2001年7月 1日(日)配信

トムスのP.モンティンが ポール・トゥ・ウィンの3勝目!
外人勢に割って入ったトムスの若手、山本左近が初の3位表彰台獲得


第11戦でポール・トゥ・ウィンを決めた
トムスチームのP.モンティンを先頭にスタートを切る各車
 全日本F3選手権第11戦が、「フォーミュラ・ニッポン第5戦鈴鹿サーキット ミリオンカードカップレース」の併催レースとして6月30日~7月1日の両日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット東スペシャルコースで開催された。
 一大会2レースづつ行われる今季のF3だが、第6大会となる今回のみは1レースのみの開催。舞台は鈴鹿サーキット東コースだが、本来のショートカットコースではなく、ダンロップコーナー先とシケイン手前を繋ぐ、昨年新設されたショートカットを使った東スペシャルコースが戦いの舞台となった。同コースは昨年も使われているが、今年は、S字から逆バンクにかけてコースが改修を受け、新たなコースへと生まれ変わっている。
 出走15台中、トヨタ・トムス3S‐GEエンジン勢は注目のスポット参戦ロシア人ドライバー、U.チェカーニンを含む9台を占め、激しい首位争いのバトルを予感させた。

◆予選◆
 30日(土)の午前中まで小雨が断続的に降り続き、公式練習では一時レインタイヤで出走するマシンも見られたが、フォーミュラ・ニッポンの予選1回目の後、午後3時20分から行われた公式予選までには完全なドライコンディションへと天候も回復。太陽も顔を出し、一転蒸し暑い熱気の中で行われることとなった予選では、直前に行われたフォーミュラ・ニッポンの公式予選第1回目による路面のラバーグリップがセッティングに微妙な影響を及ぼすこととなった。
 午前中の練習走行ではトップタイムを記録したB.トレルイエ(無限MF204B)がオーバーステアに悩まされ、練習時のタイムにも及ばなかったのと対照的に、P.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は、上手くセッティングを決めて堂々ポールポジションを獲得。J.デュフォア(INGING/トヨタ・トムス3S-GE)がこれに続いて予選2番手。トヨタ・トムスエンジン搭載車がフロントローを独占することとなった。
 また、日本人最上位のポジションとなる5番手には、鈴鹿サーキットを得意とする山本左近(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が入り、決勝レースでの活躍に期待を持たせた。

◆決勝◆
 7月1日(日)の決勝日は朝から快晴の暑い一日に。F3の決勝レースは予定通り午前11時50分にスタートが切られた。ポールポジションからスタートのP.モンティンは好スタートを決め、トップで1コーナーへ。これにB.トレルイエ、山本左近が続くが、予選2番手のJ.デュフォアはホイールスピンを喫して出遅れ、後続の混乱の中で他車と接触、後退を余儀なくされてしまった。
 序盤戦を果敢に攻めた首位P.モンティンはB.トレルイエとの差を広げる一方、オーバーステアに悩むB.トレルイエはペースが上がらず、P.モンティンの独走体制。
 また、後方から猛追を見せたJ.デュフォアだが、接触の影響でマシンの挙動が思わしくなく、終盤までに3位の山本左近に迫るのが精一杯。結局、首位を逃げ切ったP.モンティンが3勝目。山本が日本人最上位の3位で嬉しい初表彰台を獲得した。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
抜きどころのないショートコースなのででスタートに100%集中して、上手く首位をキープ出来た。今回は予選時から天候変化のほか、フォーミュラ・ニッポンやサポートレースの走行でコースコンディションが大きく変わり、セッティングを煮詰めるのが難しかった。勝利をものに出来たのは、チームの力だ。

トムスチームの山本左近のコメント:
予選では他車に行く手を阻まれ、ベストなタイムを記録できなかったのが悔しい。決勝レースは、チームメカニックが速く走れるマシンに仕上げてくれたので、ひたすら頑張るだけだった。さらに、後半J.デュフォアに接近された時も落ち着いて対処出来た。初めて表彰台に上がることが出来て、とても嬉しい。

INGINGチームのJ.デュフォアのコメント:
スタートでホイールスピンしすぎて遅れてしまった。その後の1コーナーで誰かと左側面を接触してハンドリングがおかしくなってしまい、必死に追い上げたが4位までが精一杯だった。

リザルト

第11戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 0 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 35'17.714 33 1
2 1 B.トレルイエ(フランス) ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 12.158 33 3
3 7 山本 左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 15.575 33 5
4 3 J.デュフォア(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 16.194 33 2
5 12 井出 有治 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 22.798 33 7
6 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 23.748 33 6
7 2 柳田 真孝 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 25.381 33 9
8 18 密山 祥吾 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハット with エイムスポーツ 1'06.209 33 11
9 32 海老原 茂樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) MFTV WAKO'S 1Lap 32 13
10 17 P.サンドバーグ(スウェーデン) ホンダ(無限MF204B) LIAN RACING 1Lap 32 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 ブノワ・トレルイエ 無限 185
2 パオロ・モンティン トヨタ・トムス 157
3 ジェレミー・デュフォア トヨタ・トムス 132
7 密山 祥吾 トヨタ・トムス 40
8 澤 圭太 トヨタ・トムス 39
9 山本 左近 トヨタ・トムス 36
10 小暮 卓史 トヨタ・トムス 28
11 田崎 紀彦 トヨタ・トムス 27
※ポイントはシリーズ全戦の70%が有効
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 ホンダ(無限MF204B) 200
2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 185
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 64
※ポイントはシリーズ全戦の70%が有効