豪雨の第2戦をポール・トゥ・ウィンで制した
P.モンティンのトムスF301を先頭にスタートする全車
全日本F3選手権の第1、2戦が3月24~25日に三重県の鈴鹿サーキット(一周5.85913km)で開催された。
第1戦ではポールポジションからスタートしたJ.デュフォア(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)がB.トレルイエ(無限MF204B)に続く2位、第2戦ではヘビーウェットの悪条件の中、第1戦で3位入賞を果したB.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)がポール・トゥ・ウィンで来日初優勝を果した。
若手ドライバーが凌ぎを削る全日本F3選手権は、今季から欧州のF3と同じく、一大会に2レースづつ行なわれることとなった(鈴鹿東コースで行なわれる第6戦を除く)。土曜日に2戦分(2回)の公式予選を行ったあと、最初の決勝レースを行ない、日曜日に2度目の決勝レースを行なうもので、最初の予選でクラッシュを喫すると一気に2戦を失なう可能性もあり、エントラントにとってはこれまで以上に気の抜けない展開となる。
開幕戦の舞台となった鈴鹿サーキットはコースの改修工事を終えたばかり。コース全長も若干短い5.85913kmとなった。フォーミュラ・ニッポン開幕戦と併催された今レースでは、ネッツカップ・ヴィッツ関西レースシリーズの開幕戦や、エッソ・フォーミュラトヨタシリーズ開幕戦も行われ、激戦が展開された。
◆第1戦決勝◆
開幕ラウンドに出走したのは18台で、このうち13台がトヨタ製3S-GE型エンジン搭載車。シャシーは全車ダラーラ製で、年式の違いはあるものの、実質的にはイコールコンディションとなっている。
好天に恵まれた土曜日第1回目の予選(第1決勝戦用)ではJ.デュフォアとP.モンティンがワン・ツーでトヨタエンジンがフロントロウを独占。しかし、12周の決勝レース第1戦では、J.デュフォアはスタートでホイールスピンを喫し、3番手スタートのB.トレルイエに先行を許してしまう。セッティングが今一つ煮詰まらなかったというJ.デュフォアは、これに続くも結局及ばず2位でチェッカー。同様にスタートに失敗したP.モンティンは、6周目にファステストラップを叩き出す快走で追い上げたが3位でフィニッシュとなった。
◆第2戦決勝◆
明けて日曜日は、朝から雨。しかも小雨から時折激しく降る悪天候となった。第2戦は17周の戦い。コースレコードで第2戦のポールポジションに付けたP.モンティンは、今度はきれいにスタートを決め、トップで第1コーナーへ。その後、雨足が強まるものの2位B.トレルイエとの間隔を広げていく。
終盤には、周回遅れに阻まれ、詰め寄られる場面もあったが、見事首位を守り切り、P.モンティンが初優勝を果たした。豪雨の中での接近戦で、3位にはJ.デュフォアが入り、第1戦、第2戦でトヨタエンジン搭載車は上位3位までに通算4台が入賞。トヨタは、エンジンマニュファクチャラーズ部門ポイントでホンダと同点の1位につけている。
トムスチームのP.モンティンのコメント:
日本に来て2戦目のレースで勝つことが出来て本当に嬉しい。今日(25日の第2戦)は、なんとかスタートからリードを保てた。途中で雨が強くなったときも安定して走れた。一方、昨日(24日の第1戦)はスタートの失敗がたたってしまった。トムスはとてもレベルの高いチームなので、今年は日本でタイトルを目指して頑張りたい。