全日本F3第8大会富士 J.P.デ・オリベイラが6勝目
中嶋一貴は激しい追い上げを見せて2戦連続2位。
トムスチームが第16戦1-2フィニッシュ
第16戦はJ.P.デ・オリベイラが優勝。中嶋一貴(後方)が
2位に入り、トムスチームが1-2フィニッシュを果たした
2005年全日本F3選手権の第8大会(第15戦、第16戦)が8月27日(土)、28日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。今大会にはシリーズエントリーの14台に新たな2台を加えた16台が出場、トヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車は10台を占めた。
新生富士スピードウェイでのF3レースは、6月の第4大会に続いて2回目。練習走行の行われた26日(金)は当初台風11号の影響も心配されたが、無事台風一過の好天の下で行われ、第13戦、第14戦と2連勝中の中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)がトップタイムを記録して好調ぶりを印象づけた。
予選
27日(土)も朝から晴れ。気温29度のドライコンディションの下、午前11時15分から15分間づつ行われた公式予選では、まず第15戦の予選セッションで序盤から激しいトップタイム争いとなる中、終盤好タイムを連発した中嶋一貴が文句無しのポールポジションを獲得。2番手にはチームメイトのJ.P.デ・オリベイラ(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)、池田大祐(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)は5番手、番場琢(ナウモータースポーツ/トヨタ・トムス3S‐GE)が6番手で続いた。
10分間のインターバルを経て開始された第16戦の予選セッションでは、路面状況が好転する中、再び中嶋一貴とJ.P.デ・オリベイラのトップ争いとなり、チェッカー間際に中嶋一貴が逆転。見事2戦連続ポールポジションを得た。2位はJ.P.デ・オリベイラ、再び池田大祐が5番手、番場琢が6番手グリッドを獲得した。
第15戦決勝
第15戦の決勝レースは85台のエントリーを集めた人気のワンメイクレース、ネッツカップ・ヴィッツ関東シリーズ第6戦の決勝に続いて午後4時30分から、曇り空の下、気温も26度と低い中で15周のレースが行われた。
ポールポジションの中嶋一貴はスムーズなスタートを切ったが、さらに絶妙なスタートを決めたJ.P.デ・オリベイラが1コーナー進入で僅かに先行。首位を奪って周回を開始した。
2位の中嶋一貴は激しく追い上げ、2周目の3コーナーでJ.P.デ・オリベイラのイン側を突こうとしたが、行き場を失ってハーフスピン、P.モンティン(日産SR20VE)、横溝直輝(日産SR20VE)に先行を許して後退。
一方、J.P.デ・オリベイラもこのバトルでラインを乱し、続くコーナー出口でオーバーラン、5位へとポジションを落としてしまった。その後、中嶋一貴は4周目に横溝直輝をかわして2位に浮上し、さらにファステストラップを記録しながら猛追。
トップで逃げるP.モンティンとの差をじわじわと詰め、最後の最後までアタックを続けたが逆転には至らず2位でチェッカーを受け、表彰台を獲得した。
J.P.デ・オリベイラは一つポジションを上げて4位となり、R.ストレイト(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が5位、池田大祐は6位入賞を果たした。
第16戦決勝
28日(日)は午前中は晴れていたものの、F3のスタートが切られる午後1時には雲が広がり、今にも雨が降りそうな天候の下で第16戦の決勝レース(21周)が行われた。
ポールポジションの中嶋一貴はトップで1コーナーに飛び込んだが、僅かにブレーキをミスし、コーナー出口で膨らんだ隙に、P.モンティンとJ.P.デ・オリベイラが並びかけ、この接戦で、中嶋一貴とP.モンティンが軽く接触。このチャンスを逃さずJ.P.デ・オリベイラが首位を奪取。
その後もJ.P.デ・オリベイラはハイペースで逃げるが、これを中嶋一貴がファステストラップを記録しながら猛追し、僅差の大接戦が展開された。
2台の首位攻防戦は最終ラップの最終コーナーまで続いたが、結局、シリーズポイントランキング首位につけるJ.P.デ・オリベイラが第11戦以来となる今季6勝目を挙げ、中嶋一貴は0.306秒という僅差で連続2位入賞。トムスチームは1-2フィニッシュ、中嶋一貴は4戦連続での表彰台獲得となった。
トヨタ・チームトムス 中嶋一貴のコメント:
第15戦は非常に悔しい結果となってしまった。第16戦も勝てなかったのは悔しいが、100%以上の走りをしてミスが出てしまった結果なので、仕方ないという気持ちもある。まだチャンピオンの可能性はあるが、全く意識はしていない。次戦もレースで100%の実力を発揮することだけを心がけて頑張りたい。
トヨタ・チームトムス J.P.デ・オリベイラのコメント:
第16戦で久しぶりに優勝出来たことは、タイトル争いに向けて良い感触を得られ、自信にもつながった。予選でもポールポジション獲得を狙っていたのだが、チームメイトの中嶋一貴選手の速さには驚かされた。今シーズンも残り4戦となったが、最後までチャンピオン獲得を目指して全力で戦う。
TDPスーパーバイザー 関谷正徳のコメント:
中嶋一貴君は結果的に、2戦ともポールポジションを得ながら勝利は叶わなかったが、ハイレベルな戦いを展開した。全力で走っている中でのミスはある程度仕方がない。ここにきて確かな成長ぶりを見せてくれている。また、第16戦では番場琢君が久しぶりに4位に入賞し、池田大祐君もスピンの後に速さを見せ、TDPのスカラシップ生たちはよく頑張っている。全体に内容の濃いレースで、モータースポーツの難しさを見て頂けたと思う。
