2003年6月 9日(月)配信

全日本F3第4大会 トムスのJ.コートニーが2戦連続2位
今シーズン圧倒的な強さを見せてきたJ.コートニーも
もてぎのロードコースに苦戦。次戦鈴鹿に期待


抜きにくいコースに苦戦し2戦連続の2位となったJ.コートニー
 全日本F3選手権の第4大会(第7戦、第8戦)が6月7日~8日の両日、栃木県のツインリンクもてぎロードコースで開催された。
 シリーズ中盤を迎えてここまでトムスのJ.コートニー(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が4連勝、6戦中5勝と圧倒的な強さでポイントランキングを大きくリード。ランキング2番手にはR.クインタレッリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)、3番手に片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)とトヨタ・トムスエンジン勢が上位を独占している。

予選
 曇天のもと、7日(土)の午前9時30分から15分づつ行われた両戦の公式予選では、前日のフリー走行から好調のP.モンティン(ニッサンSR20VE)がセッションをリード。これをJ.コートニーが追う形で互いにタイムアップを繰り返す激しいアタック合戦が展開された。
 第7戦の予選セッションでは、序盤にP.モンティンの出したタイムにJ.コートニーは僅かに届かず2番手。片岡龍也が3番手で続き、5番手の横溝直輝(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)までがコースレコードを更新した。
 続く第8戦の予選では若干コースコンディションが好転。J.コートニーはセッション開始早々に、先ほど更新されたばかりのコースレコードを上回るタイムでトップに躍り出るが、まもなくP.モンティンが逆転。さらにタイムを上げて詰め寄るJ.コートニーだったが、惜しくも届かず、2戦続けて2番手で決勝レースへと臨むこととなった。また、片岡龍也は逆転をかけてのアタック中に、90度コーナーで僅かにマシンを滑らせタイムロス。コースレコードを更新するタイムながら細川慎弥(無限MF204C)に続く4番手。R.クインタレッリが5番手につけた。

第7戦決勝
 7日(土)午後3時30分から14周で行われた第7戦の決勝レースは、J.コートニーがフロントローからP.モンティンと共に好スタートを切り、接近戦を展開。首位を逃げるP.モンティンを激しくプッシュするJ.コートニーの気迫あふれる走りに観客は釘付けになった。
 しかし、P.モンティンもミスを犯さず、抜きどころの極めて少ない"もてぎ"のコースにJ.コートニーは苦戦。序盤のハードプッシュと、ダウンフォースを少な目にしたセッティングの影響もあり、序々にフロントタイヤのグリップが落ちて2台の差は広がってしまった。
 終盤戦は、後方に僅差で続いていた片岡龍也が迫ったが、これをしのぎ切ったJ.コートニーは2位でチェッカーフラッグ。片岡龍也も3位表彰台を獲得してレースを終えた。

第8戦決勝
 翌8日(日)は、朝から晴天に恵まれ、午前11時5分から第8戦の決勝レースが20周で行われた。
 予選2番手から絶好のスタートを切ったJ.コートニーは第1コーナー手前でアウト側からP.モンティンに並びかけるが、P.モンティンはイン側にマシンを寄せて逆転はかなわず。再び2台の激しい接近戦が始まった。
 前日よりも気温/路面温度が上昇したため各車とも前半からタイヤグリップが厳しい状況。3位の細川慎弥を追う片岡龍也も8周目の第1コーナーでオーバーラン、差はさらに広がった。その後、細川慎弥や5位の横溝直輝もミスを喫し、結果的に順位の変動はないままフィニッシュ。
 "もてぎ"のコースに苦戦したJ.コートニーは、連続の2位入賞を果たし、ポイント2位との差を拡大してランキング首位を堅持した。次戦は得意とする鈴鹿(7月5~6日)で6勝目を目指す。

トムスチームのJ.コートニーのコメント:
 抜きにくいコースに対し、ストレートスピードを重視してダウンフォースの少なめのセッティングをベストと考えて臨んだ。レースの内容は悪くなかったと思うが、早めにフロントタイヤのグリップが落ち、結果的にP.モンティン選手を追いきれなかった。彼は今回大きく調子を上げており、今後の展開が楽しみになってきた。次の鈴鹿はトヨタ・トムスエンジンが得意とするコースでもあり、再び表彰台の頂点に立てるよう全力を尽くす。

トムスチームの片岡龍也のコメント:
 第7戦の序盤は先行するJ.コートニー選手との間隔が詰まってしまったために自分のペースに乗り切れず、終盤は抜きどころがないコースに苦しめられた。第8戦では中盤以降タイヤグリップが落ち、ブレーキも厳しくなってしまったため、前を行く細川慎弥選手を逆転できなかった。第8戦については、予選で4番手に終わってしまったのがすべての敗因。予選での一発アタックに集中できる精神力など、さらに自己のレベルアップを喫して臨む。

トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント:
 今回は、予選の比重がとりわけ大きいレースだった。決勝ではとにかくスタートに集中するように伝えたが、抜きにくいコースでは仕方ない結果でもある。予選を含めて、片岡君はもう一皮むけてくれればというところだ。一年目の小早川君もまだまだ課題はあるが、ともあれ今回、ライバルのP.モンティン選手がポテンシャルを大幅に高めてきたことは、彼らにとってもJ.コートニー選手と共に良い教材が出てきたといえそうだ。

リザルト

第7戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 12 P.モンティン(イタリア) Three Bond Racing 14 25'25.163 1 ニッサン(ニッサンSR20VE)
2 7 J.コートニー(オーストラリア) TOM'S 14 2.155 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 36 片岡龍也 TOM'S 14 2.898 3 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
4 1 細川慎弥 株式会社 無限 14 5.089 4 ホンダ(無限MF204C)
5 4 R.クインタレッリ(イタリア) INGING 14 11.34 6 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
6 3 横溝直輝 INGING 14 11.923 5 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
7 33 吉本大樹 Now Motorsports 14 15.664 8 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 11 柴田裕紀 株式会社 無限 14 17.043 7 ホンダ(無限MF204B)
9 2 佐藤晋也 TODA RACING 14 18.612 9 ホンダ(無限MF204B)
10 32 番場 琢 Now Motorsports 14 31.368 11 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
第8戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 12 P.モンティン(イタリア) Three Bond Racing 20 36'23.085 1 ニッサン(ニッサンSR20VE)
2 7 J.コートニー(オーストラリア) TOM'S 20 2.81 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 1 細川慎弥 株式会社 無限 20 5.913 3 ホンダ(無限MF204C)
4 36 片岡龍也 TOM'S 20 6.442 4 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
5 3 横溝直輝 INGING 20 8.115 6 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
6 4 R.クインタレッリ(イタリア) INGING 20 14.899 5 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
7 2 佐藤晋也 TODA RACING 20 23.398 9 ホンダ(無限MF204B)
8 33 吉本大樹 Now Motorsports 20 31.097 10 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
9 19 柴田裕吉 DTM 20 44.081 13 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
10 18 小川貴広 エイムスポーツ 20 47.682 12 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 J.コートニー トヨタ・トムス 133
2 P.モンティン ニッサン 91
3 片岡達也 トヨタ・トムス 82
3 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 82
5 横溝 直輝 トヨタ・トムス 58
9 小早川済瑠 トヨタ・トムス 25
10 柴田裕吉 トヨタ・トムス 24
11 吉本 大樹 トヨタ・トムス 15
12 番場 琢 トヨタ・トムス 11
マニュファクチャラーポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 142
2 ニッサン(ニッサンSR20VE) 91
3 ホンダ(無限MF204B/C) 84