2002年8月 4日(日)配信

全日本F3選手権第14戦でトムスのルーキー横溝が初の表彰台
ドライバーズポイント首位を争うP.モンティンは連続2位で苦戦


第14戦で初の表彰台を獲得した
トムスチームの横溝直輝
 全日本F3選手権の第7大会(第13戦、第14戦)が8月3日、4日の両日、宮城県スポーツランドSUGOで開催された。同大会は多くのエントリーを集め盛況のネッツカップ・アルテッツァシリーズ第6戦、ヴィッツ東北シリーズ第4戦と共にフォーミュラ・ニッポン第6戦と併催して行われ、F3は今季のレギュラー勢13台、内トヨタ・トムス3S-GE型エンジン搭載車8台が出走した。
 好天に恵まれた前日の練習日とはうって変わって3日(土)は朝から霧雨が降る不安定な天候で気温も21度と低め。フォーミュラ・ニッポンのフリー走行に続いて午前10時半から行われた第13戦の公式予選はハーフウェット路面で、周回を重ねても乾きそうで乾かない難しいコンディションとなった。
 このセッションでポールポジションは小暮卓史(無限MF204B)が獲得。P.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)はコース状況の変化と共に序々にペースを上げ、最終ラップで1分21秒014を記録して2番手グリッドを獲得。前日の練習走行から好調の平中克幸(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)がこれに続いた。
 続いて第14戦の公式予選は霧による視界不良で予定より40分遅れて開始。路面状況はやや好転して上位勢がコースイン序盤からタイムを詰める中、小暮卓史が1分19秒282を記録し、再びポールポジションを獲得。P.モンティンはこれを追うが惜しくも届かず、1分19秒767で2番手グリッドを得た。
 また、第13戦の公式予選では10番手にとどまった横溝直輝(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が、予選開始早々にコースインし、早めのアタックが功を奏し3番手のタイムを叩きだし、自身の進捗を印象つけた。

◆第13戦決勝◆
 午前中には、霧雨も上がり、第13戦の決勝は曇天ながら完全ドライ路面で行われた。各車がきれいなスタートを切る中、注目のP.モンティンは若干ホイールスピンを喫し、小暮卓史をパスするには至らず。これに平中克幸が続いて周回を開始。
 P.モンティンと小暮卓史は序々に平中克幸を引き離しながら首位争いを演じるが、P.モンティンが1コーナーで痛恨のブレ-キングミス。さらにギャップが広がり、結局、小暮卓史が逃げ切り優勝。P.モンティンは2位でチェッカー。平中克幸は3位で続き、今季4回目の表彰台を獲得。ルーキーイヤーでの成長ぶりをアピールした。
 また、M.ザンガレリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)が5位、片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が6位に入り、トヨタエンジンユーザーが上位6台中4台を占める好結果となった。

◆第14戦決勝◆
、ポールポジションの小暮卓史の直後から猛追。3周目には小暮卓史がヘアピンでのシフトミス、P.モンティンが急迫するが、惜しくも逆転には至らず。その後、P.モンティンは周回を重ねるにつれてアンダーステアが強まり、ペースが上がらず、終盤はギャップが開き、結局5.507秒差で再び小暮卓史に続き2位でチェッカーを受けた。
 一方、初の3番手グリッドからスタートを切った横溝直輝は、序盤は先行する2台に続いて後続との差を開くが、中盤からはギアシフトに不調を抱えながらも、安定した走行で、3位でフィニッシュ。嬉しい初表彰台を獲得した。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
 第14戦ではセッティングを変えてみたが、路面状況の変化が思っていた以上に大きく、アンダーステアが強まる結果となり、ペースが上げられなかった。今回の2戦の結果により、ポイントランキングでは逆転されて2位となってしまったが、残り6戦を全力で戦い、是が非でもタイトルを目指す。

トムスチームの平中克幸のコメント:
 第13戦ではスタートを失敗。前半はモンティン選手と同じペースだったが、後半は落ちてしまったのが今後の課題。第14戦は1コーナーで片岡選手と接触してフロントウィングを壊してしまい、悔しい結果となった。

トムスチームの横溝直輝のコメント:
 やっと表彰台に上ることが出来て嬉しいし、ほっとした。先月FTRSチームとして十勝24時間レースに平中、片岡、下田(隼成)選手と組んでアルテッツァで出場したが、その時にひらめいたことが活かせた。今回は前の2台に離されてしまったので今後はついていけるよう頑張る。

トムスチーム監督 関谷正徳のコメント:
 選手権ポイントは成立レース合計数の80%で競われるため、全20戦中、有効となるのは16戦分。モンティン選手はこれから、残り全戦必勝体制で行かないと、シリーズチャンピオンは苦しい。次戦仙台ハイランドも、テストでは好感触を得ているが、最後まで厳しいレースが続くだろう。

リザルト

第13戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 24'17.598 18 1
2 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 5.649 18 2
3 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 14.806 18 3
4 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 22.545 18 4
5 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 25.553 18 5
6 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 26.607 18 7
7 18 密山祥吾 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハットwithエイムスポーツ 26.89 18 6
8 2 長屋 宏和 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 27.945 18 8
9 12 富澤 勝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 34.235 18 11
10 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 34.641 18 10
第14戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 34'27.025 25 1
2 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 5.507 25 2
3 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 14.216 25 3
4 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 15.082 25 4
5 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 28.938 25 8
6 2 長屋 宏和 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 30.06 25 7
7 12 富澤 勝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 38.644 25 11
8 11 星野 一樹 ホンダ(無限MF204B) 童夢 45.176 25 13
9 5 西村 秀樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TEAM 5ZIGEN 58.629 25 12
10 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 1'22.604 25 5
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 小暮 卓史 無限 204
2 P.モンティン トヨタ・トムス 199
3 M.ザンガレリ トヨタ・トムス 127
5 平中 克幸 トヨタ・トムス 93
6 片岡 龍也 トヨタ・トムス 91
7 横溝 直輝 トヨタ・トムス 69
10 吉本 大樹 トヨタ・トムス 44
12 西村 秀樹 トヨタ・トムス 21
13 中村 裕史 トヨタ・トムス 14
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 234
2 ホンダ(無限MF204B) 226
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 58