全日本F3第9大会 J.Pデ・オリベイラがチャンピオン獲得!
第17戦では、波乱のレースでJ.リードが初優勝。
第18戦は3冠確定のトムスが1-2フィニッシュ
第17戦、チームの地元MINEでJ.リード(左)が初優勝。
3位に入ったJ.P.デ・オリベイラ(右)はチャンピオンを確定した
2005年の全日本F3選手権の第9大会(第17戦、第18戦)「MINE F3レース」が9月10日(土)~11日(日)に山口県のMINEサーキットで開催された。今季2度目となるMINE大会には、シリーズエントリーの14台に2台を加えた16台が出場、トヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車はこのうち10台を占めた。
シリーズも終盤を迎えてチャンピオン争いはJ.P.デ・オリベイラ(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)と中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)の2人に絞られ、9日(金)に行われた練習走行ではJ.P.デ・オリベイラがトップ、中嶋一貴が2番手タイムにつけた。
予選
30日(土)は朝から断続的に小雨が落ちる不順な天候。午前10時15分から15分間づつ行われた公式予選は序盤にごく少量の雨が落ちたもののその後は曇天となり、実質ドライ路面で行われた。
第17戦のセッションでは、激しいタイムアタック合戦が展開され、終了間際にただ一人1分22秒台に入ったJ.P.デ・オリベイラがポールポジション、中嶋一貴が2番手、R.ストレイト(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が3番手で続き、トヨタ・トムス3S‐GEエンジンが上位3番手までを独占した。
10分間のインターバルをおいて実施された第18戦のセッションは、路面状況の向上により序盤からめまぐるしく順位の入れ替わる展開。その中でJ.リード(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が6周目にトップに立つと、その後はコースアウト車両による黄旗提示状態が続きタイム短縮は果たせず、J.リードがポールポジション。J.P.デ・オリベイラが3番手、中嶋一貴が4番手、R.ストレイトが5番手グリッドをそれぞれ獲得した。
第17戦決勝
第17戦の決勝レースは午後2時50分より今にも雨の降り出しそうな曇天の下、20周で行われた。
スタートでは、ポールポジションのJ.P.デ・オリベイラがホイールスピンで遅れ、2番手の中嶋一貴がトップで1コーナーへ。3番手に後退したJ.P.デ・オリベイラまでを含む上位3台は、じわじわと後続を引き離しながら周回を重ねるが、間もなく雨が降り出し、路面はハーフウエット状態へ。そんな状況で迎えた6周目、1コーナーで中嶋一貴は痛恨のスピンを喫し、コースオフ。2番手の武藤英紀(M-TEC MF204C)、J.P.デ・オリベイラも続いてコースアウトしたが、自力でコースに復帰し、この間隙にJ.リードが首位に立った。
周回遅れとなった中嶋一貴は雨が強くなるとのチームの判断からピットに戻り、レインタイヤに履き替えて追撃を開始したが、グラベルで拾ったと思われる石が原因でエンジンがストップ。11周で無念のリタイアとなり、この瞬間にJ.P.デ・オリベイラのチャンピオンが確定した。
一方5番手までポジションを下げたJ.P.デ・オリベイラは小雨の降り続く中、スリックタイヤのままで渾身の猛追を続け、8周目に4位、11周目には3位まで浮上してチェッカー。
その一方で、逃げ切ったJ.リードがチームの地元となるMINEで初優勝を果たした。
第18戦決勝
11日(日)も朝から曇天。第18戦の決勝レースは午後3時より30周で行われた。ポールポジションのJ.リードを先頭にスタートが切られると、3番手グリッドのJ.P.デ・オリベイラは2番手の横溝直輝(ニッサンSR20VE)を1コーナー進入までにパス。さらに4番手スタートの中嶋一貴も、3コーナーの進入で前に出て、トヨタ勢が上位3台を占める。
ところが首位を行くJ.リードは、フライングスタートによるピットドライブスルーペナルティを受けて後退を余儀なくされてしまう。
これで首位に立ったJ.P.デ・オリベイラはファステストタイムを記録しながら快走。2位の中嶋一貴はこれを追うが届かず、そのままチェッカー。J.P.デ・オリベイラは見事今季7勝目を挙げ、2位で続いた中嶋一貴とともにトムスチームのワン・ツー・フィニッシュとなった。
今大会の結果により、J.P.デ・オリベイラは最終戦を待たずにシリーズチャンピオンを確定。トムスチームはチーム部門とエンジンチューナー部門のタイトルと合わせて3冠を確定した。トヨタ・トムス3S‐GEエンジンによるチャンピオン獲得は2003年以来3年連続となる。
トヨタ・チームトムス J.P.デ・オリベイラのコメント:
念願のチャンピオンを獲得することが出来て本当に嬉しい。自分を支えてくれたチームスタッフや関係者には感謝の気持ちで一杯だ。チャンピオンは確定したが、最終戦も全力で戦い、第18戦をノーミスで勝ち取ったように、勝利を目指し、その勢いを保ってマカオGPでも勝ちを狙って行く。
トヨタ・チームトムス 中嶋一貴のコメント:
第17戦は残念な結果に終わり、シリーズチャンピオンも確定してしまったが、残る最終戦では、シリーズランキング2位獲得を目標とするのではなく、あくまでも勝ちを狙って、全力で攻めて行きたい。
