2001年6月10日(日)配信

トムスのP.モンティンが3戦連続の2位入賞
成長著しいトムスの若手、山本左近が 第10戦で日本人最上位の4位入賞


第9戦/第10戦とも2位入賞を果たした
トムスチームのP.モンティン
 全日本F3選手権の第9戦/第10戦が、スーパー耐久シリーズ第4戦の「もてぎスーパー耐久500」と併催して栃木県のツインリンクもてぎのロードコースで開催された。6月9日(土)にはF3第9戦/第10戦の公式予選と第9戦の決勝レース(14周)、6月10日(日)には第10戦の決勝レース(20周)がそれぞれ行われた。
 全10ラウンド、19戦で行われる今年の全日本F3選手権も折り返し点を迎え、ここまで、B.トレルイエ(無限MF204B)が安定した強さを見せ、これをP.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)とJ.デュフォア(INGING/トヨタ・トムス3S-GE)の2人が追う、事実上外国人3人による激しい首位争いが続いている。また、この首位争いに成長著しい若手日本人ドライバー達がどれだけ食い下がることが出来るかが焦点となっている。
 9日(土)、晴れのち曇りの天候の中、午前9時25分から行われた公式予選では、テスト、公開練習を通じて好調なB.トレルイエが第9戦/第10戦ともポールポジションを獲得。これにP.モンティン、J.デュフォアが続き、2戦とも外人勢が予選3番手までを独占した。しかし、第10戦では山本左近(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が日本人最上位の4番手、同チームの田崎紀彦(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が5番手と成長ぶりをアピールした。

◆第9戦決勝◆
 土曜日の午後に行われた第9戦の決勝レースは、B.トレルイエが好スタートを切り、予選順位通りP.モンティン、J.デュフォアがこれを追う展開。セッティングが合わなかったか右コーナーで強いオーバーステアに苦しむB.トレルイエをP.モンティンは、ファステストラップを記録しながらの猛追。レース終盤には、テール・ツー・ノーズで観客を沸かせるデッド・ヒートを展開するが、抜きどころの少ないもてぎのコースの特徴もあって首位逆転には至らず、惜しくも0.545秒差の2位でフィニッシュ。J.デュフォアが3位で続いた。

◆第10戦決勝◆
 日曜日は曇天ながらやや蒸し暑い中で、昼前に第10戦の決勝がスタート。再びP.モンティンが首位を行くB.トレルイエを追う展開となった。この日は直前に行われたサポートレースなどの影響もあってコースコンディションが悪く、序盤にコースアウト車両が続出したが、その排除のため4周目から2周に渡ってセーフティカーが導入された。
 レース再開時をチャンスにすべくB.トレルイエの背後から首位奪取を狙うP.モンティンであったが、コースアウト車両の影響もあってコーナーはより滑りやすく、この難しいコンディション下で18周目に再びファステストラップを叩き出して追撃するものの、パスはかなわず、0.809秒差の2位でフィニッシュ。
 一方、4番手スタートの山本左近はJ.デュフォアの後方で、ポジションを守り切って4位でフィニッシュ。田崎紀彦はクラッチトラブルに見舞われ2周で戦列を去った。F3選手権の次戦は、鈴鹿東コースに舞台を移す。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
セットアップは一応満足のいく手応えが得られたが、2戦とも、ライバルに今一歩及ばない結果となってしまった。しかしポイントではまだ逆転の望みがあり、残りのレースを全力で頑張る。

INGINGチームのJ.デュフォアのコメント
連続3位に終わり、残念。今回もてぎのコースはコンディションが変わりやすく苦労した。山本、田崎らも経験を積んで速くなってきており、F3の先輩として自分も優勝を狙って、さらにプッシュしたい。

トムスチームの山本左近のコメント
同じトムスチームのP.モンティンのデータや走り方からは学ぶことも多い。やっとこのポジションまで来たが、この先が難関。しかし、絶対やってみせる。また、次戦は得意とする鈴鹿なので、楽しみだ。

リザルト

第9戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 B.トレルイエ(フランス) ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 25'44.135 14 1
2 0 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 0.545 14 2
3 3 J.デュフォア(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 6.299 14 3
4 2 柳田 真孝 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 14.979 14 4
5 7 山本 左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 15.414 14 6
6 18 密山 祥吾 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハット with エイムスポーツ 25.313 14 5
7 33 小暮 卓史 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) NOW MOTOR SPORT 27.281 14 11
8 24 西澤 和之 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) KONDO RACING 45.078 14 14
9 9 松永 章嗣 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) PAL SPORT 48.359 14 15
10 77 中村 裕史 ホンダ(無限MF204B) SKILL SPEED 48.955 14 16
第10戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 B.トレルイエ(フランス) ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 40'50.085 20 1
2 0 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 0.809 20 2
3 3 J.デュフォア(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 3.629 20 3
4 7 山本 左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 14.731 20 4
5 12 井出 有治 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 15.123 20 8
6 2 柳田 真孝 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 20.82 20 7
7 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 23.742 20 6
8 17 P.サンドバーグ(スウェーデン) ホンダ(無限MF204B) LIAN RACING 24.814 20 9
9 18 密山 祥吾 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハット with エイムスポーツ 28.95 20 -
10 6 小川 貴裕 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TEAM 5JIGEN 40.103 20 11
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 ブノワ・トレルイエ 無限 170
2 パオロ・モンティン トヨタ・トムス 137
3 ジェレミー・デュフォア トヨタ・トムス 122
7 澤 圭太 トヨタ・トムス 39
8 密山 祥吾 トヨタ・トムス 37
10 小暮 卓史 トヨタ・トムス 28
11 田崎 紀彦 トヨタ・トムス 27
12 山本 左近 トヨタ・トムス 24
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 ホンダ(無限MF204B) 185
2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 165
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 56