リザルト
第15戦 | ||||||||
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順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | エンジン | |
1 | 14 | P.モンティン(イタリア) | Three Bond Racing | 15 | 24'46.013 | 4 | ニッサン(ニッサンSR20VE) | |
2 | 37 | 中嶋一貴 | TOM'S | 15 | 0.663 | 1 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
3 | 12 | 横溝直輝 | Three Bond Racing | 15 | 5.005 | 3 | ニッサン(ニッサンSR20VE) | |
4 | 36 | J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) | TOM'S | 15 | 5.53 | 2 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
5 | 1 | R.ストレイト(ブラジル) | INGING | 15 | 11.548 | 7 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
6 | 38 | 池田大祐 | TOM'S | 15 | 12.455 | 5 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
7 | 5 | J.リード(ニュージーランド) | INGING | 15 | 13.479 | 11 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
8 | 10 | 武藤英紀 | M-TEC | 15 | 14.998 | 8 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
9 | 33 | 番場 琢 | Now Motorsports | 15 | 16.756 | 6 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
10 | 62 | 嵯峨宏紀 | AUTOSPORT with Le Beausset | 15 | 22.944 | 13 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
第16戦 | ||||||||
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順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | エンジン | |
1 | 36 | J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) | TOM'S | 21 | 34'37.339 | 2 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
2 | 37 | 中嶋一貴 | TOM'S | 21 | 0.306 | 1 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
3 | 14 | P.モンティン(イタリア) | Three Bond Racing | 21 | 6.968 | 3 | ニッサン(ニッサンSR20VE) | |
4 | 33 | 番場 琢 | Now Motorsports | 21 | 18.666 | 6 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
5 | 1 | R.ストレイト(ブラジル) | INGING | 21 | 18.914 | 7 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
6 | 10 | 武藤英紀 | M-TEC | 21 | 19.401 | 8 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
7 | 16 | 塚越広大 | M-TEC | 21 | 23.643 | 9 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
8 | 3 | 安岡秀徒 | INGING | 21 | 32.925 | 12 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
9 | 62 | 嵯峨宏紀 | AUTOSPORT with Le Beausset | 21 | 34.389 | 13 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
10 | 2 | 高崎保浩 | 戸田レーシング | 21 | 34.517 | 11 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
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