2004年8月 2日(月)配信

全日本F3第6大会 R.クインタレッリが破竹の3連勝!
横溝直輝は2戦連続予選トップ。中嶋一貴は第11戦で4位入賞


第6大会の2戦を制覇し3連勝のR.クインタレッリ
 全日本F3選手権の第6大会(第11戦、第12戦)が7月31日(土)と8月1日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
 同大会にはシリーズ参戦中の14台が参加。このうちトヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車は10台を占め、30日(金)に行われた練習走行では横溝直輝(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)がライバルに0.391秒の大差をつけてトップタイム。ここまで4勝を挙げてランキングトップのチームメイトである、R.クインタレッリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)が3番手につけ、インギング勢が好調ぶりを維持して予選へと臨んだ。

◆予選◆
 31日(土)は朝から好天に恵まれて気温も30度近くまで上昇する中、F3の予選は予定より10分遅れの11時15分から15分間づつ実施。
 まず第11戦の予選序盤に横溝直輝が早々と19秒台半ばのベストタイムを記録し、他チームをリード。しかし、その後も、誰一人逆転することなく、さらに自己ベストを短縮する1分19秒446を叩き出した横溝直輝が2番手のチームメイト、R.クインタレッリに0.362秒差をつけてF3で念願の初ポールポジションを獲得した。
 また、SUGO初レースとなる中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は健闘して5番手。番場琢(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は練習走行時との路面状況変化に戸惑いながらも7番手グリッドで続いた。
 10分間のインターバルを挟んで行われた第12戦の予選では、路面状況も好転し、序盤から各車19秒台のタイムが続出する僅差の争いに突入。再び横溝直輝とR.クインタレッリのアタック合戦となり一時はR.クインタレッリがトップに立つが、横溝直輝はただ一人18秒台に突入し逆転。見事2戦連続予選トップをものにした。R.クインタレッリは再び2番手で続き、インギングチームがフロントローを独占。
 トムス勢では中嶋一貴が6番手、山本左近(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が7番手につけた。

◆第11戦決勝◆
 第11戦決勝は陽射しが強く、気温35度の暑さの中で、31日(土)午後3時22分にスタート。
 注目のスタートで、ポールポジションの横溝直輝が僅かに遅れ、好スタートを切ったR.クインタレッリが1コーナーまでに先行。3位にはJ.P.デ・オリベイラ(M-TEC MF204C)、スタートでF.カルボーン(ニッサンSR20VE)を逆転した中嶋一貴が4位で続いた。
 R.クインタレッリと横溝直輝は僅差のまま周回を重ね、3位のJ.P.デ・オリベイラとの間隔を広げ、横溝直輝は、首位逆転のチャンスを窺っていたが、R.クインタレッリもミスを犯さず膠着状態。
 18周のスプリントレースは結局そのままの順位でチェッカーとなり、R.クインタレッリが見事5勝目を獲得。横溝直輝は2位入賞でインギング勢が今季2度目のワン・ツー・フィニッシュを果たし、F.カルボーンを抑えた中嶋一貴は4位入賞を果たした。

◆第12戦決勝◆
 8月1日(日)も朝から好天。32度とやや過ごしやすい気候の中で午前11時40分に25周で行われる決勝レースのスタートが切られた。
 予選トップからスタートの横溝直輝は、再びスタートに出遅れ、第12戦もR.クインタレッリが先行。第1コーナー進入時にR.クインタレッリとの接触を避けるべくラインを変えた横溝直輝は、3位のJ.P.デ・オリベイラにも先行を許し3位へ後退。
 上位勢は僅差で周回を重ねるが、抜きどころの少ないSUGOのコースで順位は変わらず、最後まで安定した走りを見せたR.クインタレッリがそのままトップでチェッカー。3連勝で今季通算6勝目を達成し、ポイントランキング首位のリードを大きく広げることとなった。横溝直輝は終盤タイヤの摩耗に苦しんだが持ちこたえ、3位で連続表彰台を獲得した。
 一方、トムス勢は、6位争いを見せていた山本左近と中嶋一貴が11周目に接触して戦線離脱を余儀なくされるなど、日本人若手勢が総崩れする厳しい結果となった。

