2003年9月 8日(月)配信

トヨタが今季残り4戦を待たずに全日本F3選手権完全制覇!!
トヨタ・チームトムスとJ.コートニーが2連勝で4部門のチャンピオンを確定


第8大会で完全勝利を飾り、シリーズチャンピオンを
確定したトムスチームのJ.コートニー
 今季もいよいよチャンピオン争いの山場に突入。4部門それぞれのタイトル確定をかけて全日本F3選手権第8大会(第15戦・第16戦)「SUGO F3チャンピオンシップレース」が9月6日、7日の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
 昨年まで開催されていた仙台ハイランドのイベントが振り替えられた格好で、7月26日~27日の第11戦・第12戦に続きSUGOでは今季2回目のレース。サポートレースとして若手育成中間フォーミュラのエッソ・フォーミュラトヨタシリーズ第6戦・第7戦、人気のワンメイクシリーズ、ネッツカップ・ヴィッツ東北シリーズ第5戦も開催された。
 全10大会20戦で戦われる今季の全日本F3だが、ドライバーズポイントランキングでは、ここまで6勝を挙げているJ.コートニー(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が216ポイントでトップ。前大会筑波で今季初優勝を果たした片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が159ポイントで2番手に続いている。選手権は成立レースの80%(=ベスト16戦)の有効ポイント制を採るが、J.コートニーは今回連勝すれば残り4戦の結果を待たずしてチャンピオンが決定する。

予選
 6日午前中に行われた公式予選で、第15戦のセッションは、直前まで降っていた小雨により、セミウエットから乾きかける微妙な路面状況のもとで行われた。しかし、前日の練習走行から好調にトップタイムを記録してきたJ.コートニーは、コースが乾いてきた終盤に2番手R.クインタレッリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)に0.294秒の大差をつける1分18秒702のコースレコードタイムで見事ポールポジションを獲得。
 続く第16戦セッションは、ほぼ完全にドライとなり、各車セッション序盤にベストタイムを記録。J.コートニーは第15戦のタイムをさらに縮める18秒564のレコードタイムを叩き出して連続ポールポジションを決定した。2番手はやはりR.クインタレッリ。インギングチームの僚友、横溝直輝(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)も2戦連続で3番手グリッドを決めて、好調をアピールした。

第15戦決勝
 6日午後にはすっかり天候も回復し、清々しい青空のもと午後3時過ぎから第15戦決勝が18周で行われた。
 スタートではJ.コートニーがクリーンなダッシュを決める一方、R.クインタレッリと横溝直輝は、絶妙なスタートを見せた予選4番手のP.モンティン(ニッサンSR20VE)に先行を許してしまった。しかし、J.コートニーは序盤からハードプッシュで後続との差を拡大。5周目にはファステストラップも記録し、完全な独走体制を確立。
 後方ではP.モンティンに横溝直輝、R.クインタレッリが続くが、結局逆転には至らずチェッカーフラッグ。J.コートニーがP.モンティンに12秒024の差をつけて7勝目をポール・トゥ・フィニッシュの完全試合で飾った。
 この結果により2003年全日本F3選手権で、トヨタ自動車がエンジンメーカー部門、トヨタ・チームトムスがチーム部門、そして、トムスがエンジンチューナー部門のチャンピオンを各々最終戦を待たずに確定。99年以来の"トヨタ"完全制覇となった。

第16戦決勝
 7日は朝から霧雨が降り、午後のF3第16戦決勝もウエットレースが宣言されて状況確認のフリー走行を追加した後に決勝レースがスタート。
 午後3時15分過ぎに25周のスタートが切られるとポールのJ.コートニーが再びきれいなスタートを切ったが、続くP.モンティンと横溝直輝は、2コーナー出口で接触。この隙に片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が3位に浮上。
 この上位陣のつばぜり合いを前に、スタート直後のストレートで接触した車両の排除のためセーフティカーが導入されたのに続き、10周目からもコースアウト車両排除のために2度目のセーフティカーが導入されるなど波乱のレースとなった。
 しかし、J.コートニーは、雨が上がって路面状況が序々に好転する中、ファステストラップを記録しながら快走。再びトップでチェッカーを受け、2戦連続ポール・トゥ・ウィンを果たし、文句なしの結果でドライバーズチャンピオンを確定した。
 また、2位には成長ぶり著しい片岡龍也が続き、トムスチームがワン・ツーフィニッシュ。3位はR.クインタレッリが獲得し、トヨタエンジン搭載車が表彰台を独占した。

