2001年3月25日(日)配信

全日本F3開幕。豪雨の鈴鹿をトムスのP.モンティンが制す
1ラウンド2レース制となった全日本F3。
第1戦ではインギングのJ.デュフォアが2位入賞


豪雨の第2戦をポール・トゥ・ウィンで制した
P.モンティンのトムスF301を先頭にスタートする全車
 全日本F3選手権の第1、2戦が3月24~25日に三重県の鈴鹿サーキット(一周5.85913km)で開催された。
 第1戦ではポールポジションからスタートしたJ.デュフォア(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)がB.トレルイエ(無限MF204B)に続く2位、第2戦ではヘビーウェットの悪条件の中、第1戦で3位入賞を果したB.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)がポール・トゥ・ウィンで来日初優勝を果した。
 若手ドライバーが凌ぎを削る全日本F3選手権は、今季から欧州のF3と同じく、一大会に2レースづつ行なわれることとなった(鈴鹿東コースで行なわれる第6戦を除く)。土曜日に2戦分(2回)の公式予選を行ったあと、最初の決勝レースを行ない、日曜日に2度目の決勝レースを行なうもので、最初の予選でクラッシュを喫すると一気に2戦を失なう可能性もあり、エントラントにとってはこれまで以上に気の抜けない展開となる。
 開幕戦の舞台となった鈴鹿サーキットはコースの改修工事を終えたばかり。コース全長も若干短い5.85913kmとなった。フォーミュラ・ニッポン開幕戦と併催された今レースでは、ネッツカップ・ヴィッツ関西レースシリーズの開幕戦や、エッソ・フォーミュラトヨタシリーズ開幕戦も行われ、激戦が展開された。

◆第1戦決勝◆
 開幕ラウンドに出走したのは18台で、このうち13台がトヨタ製3S-GE型エンジン搭載車。シャシーは全車ダラーラ製で、年式の違いはあるものの、実質的にはイコールコンディションとなっている。
 好天に恵まれた土曜日第1回目の予選(第1決勝戦用)ではJ.デュフォアとP.モンティンがワン・ツーでトヨタエンジンがフロントロウを独占。しかし、12周の決勝レース第1戦では、J.デュフォアはスタートでホイールスピンを喫し、3番手スタートのB.トレルイエに先行を許してしまう。セッティングが今一つ煮詰まらなかったというJ.デュフォアは、これに続くも結局及ばず2位でチェッカー。同様にスタートに失敗したP.モンティンは、6周目にファステストラップを叩き出す快走で追い上げたが3位でフィニッシュとなった。

◆第2戦決勝◆
 明けて日曜日は、朝から雨。しかも小雨から時折激しく降る悪天候となった。第2戦は17周の戦い。コースレコードで第2戦のポールポジションに付けたP.モンティンは、今度はきれいにスタートを決め、トップで第1コーナーへ。その後、雨足が強まるものの2位B.トレルイエとの間隔を広げていく。
 終盤には、周回遅れに阻まれ、詰め寄られる場面もあったが、見事首位を守り切り、P.モンティンが初優勝を果たした。豪雨の中での接近戦で、3位にはJ.デュフォアが入り、第1戦、第2戦でトヨタエンジン搭載車は上位3位までに通算4台が入賞。トヨタは、エンジンマニュファクチャラーズ部門ポイントでホンダと同点の1位につけている。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
日本に来て2戦目のレースで勝つことが出来て本当に嬉しい。今日(25日の第2戦)は、なんとかスタートからリードを保てた。途中で雨が強くなったときも安定して走れた。一方、昨日(24日の第1戦)はスタートの失敗がたたってしまった。トムスはとてもレベルの高いチームなので、今年は日本でタイトルを目指して頑張りたい。

リザルト

第1戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 B.トレルイエ(フランス) ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 24:10.14 12 3
2 3 J.デュフォア(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 3.021 12 1
3 0 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 17.037 12 2
4 17 P.サンドバーグ(スウェーデン) ホンダ(無限MF204B) LIAN RACING 17.89 12 5
5 19 澤 圭太 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 24.057 12 7
6 33 小暮 卓史 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) NOW MOTOR SPORTS 30.68 12 13
7 9 松永 章嗣 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) PAL SPORT 39.468 12 9
8 18 密山 祥吾 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハット with エイムスポーツ 40.107 12 12
9 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 55.019 12 11
10 6 小川 貴裕 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TEAM 5JIGEN 1'11.453 12 14
第2戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 0 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 39'45.830 17 1
2 1 B.トレルイエ(フランス) ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 0.935 17 2
3 3 J.デュフォア(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 35.971 17 3
4 12 井出 有治 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 1'17.693 17 10
5 8 田崎 紀彦 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 1'22.750 17 6
6 19 澤 圭太 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 1'32.737 17 7
7 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 1'49.270 17 8
8 2 柳田 真孝 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 1'56.108 17 4
9 7 山本 左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 1Lap 16 17
10 9 松永 章嗣 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) PAL SPORT 1Lap 16 18
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 ブノワ・トレルイエ 無限 35
2 パオロ・モンティン トヨタ・トムス 32
3 ジェレミー・デュフォア トヨタ・トムス 27
4 澤 圭太 トヨタ・トムス 14
7 田崎 紀彦 トヨタ・トムス 8
8 小暮 卓史 トヨタ・トムス 6
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 35
1 ホンダ(無限MF204B) 35
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 10