチームLapタイム/差ST
16C.ダ・マッタトヨタローラニューマン・ハース8701:55:28.7451
211C.フィッティパルディトヨタローラニューマン・ハース8719.0875
312K.ブラックトヨタローラチップ・ガナッシ8719.412
44B.ジュンケイラトヨタローラチップ・ガナッシ8734.2553
532P.カーペンティアフォードレイナードプレイヤーズ・フォーサイス8735.0956
644S.ディクソントヨタローラチップ・ガナッシ8701:11.9569
720T.ベルトヨタレイナードパトリック8701:12.4310
165高木虎之介トヨタレイナードウォーカー834Laps8
Race DATA
ポールポジションC.ダ・マッタ (1:09.473)
ファステストラップC.ダ・マッタ (1:11.369)
最多リードラップC.ダ・マッタ (82周)
気温摂氏20度
天候晴れ
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1位C.ダ・マッタトヨタ51
2位M.ジョルダイン・Jr.フォード46
3位C.フィッティパルディトヨタ43
4位B.ジュンケイラトヨタ38
6位K.ブラックトヨタ33
13位S.ディクソントヨタ28
15位高木虎之介トヨタ13
16位O.セルビアトヨタ13
17位T.ベルトヨタ6
マニュファクチャラーズポイント
順位エンジンポイント
1位トヨタ88
2位ホンダ77
3位フォード69