トムスチームのJ.コートニーのコメント:
 予選は難しいコンディションだったが2戦ともポールポジションを獲得し、決勝でもスタートに成功したあと逃げ切ることが出来た。とくに第16戦は2度のセーフティカー導入でそのたびにリードが帳消しになる苦しいレースだったが、得意なウェット路面ということもあり、落ち着いて戦えた。チャンピオンのプレッシャーもあったが、早く決着することが出来、本当に嬉しいし、これでほっとした。残り4戦も勝ち続けたい。

トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント:
 これ以上ない結果で大変嬉しい。こんなに早くタイトルが決まったのはJ.コートニーの実力の高さだと思う。また、今回は小早川済瑠君も光るところを見せてくれ、成長ぶりが確認できたのも収穫だ。贅沢と言われるかも知れないが、片岡龍也君を含めてワン・ツー・スリー・フィニッシュを決められたら最高だ。

トムス会長 舘信秀のコメント:
   4年ぶりに「強いトムス」が復活出来、こんな嬉しいことはありません。これはチームのみんなが頑張ってくれた結果に他ならず、残された4戦も、そして、来シーズンも、さらに気を引き締めて戦って行きたい。

トヨタ自動車モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
 トヨタエンジンを搭載するチームがそれぞれのパートで頑張ってくれた結果としてタイトルを確定することが出来たと感謝している。トヨタの若手ドライバー育成カテゴリーの一環として、成長著しい可能性を秘めたドライバーを含めて、全体のチーム力が結実したものだと思う。残り4戦も楽しみだ。

リザルト

第15戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 7 J.コートニー(オーストラリア) TOM'S 18 24'13.044 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
2 12 P.モンティン(イタリア) Three Bond Racing 18 12.024 4 ニッサン(ニッサンSR20VE)
3 3 横溝直輝 INGING 18 16.712 3 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
4 4 R.クインタレッリ(イタリア) INGING 18 17.789 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
5 36 片岡龍也 TOM'S 18 20.248 5 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
6 8 小早川済瑠 TOM'S 18 20.65 6 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
7 1 山西康司 童夢レーシングチーム 18 27.644 8 ホンダ(無限MF204C)
8 2 佐藤晋也 TODA RACING 18 31.304 7 ホンダ(無限MF204B)
9 32 番場 琢 Now Motorsports 18 39.912 10 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
10 19 柴田裕吉 DTM 18 43.404 11 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
第16戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 7 J.コートニー(オーストラリア) TOM'S 25 46'30.080 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
2 36 片岡龍也 TOM'S 25 1.737 4 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 4 R.クインタレッリ(イタリア) INGING 25 13.903 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
4 19 柴田裕吉 DTM 25 28.419 8 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
5 32 番場 琢 Now Motorsports 25 31.722 11 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
6 8 小早川済瑠 TOM'S 25 40.017 6 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
7 18 勝間田敦 エイムスポーツ 25 44.268 - トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 33 吉本大樹 Now Motorsports 25 53.457 10 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 J.コートニー トヨタ・トムス 256
2 片岡達也 トヨタ・トムス 182
3 P.モンティン ニッサン 173
4 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 171
6 横溝直輝 トヨタ・トムス 84
9 柴田裕吉 トヨタ・トムス 47
10 小早川済瑠 トヨタ・トムス 44
11 吉本大樹 トヨタ・トムス 39
12 番場琢 トヨタ・トムス 32
マニュファクチャラーポイント
順位メーカー(エンジン名)ポイント
1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 282
2 ニッサン(ニッサンSR20VE) 178
3 ホンダ(無限MF204B/C) 162