2002年10月20日(日)配信

全日本F3選手権終幕。P.モンティン惜しくもタイトルを逃す
第19戦は横溝直輝、第20戦平中克幸が3位表彰台。
P.モンティンは最終戦で優勝


最終戦で優勝を果たすも、
惜しくもタイトルを逃したP.モンティン
 全日本F3選手権第10大会(最終戦・第19戦/第20戦)「2002年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第9戦ツインリンクもてぎUFJカードカップレース」が10月19日、20日の両日、栃木県芳賀郡のツインリンクもてぎ・ロードコースで開催された。
 今季のチャンピオンシップは最終戦までもつれこみ、P.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)と小暮卓史(無限MF204B)の一騎打ち。小暮卓史を12点差で追うP.モンティンは、全20戦中16戦の有効得点制のため、2連勝しても小暮卓史が2位に入ればタイトル決定という厳しい状況ながら、トムスチームは総力を挙げて本大会に臨んだ。トヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車はBクラス1台を含めて総勢9台となった。
 19日(土)は、朝の雨も午前10時20分からの公式予選までには持ち直し、完全なドライコンディションでの予選アタックとなった。第19戦の予選ではP.モンティンが早々にトップタイムを記録。また、横溝直輝(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が3番手、平中克幸(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が4番手とトムスの若手勢が上位に続いた。
 続く第20戦の予選でもP.モンティンはポールポジションを連取。横溝直輝も3番手に入り、仕上がりの良さをアピールした。

◆第19戦決勝◆
 19日(土)の午後2時5分から行われた第19戦決勝も曇天ながらドライでスタート。P.モンティンは痛恨のホイールスピンを喫し、2番手グリッドの小暮卓史が先行。しかし、僅差で1コーナーへ飛び込むと、その後もテール・ツー・ノーズの接戦を展開して観客を沸かせた。
 12周目にはベストラップタイムをたたき出すなど渾身の追撃を見せたP.モンティンだったが、抜きどころの少ないもてぎで苦戦。終盤にはミスも重なり、結局逆転はならず、2位でチェッカーを受けた。
 また、3番手グリッドから好スタートを切った横溝直輝はM.ザンガレリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)の追随をかわしてチェッカーを受け、3位表彰台を獲得。この結果により小暮卓史のチャンピオンが決定した。

◆第20戦決勝◆
 今季最終戦となる第20戦が行われた20日(日)も朝方から雨模様。併催のネッツカップ・ヴィッツ関東シリーズ第8戦決勝レースは霧雨の中、ハーフウェットで行われた。しかし、その後雨は上がり、追加されたコンディション確認用フリー走行の結果、ハーフウェット状況ながら全車がスリックタイヤでグリッドについた。
 決勝レースは10時50分にスタート。好スタートを決めたP.モンティンは序盤のスリッピーな路面を全力で攻めながら2位小暮卓史との差を拡大。3位の横溝直輝も僅差で食い下がるが、6周目の最終コーナーでラインを外してスピン。路面が徐々にドライへと変わる中、P.モンティンは安定した走りを見せ小暮卓史に16秒572の大差をつけてチェッカー。今季7勝目でシーズンを締め括った。
 一方、予選時ミッショントラブルで8番手スタートとなった平中克幸はスタートで出遅れるも冷静なレース運びで序々に順位を上げ、8周目には3位に浮上。終盤にはP.モンティンに次ぐベストラップタイムを記録してフィニッシュした。
 また、片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は3周目の最終コーナーでスリップして順位を下げるが、その後挽回。佐藤晋也(無限MF204B)と激しい4番手争いを見せた末に16周目に4位に浮上して完走した。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
 練習走行から調子は良く、ポールポジションを獲れたが、第19戦のスタートで失敗してしまった。ベストは尽くしたが、最後にチャンピオンの可能性があるところでミスを犯した自分が悔しい。第20戦はスタートと序盤に集中し、気持ち良く走れた。全日本選手権はこれで終わったが、11月のマカオGPとコリアF3に向けてはテスト(富士)で良いセッティングをすでに見つけている。思い切り走って結果を出し、今年の締め括りとしたい。

トムスチームの横溝直輝のコメント:
 今回は上手くセッティングが決まり、予選で連続3番手につけられたが、第19戦の決勝では前の2台についていけなかった。第20戦では懸命に追走したが、ラインを外してスピンしてしまった。F3にステップアップした今年は色々と勉強の連続だった。まだまだ課題はあるが今後もベストを尽くす。

トムスチームの平中克幸のコメント:
 第20戦では難しいコンディションの中、何かあると思って冷静に攻め、3位表彰台に上がることが出来た。選手権は自分の力不足で落としたレースも多く、合格点ではないが、マカオでは思い切り勝負したい。

トムスチーム監督 関谷正徳のコメント:
 タイトルは取られたがP.モンティンは良いパフォーマンスを見せてくれた。 今年は片岡、平中、横溝のルーキー3人のレベルが高く、可能性を感じさせていたが、その期待が大きいこともあって、結果には少々寂しい気持だ。マカオにはトムスチームとしてモンティンと平中の2人が出場する。モンティンには優勝本命として、また平中にはモンティンを越えるパフォーマンスの発揮を期待したい。

リザルト

第19戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 25'44.463 14 2
2 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 2.212 14 1
3 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 15.401 14 3
4 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 16.257 14 5
5 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 16.354 14 6
6 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 18.669 14 8
7 11 星野 一樹 ホンダ(無限MF204B) 童夢 19.295 14 10
8 18 佐々木 孝太 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハットwithエイムスポーツ 30.218 14 11
9 60 澤 圭太 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 33.848 14 14
10 14 石崎 英之 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 37.127 14 13
第20戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 37'00.314 20 1
2 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 18.572 20 2
3 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 26.849 20 8
4 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 37.309 20 7
5 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 42.566 20 5
6 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 43.676 20 6
7 12 富澤 勝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 45.384 20 10
8 18 佐々木 孝太 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハットwithエイムスポーツ 50.82 20 13
9 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 51.25 20 3
10 60 澤 圭太 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 1'00.610 20 12
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 小暮 卓史 無限 290
2 P.モンティン トヨタ・トムス 269
3 M.ザンガレリ トヨタ・トムス 157
5 平中 克幸 トヨタ・トムス 142
6 片岡 龍也 トヨタ・トムス 125
7 横溝 直輝 トヨタ・トムス 110
8 吉本 大樹 トヨタ・トムス 85
12 西村 秀樹 トヨタ・トムス 24
13 中村 裕史 トヨタ・トムス 14
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 ホンダ(無限MF204B) 292
2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 285
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 69