第16/17戦で自己最高の2位入賞を果たした
トムスチームの山本左近
全日本F3選手権の第9ラウンド「TIスーパー耐久&F3レース」が9月8日~9日の両日、岡山県英田郡のTIサーキット・英田で開催された。
今シーズンの一大会二戦制に則っとり、8日(土)には第16戦と第17戦の公式予選と第16戦の決勝、9日(日)には第17戦の決勝が行われたが、心配された台風の影響も免れ、金曜日の午前中に行われた練習走行セッションこそウェットだったものの、その後は日曜日の第17戦の決勝まで全てドライコンディションでのレースとなった。
もともと滑りやすいとされるTIサーキットだが、併催されたスーパー耐久車両やサポートレース車両の走行による砂埃の影響も加わって、より滑りやすくなり選手を苦しめた。
8日の予選では練習走行から好調だった山本左近(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が2戦共に3番手グリッドを獲得。P.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)も同じく2戦共に2番手グリッドを獲得。トップ争いへとかけるトムスチームの意気込みと共に、決勝に向けて期待が膨らんだ。
◆第16戦決勝◆
公式予選のあと、気温28度という蒸し暑さの中で、午後4時18分にスタートが切られた第16戦では、P.モンティンが絶妙な好スタートを切り、ポールポジションのB.トレルイエ(無限MF204B)をかわしてトップに躍り出た。しかし、第1ヘアピンの進入では、B.トレルイエにパスされて2位へ後退。その後も猛追するP.モンティンとB.トレルイエの首位攻防戦は観客を釘付けにした。
ところが、中盤戦を過ぎてP.モンティンは、燃料系トラブルに見舞われ、エンジンが本来のパワーを発揮することが出来なくなり、ペースダウンを余儀なくされてしまった。
一方、山本左近は3位から順調に後続を引き離して周回。レースも残り2周でP.モンティンを抜き去り、首位を行くB.トレルイエに迫ることは出来なかったものの、今季初参戦の全日本F3選手権で自己最高の2位表彰台を獲得した。
不運のP.モンティンは我慢のレースで3位に入賞を果たした。優勝はポールポジションからスタートし首位を逃げ切ったB.トレルイエだった。
◆第17戦決勝◆
9日(日)好天のもと、ほぼ定刻の午前11時すぎに第17戦の決勝レースのスタートが切られた。
このレースでは、B.トレルイエが好スタートを切り、P.モンティンがぴたりと続く。山本左近もオープニングラップでP.モンティンの直後をキープするなど、より集中力を高めたドライビングを披露した。しかし、追い詰められたB.トレルイエであったが、ミスを犯すことなく周回を重ね首位は譲らず、惜しくもトヨタ勢の逆転には至らなかった。
そして、レース終盤まで2位をキープしたP.モンティンだったが、山本左近に2位の座を譲り後退。山本左近のマカオGP出場権がかかる全日本F3選手権ポイントランキングを考慮したトムスチームの異例のチームオーダーであった。
これで山本左近は、前日の第16戦に続き2戦連続の2位入賞を達成。健闘を見せチームワークに貢献したP.モンティンも3位に入賞した。
トムスチームの山本左近のコメント:
P.モンティン、B.トレルイエという優れたドライバーに続く決勝グリッドから
スタート出来たので、決勝では彼らを抜いて優勝を目指したが、細かいミスもあって果たせなかった。2位に入ることは出来たが、自分の走りにはまだまだ反省すべき点が多い。最終戦となる次のもてぎ戦では全力で結果を残したい。
トムスチームのP.モンティンのコメント:
第16戦は勝てる手応えがあったのでマシントラブルは非常に残念だ。次ラウンドのもてぎ戦は、マカオグランプリに向けての良いテストの機会にもなるので、気を引き締めて頑張りたい。