2001年10月21日(日)配信

全日本F3選手権J.デュフォアと P.モンティン2位獲得で終幕
山本左近は4位フィニッシュ。目覚しい活躍で来シーズンに期待


第19戦でファステストラップをマーク
2位入賞を果たしたトムスチームのP.モンティン
 全日本F3選手権の今季最終ラウンド(第10大会)となる「2001フォーミュラ・ニッポン ラウンド9 ツインリンクもてぎミリオンカードカップレース」が10月20日、21日の両日、栃木県のツインリンクもてぎロードコースで開催された。
 20日(土)には第18戦と第19戦の公式予選及び第18戦の決勝レースが、21日(日)には第19戦の決勝レースが行われ18台が出走。このうちトヨタ3S‐GEエンジン搭載車は11台と過半数を占めた。
 秋晴れの好天のもと、20日午前中に行われた第18戦の予選では、トップタイムを記録したB.トレルイエ(無限MF204B)が黄旗掲示時にベストラップを記録したため、減速義務違反で当該タイムを抹消され、これに続くタイムをマークしたJ.デュフォア(INGING/トヨタ・トムス3S-GE)がポールポジションを獲得、さらにP.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が2番手に付けた。
 また、続いて行われた第19戦の予選では、ポールポジションこそB.トレルイエに譲ったものの、J.デュフォアも0.009秒差という僅差で2番手に付け好調ぶりをアピール。P.モンティンも3番手につけて決勝レースへと臨んだ。

◆第18戦決勝◆
 20日午後2時半にスタートした第18戦は、ポールスタートのJ.デュフォアが好スタートを切るが、同じくフロントローからスタートしたP.モンティンは若干出遅れ、B.トレルイエの先行を許す。その後J.デュフォアもB.トレイエにかわされ2位に後退。しかし、この3台は接近戦で後続を引き離し周回を重ね、J.デュフォアは巻き返しのチャンスを窺うが、B.トレルイエをかわせず、終盤には上位3台の単独走行となり、そのままの順位でチェッカーを受けた。

◆第19戦決勝◆
 21日は曇りの天候となったが、ドライコンディション。午前10時40分にスタートが切られた第19戦の決勝は、ポールポジションから逃げるB.トレルイエをP.モンティン、J.デュフォアが追う展開となった。
 スタート直後はB.トレルイエがその差を広げ、独走となるかと思われたが、P.モンティンは、その差を次第に縮める猛追撃。その後方にはJ.デュフォア、山本左近(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)と続くが、前戦同様に、上位グループは単独走行に。
 P.モンティンは15周目にファステストラップを記録する快走を見せるが、タイヤの発熱によりそれ以上のチャージはかなわず、惜しくも2位でチェッカーを受けることとなった。3位にはJ.デュフォアが入り再び表彰台へ。そして、表彰台には届かなかったものの、4位には山本左近が入り日本人選手の最上位として、目覚しい今季の成長ぶりを再びアピールした。
 今季の19戦が全て終了し、トヨタエンジン搭載車勢は惜しくもタイトルは逃す結果となったが、チャンピオン争いを繰り広げたP.モンティン、J.デュフォアの活躍、また山本左近ら若手の台頭と、期待を来期に繋いだ。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
金曜日の練習走行時からコースコンディションが大きく変わり、第18戦はセッティングに苦労した。第19戦はタイヤの発熱によりアタックを続けることが出来なかった。今シーズンは、全日本F3選手権2年目のB.トレルイエの走りがずっと目標だったが、少々及ばなかった。もっと勝ちたかったが、非常にレベルの高いシリーズを戦うことが出来たことには満足している。マカオGPでは昨年も2位に入っているし、思う存分頑張りたい。

INGINGチームのJ.デュフォアのコメント:
第18戦は、スタートも悪くなかったが、B.トレルイエを抑え込むことが出来なかった。第19戦は、プッシュしたがタイヤがオーバーヒートして後半、バランスも悪くなり、B.トレルイエを攻めきれなかった。1勝と3度のポール獲得という、今シーズンの結果は95年以来のF3復帰1年目としては良かったと思う。ただ、GT選手権のスープラとF3に参戦する体制だったので、完全にF3に集中出来なかったのが、ちょっと心残りだ。

トムスチームの山本左近のコメント:
チームに恵まれ、充実した一年でした。F3に乗ることで自分でも成長することが出来たと思います。しかし、ここから先が難しいところで、自分のレース人生にとっても来年あたりが正念場になると思います。来年はぜひ勝ちたい。また、来月トムスチームからP.モンティンと一緒にマカオGPに挑戦しますが、欲を出さずに勉強のつもりで悔いのないレース、勝った負けたではなく今後につながるようなレースをしたいと思います。

トムスチームの田崎紀彦のコメント:
 タイトルは取られたがP.モンティンは良いパフォーマンスを見せてくれた。 今季はトムスというトップチームでF3に乗ることが出来、勉強になりました。最初のうちは流れが掴めず、苦労もしましたが、監督やエンジニアをはじめチームのスタッフに色々な点で導いてもらい、かなり成長できたと、本当に感謝しています。この一年は、レースキャリアの中で、すごく大事な通過点となりました。

リザルト

第18戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 B.トレルイエ(フランス) ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 25'50.506 14 4
2 3 J.デュフォア(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 2.174 14 1
3 0 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 4.012 14 2
4 2 柳田 真孝 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 15.378 14 3
5 7 山本 左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 16.25 14 6
6 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 18.529 14 5
7 17 P.サンドバーグ(スウェーデン) ホンダ(無限MF204B) LIAN RACING 21.121 14 7
8 12 井出 有治 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 24.823 14 11
9 4 B.ジョアニー(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 25.305 14 10
10 18 密山 祥吾 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハット with エイムスポーツ 25.76 14 9
第19戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 B.トレルイエ(フランス) ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 36'55.011 20 1
2 0 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 0.62 20 3
3 3 J.デュフォア(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 3.128 20 2
4 7 山本 左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 16.02 20 5
5 2 柳田 真孝 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 16.241 20 4
6 8 田崎 紀彦 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 25.597 20 6
7 18 密山 祥吾 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハット with エイムスポーツ 33.447 20 9
8 12 井出 有治 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 34.052 20 13
9 11 細川 慎弥 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 34.64 20 8
10 4 B.ジョアニー(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 35.298 20 11
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 ブノワ・トレルイエ 無限 260
2 パオロ・モンティン トヨタ・トムス 201
3 ジェレミー・デュフォア トヨタ・トムス 177
4 山本 左近 トヨタ・トムス 117
9 密山 祥吾 トヨタ・トムス 57
10 田崎 紀彦 トヨタ・トムス 54
11 小暮 卓史 トヨタ・トムス 44
12 澤 圭太 トヨタ・トムス 41
※ポイントはシリーズ全戦の70%が有効
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 ホンダ(無限MF204B) 260
2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 215
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 100
※ポイントはシリーズ全戦の70%が有効