2002年9月 8日(日)配信

全日本F3選手権第17戦で吉本大樹が初優勝!
第18戦はポイント首位を争うP.モンティンが優勝を飾り、
チャンピオン決定は最終戦へ


最終戦で優勝を果たすも、
惜しくもタイトルを逃したP.モンティン
 全日本F3選手権第9大会(第17戦、第18戦)「TIスーパー耐久&F3レース」が9月7日~8日の両日、岡山県英田郡英田町のTIサーキット・英田で開催された。スーパー耐久シリーズ第6戦と共に行われた今大会には、今季のレギュラー勢13台、内トヨタ・トムス3S-GE型エンジン搭載車は8台が出走した。
 第17戦・第18戦の公式予選と第17戦決勝の行われた7日(土)の午前中は天候不順で、午前10時35分に第17戦の予選が始まると、まもなく降り出した雨にコースアウト車両が続出し4分すぎに赤旗中断。再開後もハーフウェット状況で各車タイムが伸び悩んだ。
 しかし、まもなく雨は上がり、序々に路面が乾きはじめると、これに伴い残り11分のセッション終盤に向けて各車がめまぐるしくタイムアップする展開となった。その中でP.モンティン(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は1分30秒268のベストタイムを記録して一時首位に立つが、最終コーナーでコースアウト。その後のタイム短縮はならず、チェッカーの間際に1分30秒138を叩き出した吉本大樹(ナウモータースポーツ/トヨタ・トムス3S-GE)が逆転し、初のポールポジションを獲得した。
 続いて午前11時から行われた第18戦の予選は完全なドライコンディションで行なわれ、タイムアタック中盤からP.モンティン、小暮卓史(無限MF204B)のトップタイム争いに、平中克幸(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が絡む展開となった。しかし、P.モンティンが1分28秒584でポールポジションを奪取。
 小暮卓史を挟んで平中克幸と横溝直輝(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が奇しくも1000分の1秒台まで同タイムを記録して3、4番手(先に記録した方が上位)とトヨタのルーキー勢の好調ぶりをアピールした。
 第17戦ポールポジションの吉本大樹は6番手、片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は第17戦予選でのコースアウトにより、調子が思わしくなく、第18戦予選は7番手にとどまった。

◆第17戦決勝◆
 スーパー耐久などの公式予選を挟んで午後4時にコースインした第17戦の決勝レースは好天、完全ドライコンディションのもと18周で競われた。
 好スタートを切った吉本大樹に対し、やや出遅れたP.モンティンは、第1コーナーで3位の小暮卓史の先行を許したものの、第2コーナー先で逆転に成功。上位3台は、吉本大樹、P.モンティン、小暮卓史の順で後続を引き離しながら序盤戦へ突入。
 トップを走る吉本大樹の隙を窺うP.モンティンだったが、万全でないセッティングに逆転できず、接近戦のまま終盤戦へ。14周目の第1コーナーで3位小暮卓史がP.モンティンのイン側に飛び込むが、第2コーナー先でコースアウトし、そのままストップ。
 見事逃げ切りを果たした吉本大樹はポール・トゥ・ウィンで初優勝。2位にはP.モンティンが続き、トヨタエンジン勢のワン・ツー・フィニッシュとなった。

◆第18戦決勝◆
 8日(日)は朝から好天に恵まれ、サポートレースの決勝に続いて午前11時5分から第18戦の決勝レースが25周で行われた。ポールポジションのP.モンティンが絶妙な好スタートを切ってトップで第1コーナーへ。これに小暮卓史、平中克幸が続いた。
 その後もP.モンティンは小暮卓史を徐々に引き離して快走し、結局3秒以上の大差をつける独走体制で今季6勝目を獲得。ルーキーの平中克幸も3位で今季5回目の表彰台に上がり、横溝直輝も4位でゴールした。
 この結果、ポイントランキングでP.モンティンは首位の小暮卓史に12点差(有効得点)に迫り、最終大会(第19戦/第20戦、10月19日・20日栃木県ツインリンクもてぎ)のチャンピオン決定戦に臨む事となった。

ナウモータースポーツチームの吉本大樹のコメント:
 第17戦ではコンディションの変化の中でポールポジションを獲得し、決勝では逃げ切ることが出来た。これまで良い流れが作れずに来たので、とても嬉しい。最終大会でも優勝を目指したい。

トムスチームのP.モンティンのコメント:
 第17戦では勝ちたかったが、吉本選手もミスを犯さず、逆転はかなわなかった。第18戦では良いセッティングを見つけられ、速さをアピール出来た。最終戦に向けて、まだチャンスはある。全力を尽くす。

トムスチームの平中克幸のコメント:
 第18戦ではスタートの失敗から3位まで挽回したものの、そこからは追いつけなかった。マスターズに出場してから、感触は良いが、結果につながらない。最終戦では何とかカタチにするべく頑張りたい。

トムスチーム監督 関谷正徳のコメント:
 トムスの若手が2戦とも上位に入るなど、彼らの実力が上がってきた証だと思う。中でも平中君がちょっと頭を出しているが、横溝君、片岡君ももう少し。今回の予選のような難しい状況でも、なんとか頑張ってほしい。P.モンティンのタイトル争いは最終戦でベストを尽くすの一言。チーム全員でやるべきことをやって備えたい。

リザルト

第17戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 33 吉本 大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) ナウモータースポーツ 27'16.406 18 1
2 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 0.739 18 2
3 11 星野 一樹 ホンダ(無限MF204B) 童夢 4.39 18 4
4 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 4.785 18 5
5 2 長屋 宏和 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 5.172 18 8
6 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 8.521 18 7
7 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 9.485 18 9
8 12 富澤 勝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond 21.658 18 -
9 3 M.ザンガレリ(フランス) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 24.168 18 12
10 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 24.363 18 10
第18戦
順位No.ドライバーエンジンチームタイム周回予選
1 7 P.モンティン(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 37'21.895 25 1
2 1 小暮 卓史 ホンダ(無限MF204B) 無限×童夢プロジェクト 3.606 25 2
3 37 平中 克幸 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 7.749 25 3
4 8 横溝 直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 22.608 25 4
5 2 長屋 宏和 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 25.487 25 9
6 64 佐藤 晋也 ホンダ(無限MF204B) NAKAJIMA HONDA 31.449 25 5
7 36 片岡 龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 33.158 25 7
8 11 星野 一樹 ホンダ(無限MF204B) 童夢 35.397 25 11
9 18 佐々木 孝太 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) チームイエローハットwithエイムスポーツ 42.827 25 12
10 5 西村 秀樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Team 5ZIGEN 44.525 25 13
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 小暮 卓史 無限 259
2 P.モンティン トヨタ・トムス 247
3 M.ザンガレリ トヨタ・トムス 143
5 平中 克幸 トヨタ・トムス 130
6 片岡 龍也 トヨタ・トムス 110
7 横溝 直輝 トヨタ・トムス 98
8 吉本 大樹 トヨタ・トムス 90
12 西村 秀樹 トヨタ・トムス 23
13 中村 裕史 トヨタ・トムス 1
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 ホンダ(無限MF204B) 281
2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 277
3 ニッサン(ニッサンSR20VE) 64