2002年8月12日(月)配信

夏の陣 4連戦への緒戦ミッド・オハイオで7台中6台が入賞
C.ダ・マッタ首位奪取ならず 僚友C.フィッティパルディが2位

予選
トヨタチーム最上位2位入賞のC.フィッティパルディとトヨタ・ローラ
トヨタチーム最上位2位入賞のC.フィッティパルディとトヨタ・ローラ
 全19戦でチャンピオン争いが繰り広げられている今シーズンのCARTシリーズも折り返しの第11戦目を迎えた。
 後半戦へと突入した、このミッド・オハイオ戦から始まる4連戦は、チャンピオンの行方を占う、重要な"夏の陣"。これまで、ミッド・オハイオでは、悔しい結果を残してきたトヨタチームは、満を持して"ミッド・オハイオ・スポーツカー・コース"へ集結した。
 米国中部オハイオ州の州都コロンバスと、第9戦が行われたクリーブランドの、ほぼ中間点に位置する常設サーキットは、1周2.258マイル(3.634Km)。左右のターンに加え、丘陵地帯で上下のアップダウンが加わるCARTシリーズの中でも屈指の難コースで予選が行われた。
 9日(金)の予選第1日目は大詰めのセッション終了間際にT.カナーン(ホンダ)がスピン。続く高木虎之介もスピンを喫して赤旗終了。C.ダ・マッタは最後のアタックを逸して僅差の2番手、4番手タイムだった高木虎之介も赤旗ペナルティでベストラップを奪われ8番手となった。
 10日(土)の予選第2日目も接戦の末、C.フィッティパルディが2番手、C.ダ・マッタが3番手、K.ブラックが4番手となり高木虎之介は10番手から決勝へ臨むこととなった。

決勝
 8月11日(日)決勝の朝を迎えたミッド・オハイオは、朝から快晴。のどかな田園の広がる丘陵に強烈な太陽が照り付けた。気温も30度へとうなぎのぼりで、レースへの熱気が増す中、9時半からのウォームアップ走行では、高木虎之介がトップタイムを奪取。好調さをアピールするトヨタチームに期待が集まる中、午後12時30分に全92周の決勝レースがスタートした。
 きれいなスタートで始まった序盤戦は、C.ダ・マッタが首位を逃げるP.カーペンティア(フォード)を追うものの、上位の順位は変わらず淡々と進行。全92周中、規定で最大26周以内という給油ピットイン規定をめぐる各チーム・ドライバーの作戦に注目が集まる中、2回目の給油直前に、まさかのドラマが起こった。
 激しい首位攻防戦を繰り広げていたC.ダ・マッタが、P.カーペンティアを追いつめ、唯一の追い越しポイントである第3ターンでパスしようとしてまさかのスピン。コースアウトし、グラベルに捕まったC.ダ・マッタは、レースに復帰するものの、1周遅れの最後尾にまで後退することとなってしまった。
 その後、トヨタチームをリードするのは、チームメイトのC.フィッティパルディ。C.ダ・マッタに代わって、首位を行くP.カーペンティアを追撃するが僅かに届かず2位でフィニッシュ。
 また、期待の高木虎之介は、最初の給油ピットインで、ピットレーン速度違反のペナルティを取られ、惜しくも後退、12位でチェッカーを受けた。
 4位、5位、6位には、猛暑の中を粘り強く戦ったB.ジュンケイラ、S.ディクソン、K.ブラックの3台が入り、O.セルビアは10位。最後まで諦めずに戦い続けたC.ダ・マッタは13位で完走を果たした。

C.フィッティパルディ(ニューマン・ハース・レーシング)のコメント:
2位でフィニッシュし、ポイントを獲得できたことは、これまで2戦で完走出来なかっただけにとても嬉しい。ただ、最初のピットストップで、P.カーペンティアとの差を詰めていたら、パスするチャンスもあったかもしれないので、ちょっと残念だ。車の調子はとても良かったが、先行車の起こす乱気流と、滑りやすいコース、そして大変な暑さに苦しめられた。今季最上位のポジションでフィニッシュすることが出来たが、まだ、優勝するチャンスは8戦も残っている。この勢いを次戦ロードアメリカへと維持し、私の好きなコースで勝利を目指す。

高木虎之介(ウォーカー・レーシング)のコメント:
スタートで出遅れ2台に抜かれてしまい、さらに、最初のピットインの際に速度制御スイッチが誤作動してしまい速度違反ペナルティを取られてしまった。今朝のウォームアップ走行から、絶好調でこのレースこそ表彰台への手応えを掴んでいただけに、本当に悔しい。とにかく、この4連戦で表彰台をものにする。

TRD-USA社長 J.オーストのコメント:
優勝こそ出来なかったが、トヨタチームのドライバー達は、ここミッド・オハイオでも全力で戦ってくれた。C.ダ・マッタは、首位奪取が見えていただけに残念だったが、このコースは大変追い抜きが難しいコースであり、この結果は、すでに土曜日の予選で決まってしまっていたのかも知れない。次戦では勝利は逃がさない。

TRD-USA 林 博美のコメント:
ここ数戦からすれば、結果は良かったとはいえ、今一歩のところで首位を捕らえられず 満足とは言い難いレースだった。しかし、調子は決して悪くはなく、次戦は、トヨタチームが最も得意とするエンジンパワーサーキットなので、必ず優勝すべく全力で戦う。今回は、思わぬペナルティやトラブルで後退を余儀なくされた高木選手も得意とする次戦ロードアメリカで、一気にマニュファクチャラーポイント争いを確実なものへと持ち込みたい。

リザルト

決勝結果
順位No.ドライバーエンジンシャシーチームLapタイム/差ST
132P.カーペンティアフォードレイナードフォーサイス9201:56:17.5731
211C.フィッティパルディトヨタローラニューマン・ハース923.2132
339M.アンドレッティホンダローラモトローラ924.7338
44B.ジュンケイラトヨタローラチップ・ガナッシ925.7336
544S.ディクソントヨタローラチップ・ガナッシ928.58615
612K.ブラックトヨタローラチップ・ガナッシ9215.5134
733A.タグリアーニフォードレイナードフォーサイス9219.8547
88J.バッサーフォードローラレイホール9223.24113
952中野信治ホンダローラフェルナンデス9224.16617
1020O.セルビアトヨタレイナードパトリック9226.37112
125高木虎之介トヨタレイナードウォーカー9230.52610
136C.ダ・マッタトヨタローラニューマン・ハース911 Lap3
Race DATA
ポールポジションP.カーペンティア (1:06.128)
ファステストラップC.ダ・マッタ (1:07.966)
最多リードラップP.カーペンティア(89周)
気温摂氏32度
天候晴れ
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1位C.ダ・マッタトヨタ122
2位P.カーペンティアフォード95
3位B.ジュンケイラトヨタ86
7位C.フィッティパルディトヨタ74
9位K.ブラックトヨタ68
11位S.ディクソントヨタ62
15位高木虎之介トヨタ37
18位T.ベルトヨタ19
19位O.セルビアトヨタ16
マニュファクチャラーズポイント
順位エンジンポイント
1位トヨタ187
2位ホンダ169
3位フォード148