2002年5月19日(日)配信

全日本F3選手権第7戦 P.モンティンがポール・トゥ・ウィンで今季4勝目
第8戦ではトムスの片岡龍也がルーキーイヤー3度目の表彰台獲得


ポール・トゥ・ウィンで今季4勝目を挙げた
トムスチームのP.モンティン
 全日本F3選手権第4大会が5月18日~19日の両日、山口県のセントラルパークMINEサーキットで開催された。フォーミュラ・ニッポンの第3戦と併催されたF3の第4大会MINEラウンドは、17日の練習走行日はサーキット周囲の山々に雲が低くたちこめ、気温も低かったが、18日には朝から陽射しものぞき、入梅前の心地よい気候のもと午前10時45分から15分づつの公式予選が始まった。
 まず、第7戦のセッションは直前に行われたフォーミュラ・ニッポンのフリー走行により路面にラバーが乗っており、この影響でマシンの挙動が不安定となって各車序盤はタイムが伸びず、周回5~6周を過ぎて路面のコンディションが戻ってきたところで、P.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が1分24秒695のトップタイムを記録した。
 その後、タイムアップ合戦となったが誰もこれを上回ることが出来ず、P.モンティンのポールポジションが決定、第5戦2位入賞など好調の波に乗る平中克幸(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)、M.ザンガレリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)が続いてトヨタエンジン勢が1~3位を独占した。
 続く第8戦の予選セッションは当初から24秒台が連発され、再びタイムアップ合戦を展開。P.モンティンは23秒815を記録した小暮卓史(無限MF204B)を追うが、惜しくも届かず、0.032秒差で2番手グリッドを獲得した。3番手に佐藤晋也(無限MF204B)をはさんで平中克幸、片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)、M.ザンガレリらトヨタエンジン勢が続いた。

◆第7戦決勝◆
 午後2時18分に20周レースのスタートを切った第7戦は、P.モンティンがホイールスピンをさせながらもトップで1コーナーへ。初のフロントロウスタートとなった平中克幸はスタートを失敗して、1コーナー先で他車と接触。4台が絡む多重クラッシュとなり、幸い怪我は無かったものの、無念にもレースを終えた。
 このアクシデントの処理で1周目から5周目までセーフティカーが導入され、レース再開と同時にトップのP.モンティンがスパート。後続を引き離すと2位に2.944秒差をつけて今季4勝目を挙げた。
 2位につけていたM.ザンガレリはフライングスタートと判定されペナルティストップで無念の後退。これで4位につけていた横溝直輝に表彰台への期待が集まるが惜しくも届かなかった。

◆第8戦決勝◆
 19日午後12時52分から行われた第8戦は、予選2番手グリッドのP.モンティンがスタートでポールポジションの小暮卓史に並びかけるが、わずかに及ばず。一方、5番手から見事なスタートを切った片岡龍也は、1コーナーでP.モンティンに肉薄した3位で序盤戦を開始した。
 序盤、首位を逃げる小暮卓史を、P.モンティンがテール・ツー・ノーズ状態で追いかけた激しいトップ争いは観客の目を釘付けにしたが、10周目を過ぎてタイヤの摩耗でグリップが落ちると、クールダウンを余儀なくされてしまった。P.モンティンは後半にも追撃を再開し、25周目にベストラップを記録するが惜しくも、2.025秒差の2位でチェッカーを受けた。
 また、中盤以降、前後との差が開いて単独走行となった片岡達也は、ルーキーイヤーの今季3度目の3位表彰台を獲得。序盤に佐藤晋也をパスして5位に上がったM.ザンガレリは、コースオフで遅れた平中克幸を抜いて4位でゴール。平中克幸もリカバーして5位入賞を果した。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
 第7戦では、セーフティカー解除後にマージンを稼ぐことに成功したのが勝因だと思う。第8戦のスタートでは、4速ギアまでしか加速できず、パスの機会を逸してしまった。優勝は逃したが、この2戦で1位/2位に入ってポイントを稼げたことは、ドライバーズ選手権ポイントを争う上で、良い結果だと思う。

トムスチームの片岡龍也のコメント:
 予選はコンディションにマシンを合わせ切れず、上手く行かなかった。とはいえ、 第8戦の3位は実力で取った結果だけに充実感がある。次のもてぎは初めてだが、テストもあるので大丈夫だと思う。

トムスチームの平中克幸のコメント:
 第7戦のスタート直後に接触して、スピンを喫してしまったのが悔やまれる。しかし、調子は良いので、次ラウンドのもてぎでは、全力を尽くしアタックして、なんとしても表彰台に登りたい。

トムスチーム監督 関谷正徳のコメント:
 片岡君と平中君はキャラクターが全く違うが、それぞれ良さがある。2人の活躍はシリーズ盛り上げの一助になっていると思う。横溝君も、彼の能力からすればもう少し行けただろう。勝ち負けは大事だが、若手の成長はこのカテゴリーのテーマでもある。これからもハードに頼らずドライバーに頑張ってもらうレースがしたい。

リザルト

第7戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 32'41.875 20 1
2 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 2.944 20 4
3 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 16.496 20 5
4 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 17.042 20 7
5 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 17.358 20 6
6 18 中村 裕史 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) イエローハット withエイムスポーツ 25.435 20 13
7 5 西村 秀樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TEAM 5ZIGEN 26.803 20 11
8 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 38.26 20 3
9 11 星野 一樹 ホンダ(無限MF204B) 童夢 59.978 20 12
10 5 西村 秀樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TEAM 5ZIGEN 37.309 14 12
第8戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 40'18.598 28 1
2 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 2.025 28 2
3 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 7.899 28 5
4 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 22.774 28 6
5 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 23.214 28 4
6 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 30.186 28 3
7 33 吉本 大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) ナウモータースポーツ 30.589 28 7
8 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 31.154 28 8
9 12 富澤 勝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 34.079 28 9
10 2 長屋 宏和 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 38.657 28 10
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 P.モンティン トヨタ・トムス 120
2 小暮 卓史 無限 89
3 M.ザンガレリ トヨタ・トムス 76
4 片岡 龍也 トヨタ・トムス 72
6 平中 克幸 トヨタ・トムス 52
7 横溝 直輝 トヨタ・トムス 45
8 吉本 大樹 トヨタ・トムス 31
11 西村 秀樹 トヨタ・トムス 18
12 中村 裕史 トヨタ・トムス 14
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 142
2 ホンダ(無限MF204B) 111
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 27