第9戦では4位、第10戦では3位表彰台を獲得した
トヨタ・トムスの平中克幸
全日本F3選手権第5大会(第9戦、第10戦)が6月8日~9日の両日、栃木県のツインリンクもてぎ・ロードコースで開催された。
入梅前の不安定な天候ながら、8日は晴れて気温も30度まで上昇、9日も未明に降った雨が朝までに上がり、気温はやはり30度と、好天のもと全セッションドライコンディションで行われた。
今年4月には、CARTを戦うB・ジュンケイラ(レイナード・トヨタ)がトヨタチーム悲願の優勝を果たした「もてぎ」だが、今回使用されるのは、ロードコースのフルコース(一周4.801Km)。スーパー耐久シリーズ第4戦との併催で、サポートレースとしてエッソ・フォーミュラ・トヨタシリーズ第3戦も行われた。
8日午前中に実施された公式予選には今大会も13台が出走、内8台がトヨタ3S-GEエンジンユーザー。第9戦の予選では路面が滑りやすく、セッティングに悩み、オーバーステアに苦しむP.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は、小暮卓史(無限MF204B)に僅かに及ばず2番手。しかし、路面状況が好転した第10戦の予選では、小暮卓史を上回り、見事ポールポジションを獲得した。
また、第9戦の予選ではM.ザンガレリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)が4番手、第10戦の予選では横溝直輝(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)がやはり4番手グリッドを獲得するなどの活躍を見せ、決勝レースに向けて期待を集めた。
◆第9戦決勝◆
予選に続き午後1時55分にスタートを切った第9戦の決勝レースは、フロントロウの2台が好スタートを切るが、第1コーナーの進入でP.モンティンはポールポジションの小暮卓史に僅かに及ばず、2位で周回を開始。
その後P.モンティンは果敢に小暮卓史にアタック。M.ザンガレリも3位へと浮上するが、首位争いの2台は後続を引き離しながら周回を重ねていった。この緊迫した首位争奪戦に観客は釘付けとなるが、8周目の第2コーナーでP.モンティンは痛恨のスピンから3位に後退。M.ザンガレリと2位争いのバトルを展開することとなった。しかし、追い抜きの難しい「もてぎ」では首位争いへの復帰は叶わずにチェッカー。
トヨタ勢は2、3位表彰台を獲得し、4位には予選7番手スタートから追い上げた平中克幸(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が続き、進捗ぶりをアピールした。
◆第10戦決勝◆
翌9日午前11時から行われた第10戦の決勝レースは、ポールポジションのP.モンティンがスタートで出遅れ、予選2番手スタートの小暮卓史が肉薄。逃げるP.モンティンであったが、小暮卓史を阻むようにイン側に走行ラインを採って首位を守りきったことで、走路妨害と判断され、10秒のペナルティストップを課せられて後退を余儀なくされてしまった。
一方、予選6番手グリッドからスタートの平中克幸は好スタートを切り、オープニングラップで予選4番手の横溝直輝をパス。P.モンティンの後退もあり3位のM.ザンガレリに続き、4位に浮上。さらに、M.ザンガレリもパスし、終盤は2位星野一樹(無限MF204B)を追い詰めたが僅かに届かず、3位表彰台を獲得した。
INGINGチームのM.ザンガレリのコメント:
予選ではタイヤ空気圧設定をミス。スタートも少々悪かったが、第9戦で3位のポジションを得られたのは良かった。パオロ(モンティン)と小暮選手についていけなかったのは今後の課題だ。
トムスチームの平中克幸のコメント:
今回はテストから何故かタイムが上がらず、苦しんだが、そんな中で出来る限り頑張った結果として、今日の4位/3位というリザルトには満足している。後半戦ではさらに上位を目指す。
トムスチーム監督 関谷正徳のコメント:
今回のもてぎではミッショントラブルが発生するなど、ハード面でドライバーに苦労をかける結果となった。モンティン選手のペナルティは残念だが、レースを戦う上での判断は難しい。そんな中で平中選手は100点のレースを見せてくれた。片岡選手、横溝選手にも、これからもう一皮むける成長を期待したい。