2002年3月 3日(日)配信

全日本F3開幕。第1,2戦はトムスのモンティンが連勝!
第2戦ではルーキー片岡が3位に入り、トヨタエンジン勢が表彰台を独占


開幕ラウンドの2戦で連続優勝を果たした
トムスチームのP.モンティン
2002年の本格的な国内モータースポーツシーズン幕開けとなる、全日本F3選手権第1大会(第1戦、第2戦)「筑波チャレンジカップレース第1戦」が3月2日~3日にかけて茨城県の筑波サーキット(一周2.045km)で行われた。
 今季のF3は3年に一度の車両規則変更時期を迎え、全車ダラーラ製の新型シャシーF302を使用することとなり、このため開幕戦の参加台数は13台と少なかった。新型は主に安全性を拡充させる改良が行われている。またボッシュ製のエンジンマネジメントシステムが義務付けとなったほか、トランスミッションはこれまでのH型5速からシーケンシャル6速に変更された。
 日本F3協会では若手日本人選手育成を目的に、最低重量を10kg増量し、今季と同じ550kgにするのみで、昨年までのシャシーで参戦できるBクラスを独自に制定したが、開幕戦への参加は見られなかった。
 開幕戦に参加した13台のうちトヨタエンジン搭載車は8台(ほか無限4台、スリーボンド日産1台)と大勢を占めた。このうちトヨタチームトムスはチーム初の4台体制で、昨年に引き続きエース格のP.モンティンに、昨年のフォーミュラトヨタシリーズのチャンピオン横溝直輝、同シリーズ2位の片岡龍也、同4位平中克幸が加わった。
 2日午前中に行われた公式予選では、トヨタエンジンユーザー勢は新シャシーのセッティングを煮詰めきれず、第1戦、第2戦ともにポールポジションは小暮卓史(無限MF204B)が獲得。P.モンティンが両戦ともフロントロウの2番手スタートとなった。

◆第1戦決勝◆
 2日午後3時すぎにスタートした第1戦の決勝レースでは、ポールポジションの小暮卓史がグリッド上でエンジンストール。これで難なくホールショットを決めたP.モンティンは序盤から後続を引き離し、5周目にはベストラップを記録。8周をすぎたあたりからはマージンを見ながらの走行で12秒144の大差をつけ見事開幕戦を優勝で飾った。
 2位は5番手グリッドから浮上したM.ザンガレリ(INGING/トヨタ・トムス3S-GE)が続き、トヨタがワン・ツーを達成した。

◆第2戦決勝◆
 明けて3日の13時半すぎから行われた第2戦の決勝では、小暮卓史が再びスタートを失敗し、P.モンティンが首位で周回を開始する。
 2番手にはやはり5位グリッドから好スタートを切ったM.ザンガレリが浮上するがP.モンティンのペースは速く、再び4周目にはファステストラップを記録してリードを広げる。
 その後方では長屋宏和(無限MF204B)と片岡龍也が接近戦を展開するが、長屋宏和は25周目にコースアウトしリタイア。これで片岡龍也が3位に。その後別のスピン車両排除のため30~34周目にわたってセーフティカーが導入。これで後続との差がつまり、再スタートからの接戦が予想されたが、P.モンティンはここでも落ち着いて好スタート。結局6秒920差で逃げ切り開幕2連勝を果した。
 2位はM.ザンガレリ、3位は片岡龍也で、トヨタエンジンユーザーが表彰台を独占するという幸先の良いシーズンスタートを切ることになった。
今季のF3選手権は全大会が1大会2レース制となり、合計10大会20戦で行われる。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
 本当は筑波はあまり得意ではないのだが、2連勝でシーズンスタートを切ることが出来てとてもハッピーだ。チームは今年から4台体制となったため、メカニックやスタッフはこの一ヶ月毎日ハードワークを続けてきたので、うれしい結果だ。今季は気持ちを入れ替えて、タイトルを目指して頑張る。

INGINGチームのM.ザンガレリのコメント:
 昨年まで自分が走っていたフランスF3選手権とはタイヤもマシンも違うので、2戦連続2位は、悪くはないスタートだと思う。とはいえ、日本のレースのレベルの高さを実感している。

トムスチーム 番場 琢のコメント:
 第1戦では得意のスタートを決められたが、第2戦では失敗してしまった。今年はF3に上がって2年目で勝負の年。2戦連続で表彰台には上がれたが、まだまだこれから。次戦では、もっと上位を目指したい。

トムスチームの片岡龍也のコメント:
 第1戦はスタート失敗~0周リタイヤだったので、事実上のデビュー戦となる第2戦で表彰台に上がれて嬉しい。フォーミュラトヨタと比べるとレース距離が長いのだが、それに慣れていない 僕にチームが適切なセッティングを施してくれたのも大きいと思う。この結果を今後につなげていきたい。

リザルト

第1戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 28'29.216 32 2
2 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 12.144 32 5
3 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 16.091 32 4
4 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 16.954 32 1
5 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 22.382 32 8
6 2 長屋 宏和 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 24.114 32 10
7 5 西村 秀樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TEAM 5ZIGEN 31.708 32 7
8 33 吉本 大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) ナウモータースポーツ 32.865 32 11
9 12 富澤 勝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 33.987 32 9
10 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 38.689 32 3
第2戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 42'45.266 45 2
2 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 6.92 45 5
3 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 7.375 45 4
4 12 富澤 勝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 8.071 45 8
5 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 9.866 45 10
6 33 吉本 大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) ナウモータースポーツ 10.757 45 11
7 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 16.142 45 1
8 11 星野 一樹 ホンダ(無限MF204B) 童夢 26.649 45 9
9 5 西村 秀樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TEAM 5ZIGEN 30.934 45 12
10 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 31.414 45 7
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 P.モンティン トヨタ・トムス 40
2 M.ザンガレリ トヨタ・トムス 30
3 平中 克幸 トヨタ・トムス 16
5 片岡 龍也 トヨタ・トムス 12
8 吉本 大樹 トヨタ・トムス 9
9 西村 秀樹 トヨタ・トムス 6
12 横溝 直輝 トヨタ・トムス 2
11 西村 秀樹 トヨタ・トムス 14
12 中村 裕史 トヨタ・トムス 8
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 40
2 ホンダ(無限MF204B) 16
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 12