2005年6月 5日(日)配信

全日本F3第4大会でトムスのJ.P.デ・オリベイラが2連勝
新装富士初のF3で、中嶋一貴が連続2位。
第8戦ではトヨタ・トムスチームが表彰台を独占


第7戦、第8戦ともにトムスのオリベイラ/中嶋が1-2フィニッシュ
 2005年全日本F3選手権の第4大会(第7戦、第8戦)が6月4日、5日の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。今年4月にリニューアルオープンした新装"富士"初のF3レースとなる同大会には14台が出場し、トヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車はこの内10台を占めた。
 新コースに対しては事前の合同テストが実施されており、金曜日の練習走行ではドライながら低温かつ雨上がりで路面コンディションに恵まれない中、事前テストから好調な中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)が総合トップタイム、J.P.デ・オリベイラ(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)が2番手、池田大祐(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)が3番手タイムとトムス勢が上位を独占した。

予選
 午後には降雨の予報もあり、いつ降り出してもおかしくない状況ながら曇天のまま、午後4時28分に第7戦(15周)のスタートが切られた。
 2番手グリッドのJ.P.デ・オリベイラは絶妙なスタートを切ると1コーナーまでの距離が長い"富士"のレイアウトを活かして首位の横溝直輝に並びかけ、1コーナーで逆転に成功。その後は、後続を寄せ付けず、首位独走を見せ、今季3勝目を挙げた。
 一方、3番手グリッドからスタートで4位に後退した中嶋一貴は、2周目には3位、4周目の1コーナーで2位へとポジションアップ。その後もファステストラップを記録するハイペースで追い上げるが、15周のスプリントでは首位奪取はならず2位でフィニッシュ。新装"富士"初のF3レースでトムス勢がワン・ツー・フィニッシュを果たす結果となった。
 また、J.リードが4位、安岡秀徒(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が6位に入賞。5周目に単独スピンを喫し、一時最後尾まで後退した池田大祐はその後挽回して8位でチェッカーを受けた。

第7戦決勝
 午後には降雨の予報もあり、いつ降り出してもおかしくない状況ながら曇天のまま、午後4時28分に第7戦(15周)のスタートが切られた。
 2番手グリッドのJ.P.デ・オリベイラは絶妙なスタートを切ると1コーナーまでの距離が長い"富士"のレイアウトを活かして首位の横溝直輝に並びかけ、1コーナーで逆転に成功。その後は、後続を寄せ付けず、首位独走を見せ、今季3勝目を挙げた。
 一方、3番手グリッドからスタートで4位に後退した中嶋一貴は、2周目には3位、4周目の1コーナーで2位へとポジションアップ。その後もファステストラップを記録するハイペースで追い上げるが、15周のスプリントでは首位奪取はならず2位でフィニッシュ。新装"富士"初のF3レースでトムス勢がワン・ツー・フィニッシュを果たす結果となった。
 また、J.リードが4位、安岡秀徒(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が6位に入賞。5周目に単独スピンを喫し、一時最後尾まで後退した池田大祐はその後挽回して8位でチェッカーを受けた。

第8戦決勝
 5日(日)は、前夜少量の降雨があったが、朝から薄曇りで、引き続き路面はドライコンディション。エッソ・フォーミュラトヨタシリーズ第3戦決勝に続いてF3の第8戦決勝が午後1時から21周で行われた。
 注目のスタートでは、ポールポジションの中嶋一貴は慎重になりすぎたか、第7戦に続いて好スタートを切った2番手グリッドのJ.P.デ・オリベイラに1コーナー進入までに先行を許してしまった。
 一方、4番手グリッドからやや出遅れた池田大祐は、後続に並ばれ、抑えようとしてコースオフ。しかし、すぐにコースに復帰すると、前を行くP.モンティン(ニッサンSR20VE)をパスし、4位に浮上。3位の横溝直輝にも徐々に詰め寄り、7周目の1コーナー手前で逆転し、3位へと躍進。トムス勢のワン・ツー・スリー体制となった。
 2位を行く中嶋一貴は中盤以降もプッシュを続け、13周目にはファステストラップを記録するが、首位逆転は叶わず、2戦連続の2位でチェッカー。
 J.P.デ・オリベイラは逃げ切って2連勝。ポイントランキングで2位との差を広げることとなった。3位には池田大祐が入り、トムスチームが表彰台を独占した。