インギング R.クインタレッリのコメント:
 シリーズの折り返しとなる第6大会で3連勝を果たすことが出来て非常に嬉しい。チームが素晴らしい仕事をしてくれて、レース中ずっとクルマの調子は良く、気持ち良く走ることが出来た。タイトル獲得の意識はしていないが、チームと共に、最後まで妥協せずに努力を重ねていけば結果はついてくると思う。

インギング 横溝直輝のコメント:
 2戦共にスタートの失敗が全てだった。チームが良いクルマを用意してくれたのに、申し訳ない気持ちで一杯だ。しかし、今回は初ポールポジション獲得で速さも見せられたし、優勝という目標へ向けて、あとは自分次第だと思っている。次戦はチームの地元であるMINE。地元のファンの前で結果を出すべく全力を尽くす。

トヨタ・チームトムス 中嶋一貴のコメント:
 序盤は走りのイメージが出来ておらず、ニュータイヤを攻めきれなかったが、第12戦までにはベストなセットアップを決めることが出来た。しかし、第11戦では4位に入賞することが出来たものの、第12戦では追い上げた後に接触を喫してしまい、悔しい結果に終わってしまった。この手応えをもとにレベルアップを図る。

トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント:
 厳しいようだがミスを犯したらレースは勝てない。一方で成長するには自分のミスを受け入れることも大切だ。横溝君も中嶋君も山本君も番場君も今回の経験を糧に成長してもらえればと思う。また、トムスチームとしては、現在の選手権の状況を謙虚に受け止め、チーム力を高めて後半戦に臨みたい。

リザルト

第11戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 4 R.クインタレッリ(イタリア) INGING 18 24'25.474 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
2 3 横溝直輝 INGING 18 0.572 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) M-TEC 18 1.544 3 ホンダ(M-TEC MF204C)
4 8 中嶋一貴 TOM'S 18 7.527 5 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
5 12 F.カルボーン(ブラジル) Three Bond Racing 18 8.457 4 ニッサン(ニッサンSR20VE)
6 14 柳田真孝 Three Bond Racing 18 12.283 6 ニッサン(ニッサンSR20VE)
7 36 番場 琢 TOM'S 18 14.603 7 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 7 山本左近 TOM'S 18 17.112 10 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
9 2 武藤英紀 TODA RACING 18 17.584 8 ホンダ(M-TEC MF204C)
10 1 R.アンティヌッチ(アメリカ) TOM'S 18 18.278 9 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
第12戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 4 R.クインタレッリ(イタリア) INGING 25 33'59.824 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
2 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) M-TEC 25 0.921 3 ホンダ(M-TEC MF204C)
3 3 横溝直輝 INGING 25 4.272 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
4 12 F.カルボーン(ブラジル) Three Bond Racing 25 5.655 5 ニッサン(ニッサンSR20VE)
5 14 柳田真孝 Three Bond Racing 25 18.871 4 ニッサン(ニッサンSR20VE)
6 2 武藤英紀 TODA RACING 25 20.694 10 ホンダ(M-TEC MF204C)
7 1 R.アンティヌッチ(アメリカ) TOM'S 25 26.289 8 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 32 小早川済瑠 Now Motorsports 25 34.418 11 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
9 19 柴田裕吉 DTM 25 52.137 13 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
10 50 磯崎元彦 ZAP SPEED 25 52.812 14 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 168
2 J.P.デ・オリベイラ M-TEC 119
3 R.アンティヌッチ トヨタ・トムス 107
4 横溝直輝 トヨタ・トムス 103
5 中嶋一貴 トヨタ・トムス 86
6 番場 琢 トヨタ・トムス 78
8 山本左近 トヨタ・トムス 59
※ポイントはシリーズ全戦の80%が有効