2002年4月15日(月)配信

波乱の「トヨタ・グランプリ」でK.ブラックが4位、「虎」高木が6位入賞
序盤圧倒的な速さで首位独走のC.ダ・マッタは無念の接触で8位

予選
粘り強い走りで6位入賞を果たした
高木虎之介とトヨタ・レイナード
粘り強い走りで6位入賞を果たした
高木虎之介とトヨタ・レイナード
CART第1戦モンテレー(メキシコ)から約1ヶ月。第2戦は、アメリカ西海岸ロングビーチで開催される伝統の"トヨタ・グランプリ"。米国トヨタ、そしてTRD-USAの本拠、ロサンジェルスに隣接した市街地の公道を閉鎖して行われるレースで、トヨタチームは一昨年3位、昨年2位を獲得。今年は、念願の初勝利を目指した。
 また、今期開幕戦で優勝を果たしたC.ダ・マッタにとっては、この1戦が4戦連続優勝というCART史上3人目のタイ記録樹立への戦いとなった。
 C.ダ・マッタは、12日(金)からフルアタック。公式練習、予選第1日目ともにトップタイムをマーク。早々とフロントローを確保するとともに1ポイントを獲得。13日(土)の予選第2日目もトップタイムを狙ったC.ダ・マッタであったが、予選終了間際の赤旗中断に阻まれて2番手タイムに甘んじで総合予選2位となった。
 総合予選1位は、J.バッサー(フォード)に譲ったものの、トヨタチームは、予選2位から予選5位までを確保。一方、金曜日の公式練習では3番手のタイムをマークするなど、好調な滑り出しを見せた高木虎之介は、予選12番手から決勝レースへと臨むこととなった。

決勝
 曇り空ながら大観衆の見守る中、午後12時43分にスタートした決勝レースは、フロントロー予選2番手スタートとなったC.ダ・マッタが、ポールポジションのJ.バッサーを第1ターンで見事にパス。トップに立ったC.ダ・マッタは、その後も、2位のJ.バッサーとの差をキープしながら首位を堅持。独走状態かと思われた。
 しかし、30周目に、S.ディクソンがコース上にストップしたことでフルコースコーションとなり、各車一斉にピットイン。ここでC.ダ・マッタがピットアウトしようとした際に、ピットインしようとしたA.フェルナンデス(ホンダ)と接触し、C.ダ・マッタはピットウォールに接触。レースには復帰したものの、最後尾へと後退することとなってしまった。
 C.ダ・マッタの後退後、トヨタチーム最上位で気を吐いたのはK.ブラック。首位を逃げるJ.バッサーと激しくトップ争いを展開していたが、終盤、ピットのタイミングをずらした作戦が功を奏したM.アンドレッティ(ホンダ)とM.パピス(フォード)に先行を許し、結局4位でのフィニッシュとなった。
 予選12番手からスタートを切った高木虎之介は、抜きどころが少ない、狭いコースで粘り強くトップグループを追走。見事な走りを見せ、6位入賞を果たした。
 レースは、6回のフルコースコーションが出る波乱の展開となり、出走20台のうち、完走はわずか10台というサバイバルレースであった。次戦は4月27日、「もてぎ」へと戦いの舞台を移す。

4位入賞を果たしたK.ブラック(チップ・ガナッシ・レーシング)のコメント:
ピット戦略で順位を譲ることになってしまったが、これもCARTレ-スの勝負の一部だから仕方ない。前戦メキシコでは,全く思り通りにならず苦戦したが、テストの成果があったのか、このロングビーチでは確実な手応えを感じた。この勢いで「もてぎ」で更なる上位入賞を目指す。

6位入賞を果たした高木虎之介(ウォーカー・レーシング)のコメント:
とにかく狭く、オーバーテイクのポイントの少ないこのコースで、12番手スタートということを考えれば、今日の結果は満足行くものだと思う。燃費的にはちょっと辛かったのだが、何とかポジションをキープし、走り抜くことが出来た。この週末は比較的初めから調子よくクルマをセットアップできたが、より上位を狙うためには、予選でもう少し上のポジションを得られるようにしたいところだ。長いインターバルの間に行ったテストの結果も悪くないし、次の「もてぎ」では地元のファンに少しでもいいところが見せられるように頑張りたい。

惜しくも8位となったC.ダ・マッタ(ニューマン・ハース・レーシング)のコメント:
本当に今日のクルマの調子は最高だった。不運なアクシデントで4戦連続優勝の記録はかなわなかったが、8位でポイントを獲得し、ポイントランキング首位を守ることが出来たのは不幸中の幸いだ。気持ちを切り替え、シリーズチャンピオン獲得へ向けて全力を尽くす。

TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
今日のレースは、客観的に見ても一番C.ダ・マッタが有利だった。連続優勝記録もかかっていただけに、ピットでのアクシデントには心が傷む。態勢を整え直し、次戦「もてぎ」での雪辱に備える。

TRD-USA 林 博美のコメント:
ウォーミングアップでの調子は上々だった。決勝では、不運なアクシデントやミスに見舞われ、それまでの好調さを維持することが出来なかった。結果は、上々というわけではないが、他と比較しても好調さは保っており、次戦「もてぎ」では必ず結果を出したいと思っている。高木選手は予選12位でスタートし、全くミス無くレースを運び6位で完走してくれた。レース展開を振り返ってみれば、実質は4位の出来ともいえる頑張りを見せてくれた。今後の課題は、予選で5番手以内の上位に入り、決勝レースで一刻も早く表彰台に昇って欲しいと願っている。

リザルト

決勝結果
順位No.ドライバーエンジンシャシーチームLapタイム/差ST
139M.アンドレッティホンダレイナードチーム・モトローラ9002:02:14.54215
28J.バッサーフォードローラチーム・レイホール900.4661
322M.パピスフォードローラシグマ・オートスポーツ904.69818
412K.ブラックトヨタローラチップ・ガナッシ905.254
59M.ジョルダインJr.フォードローラチーム・レイホール907.48810
65高木虎之介トヨタレイナードウォーカー908.3312
86C.ダ・マッタトヨタローラニューマン・ハース9010.8232
1117O.セルビアトヨタローラPWR7911 Laps13
1311C.フィッティパルディトヨタローラニューマン・ハース6723 Laps9
1520T.ベルトヨタレイナードパトリック5733 Laps5
174B.ジュンケイラトヨタローラチップ・ガナッシ5139 Laps3
187S.ディクソントヨタローラPWR3060 Laps19
Race DATA
ポールポジションJ.バッサー(1:07.742)
ファステストラップB.ジュンケイラ(1:08.981)
最多リードラップM.アンドレッティ(43周)
気温摂氏22度
天候曇り
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1位C.ダ・マッタトヨタ27
2位M.アンドレッティホンダ22
3位M.ジョルダイン・Jr.フォード22
7位C.フィッティパルディトヨタ14
8位K.ブラックトヨタ12
11位高木虎之介トヨタ8
12位S.ディクソントヨタ8
14位O.セルビアトヨタ5
16位B.ジュンケイラトヨタ2
マニュファクチャラーズポイント
順位エンジンポイント
1位ホンダ39
2位トヨタ34
3位フォード29