トヨタ・チームトムス J.P.デ・オリベイラのコメント:
 トヨタのホームコースである"富士"での初レースに2戦連続で2位グリッドから連勝を飾ることが出来、最高の気持ちだ。とくに前戦SUGOでは残念な結果に終わってしまっただけに、自分にとっても大きな自信につながった。目標であるチャンピオン獲得に向けてこれからも勝ち続けたい。

トヨタ・チームトムス 中嶋一貴のコメント:
 第8戦でポールポジションを獲得することが出来たが、J.P.デ・オリベイラにスタートでかわされてしまい、追いつくことも叶わなかった。2戦連続で2位表彰台という結果は得られたが、第8戦は細かいミスもあり、とりわけ悔しさが残る。3位、2位と来ているので、次戦ではぜひとも真ん中に立てるよう全力を尽くす。

トヨタ・チームトムス 池田大祐のコメント:
 今回は決勝レース前にセッティングを変更して臨んだが、第7戦、第8戦ともに自分のミスで順位を落とす場面があった。第8戦では表彰台に上がることが出来たが、努力を重ねてさらなる上位を目指す。

TDPスーパーバイザー 関谷正徳のコメント:
 皆それぞれ次元の高いレースをしているだけに、小さなミスが大きく響いてしまう。チームとしての結果は良かったが、中嶋君、池田君ともにそうしたミスが目立ち、経験豊富なJ.P.デ・オリベイラに及ばなかった。リニューアルされた富士スピードウェイは路面のミューが低く、コーナーにカントが少ないなど、ヨーロッパのサーキットに似た難しさがある。今大会はレベルアップを目指す若手ドライバーには良い勉強の場になったと思う。

リザルト

第7戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 36 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) TOM'S 15 24'27.406 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
2 37 中嶋一貴 TOM'S 15 1.808 3 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 12 横溝直輝 Three Bond Racing 15 16.494 1 ニッサン(ニッサンSR20VE)
4 5 J.リード(ニュージーランド) INGING 15 24.067 5 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
5 10 武藤英紀 M-TEC 15 33.525 9 ホンダ(M-TEC MF204C)
6 3 安岡 秀徒 INGING 15 37.261 10 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
7 33 番場 琢 Now Motorsports 15 42.221 8 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 38 池田大祐 TOM'S 15 42.222 4 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
9 2 高崎保浩 戸田レーシング 15 47.664 11 ホンダ(M-TEC MF204C)
10 19 折目遼 DTM 15 48.646 12 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
第8戦
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選エンジン
1 36 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) TOM'S 21 34'24.315 2 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
2 37 中嶋一貴 TOM'S 21 6.125 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
3 38 池田大祐 TOM'S 21 16.942 4 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
4 12 横溝直輝 Three Bond Racing 21 33.997 3 ニッサン(ニッサンSR20VE)
5 10 武藤英紀 M-TEC 21 36.076 6 ホンダ(M-TEC MF204C)
6 2 高崎保浩 戸田レーシング 21 36.64 9 ホンダ(M-TEC MF204C)
7 1 R.ストレイト(ブラジル) INGING 21 37.379 8 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
8 14 P.モンティン(イタリア) Three Bond Racing 21 37.822 5 ニッサン(ニッサンSR20VE)
9 5 J.リード(ニュージーランド) INGING 21 39.482 7 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
10 33 番場 琢 Now Motorsports 21 40.38 10 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 J.P.デ・オリベイラ トヨタ・トムス 125
2 横溝直輝 ニッサン 90
3 武藤英紀 M-TEC 81
4 中嶋一貴 トヨタ・トムス 76
5 池田大祐 トヨタ・トムス 70
6 J.リード トヨタ・トムス 54
7 R.ストレイト トヨタ・トムス 44
9 番場 琢 トヨタ・トムス 27