2005年5月15日(日)配信

全日本F3第3大会はトヨタエンジン勢が2戦連続2位
第5戦でJ.リードが2位F3初表彰台。
第6戦はJ.P.デ・オリベイラが2位でランキング首位を堅守


第6戦で2位入賞を果たし、ポイント首位を守ったJ.P.デ・オリベイラ
 2005年全日本F3選手権の第3大会(第5戦、第6戦)が5月14日(土)、15日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。同大会には14台が出場し、トヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車は、このうち10台を占めた。
 コースはシーズンオフに舗装を一新したため、12日(木)と13日(金)の2日間に渡って練習走行が行われ、ポイントランキング首位のJ.P.デ・オリベイラ(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)が総合トップ、中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)が3番手、池田大祐(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)も4番手タイムと順調な仕上がりをアピールした。

予選
 14日(土)は前夜の雨は上がったものの、曇天で気温が上がらず、午前10時の公式予選開始時の路面はハーフウエット状態。滑りやすい状況の中、15分づつ行われた予選では、第5戦のセッションでJ.リード(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)がトップタイムを記録するが、コースアウト車両による黄旗提示中だったため、ベストタイムを抹消され2番手に後退。同じくベストタイムを抹消された中嶋一貴が4番手。R.ストレイト(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が5番手につけた。
 続く第6戦のセッションでは路面はほぼドライとなり、終盤まで僅差のアタック合戦の末、J.リードが再び2番手、中嶋一貴が3番手、J.P.デ・オリベイラが4番手グリッドを獲得した。

第5戦決勝
 第5戦の決勝レース(18周)は完全ドライコンディションのもと14日(土)午後2時24分にスタート。今大会よりシャシーをダラーラから童夢にスイッチしたJ.リードはポールの横溝直輝(ニッサンSR20VE)に迫るが逆転はならず2位で1コーナーへ。中嶋一貴は4位、8番手から絶妙なスタートを切ったJ.P.デ・オリベイラは6位に浮上して周回を開始した。
 序盤戦、首位を追うJ.リードは思うようにペースが上がらず、じわじわと差は拡大。1周目を終えて5位に躍進したJ.P.デ・オリベイラは中嶋一貴と激しい4位争いを展開し、テール・トゥ・ノーズ状態のまま周回を重ね、2台のバトルは観客の注目を集めたが、ファイナルラップのSPコーナーでJ.P.デ・オリベイラは痛恨のコースアウト。J.リードは2位を守り切り、全日本F3初表彰台を獲得。中嶋一貴は4位、R.ストレイトは5位でチェッカーを受けた。

第6戦決勝
 15日(日)は朝から晴天となったが、昼頃には降雨の予報。しかし、第6戦決勝スタート前は路面温度も上昇し、各車これに合わせてセッティングを微調整してグリッドに臨んだ。
 レースは午後12時53分にスタート。J.リードは2番手グリッドから好スタートを切り、1コーナーまでにポールポジションの横溝直輝をかわすことに成功。首位で周回を開始。トップ2台は激しい首位争いを続けるが、8周目のストレートで横に並びかけられたJ.リードは、1コーナー入り口でコース内側のダストに乗って痛恨のスピンを喫し、6位に後退。
 一方、J.P.デ・オリベイラは2位に躍進し、序盤はペースが上がらず5位に後退していた中嶋一貴が4位にポジションアップ。この頃から小雨が落ち始め、濡れた路面に挙動を乱す車両が出始めるが、全車スリックタイヤのままでレースを続行。中嶋一貴は、16周目にP.モンティン(ニッサンSR20VE)をパスして3位に浮上。続いてチームメイトの池田大祐も4位に浮上すると、2台は雨でペースを落とした首位の横溝直輝、2位J.P.デ・オリベイラを猛追するが、上位逆転はならず、J.P.デ・オリベイラが2位入賞でポイントランキング首位の座を堅持。中嶋一貴は今季3回目の3位表彰台を獲得した。

トヨタ・チームトムス J.P.デ・オリベイラのコメント:
 第5戦では自分のミスでコースアウトを喫してしまい、やってはいけないノーポイントに終わってしまった。第6戦では確実にポイントを獲ることを心がけた結果、慎重に行き過ぎたと言われるかも知れないが、シリーズを考えれば悪くない結果だと思う。次戦富士では勝利をものにし、この悔しさを晴らす。

トヨタ・チームトムス 中嶋一貴のコメント:
 第6戦では難しいコンディションの中で3位表彰台に上がることが出来たが、序盤で順位を落としたのは自分のミス。次戦富士はテストで手応えを得ているので、表彰台の真ん中を目指して全力を尽くす。

INGING J.リードのコメント:
 今回からスイッチしたシャシーの感覚の違いにも慣れ、第5戦では初めて表彰台に立つことが出来た。第6戦ではせっかく首位に立ちながら残念だったが、とても多くのことを学んだ。これからはさらに上位を目指す。

TDPスーパーバイザー 関谷正徳のコメント:
 皆がそれぞれ良いレースをしてくれている。第6戦の雨の中で終盤トップに迫った場面など見応えもあったが、全体的にはこじんまりとまとまっている印象で、まだ物足りなさも感じた。次戦はリニューアルオープンした富士スピードウェイでのF3レース初舞台。ハッと思わせるような走りに期待したい。

リザルト

第5戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 12 横溝直輝 Three Bond Racing 18 23'20.661 1 ニッサン(ニッサンSR20VE)
2 5 J.リード(ニュージーランド) INGING 18 5.224 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 10 武藤英紀 M-TEC 18 10.137 3 ホンダ(M-TEC MF204C)
4 37 中嶋一貴 TOM'S 18 10.917 4 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
5 1 R.ストレイト(ブラジル) INGING 18 20.771 5 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
6 3 加藤寛規 INGING 18 20.932 6 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
7 38 池田大祐 TOM'S 18 25.299 9 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 33 番場 琢 Now Motorsports 18 30.229 11 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
9 14 P.モンティン(イタリア) Three Bond Racing 18 30.37 10 ニッサン(ニッサンSR20VE)
10 19 折目遼 DTM 18 57.368 13 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
第6戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 12 横溝直輝 Three Bond Racing 25 33'59.499 1 ニッサン(ニッサンSR20VE)
2 36 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) TOM'S 25 1.136 4 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 37 中嶋一貴 TOM'S 25 2.256 3 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
4 38 池田大祐 TOM'S 25 2.589 6 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
5 1 R.ストレイト(ブラジル) INGING 25 3.662 9 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
6 5 J.リード(ニュージーランド) INGING 25 3.04 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
7 33 番場 琢 Now Motorsports 25 13.397 10 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 10 武藤英紀 M-TEC 25 13.916 7 ホンダ(M-TEC MF204C)
9 3 加藤寛規 INGING 25 13.921 - トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
10 2 高崎保浩 戸田レーシング 25 32.891 8 ホンダ(M-TEC MF204C)
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 J.P.デ・オリベイラ トヨタ・トムス 85
2 横溝直輝 ニッサン 68
3 武藤英紀 M-TEC 65
4 池田大祐 トヨタ・トムス 55
5 中嶋一貴 トヨタ・トムス 46
6 J.リード トヨタ・トムス 43
7 R.ストレイト トヨタ・トムス 40
9 番場 琢 トヨタ・トムス 21