TDPスーパーバイザー 関谷正徳のコメント:
第17戦での中嶋一貴君は、降りだした雨の中、トップを走るという厳しい状況で、よく頑張ったと思う。トムスチームとしては3冠を達成することが出来、池田大祐君も第18戦の後半は集中力の高い走りを披露するなど、それぞれ良いところを見せてくれた。最終戦では今季の総決算としてさらなる健闘を期待したい。
リザルト
第17戦 | ||||||||
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順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | エンジン | |
1 | 5 | J.リード(ニュージーランド) | INGING | 20 | 30'02.578 | 5 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
2 | 10 | 武藤英紀 | M-TEC | 20 | 0.292 | 4 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
3 | 36 | J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) | TOM'S | 20 | 12.008 | 1 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
4 | 12 | 横溝直輝 | Three Bond Racing | 20 | 30.517 | 6 | ニッサン(ニッサンSR20VE) | |
5 | 3 | 安岡秀徒 | INGING | 20 | 30.889 | 9 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
6 | 1 | R.ストレイト(ブラジル) | INGING | 20 | 42.494 | 3 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
7 | 16 | 塚越広大 | M-TEC | 20 | 54.847 | 11 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
8 | 33 | 番場 琢 | Now Motorsports | 20 | 1'01.169 | 10 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
9 | 11 | 河内浩成 | DREAM FACTORY | 20 | 1'02.256 | 15 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
10 | 50 | 磯崎元彦 | ZAP SPEED | 19 | 1Lap | 16 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
第18戦 | ||||||||
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順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | エンジン | |
1 | 36 | J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) | TOM'S | 30 | 42'28.400 | 3 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
2 | 37 | 中嶋一貴 | TOM'S | 30 | 7.75 | 4 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
3 | 12 | 横溝直輝 | Three Bond Racing | 30 | 10.447 | 2 | ニッサン(ニッサンSR20VE) | |
4 | 10 | 武藤英紀 | M-TEC | 30 | 11.263 | 6 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
5 | 1 | R.ストレイト(ブラジル) | INGING | 30 | 14.788 | 5 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
6 | 14 | P.モンティン(イタリア) | Three Bond Racing | 30 | 19.832 | 9 | ニッサン(ニッサンSR20VE) | |
7 | 38 | 池田大祐 | TOM'S | 30 | 21.991 | 7 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
8 | 16 | 塚越広大 | M-TEC | 30 | 25.881 | 11 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
9 | 33 | 番場 琢 | Now Motorsports | 30 | 28.323 | 12 | トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) | |
10 | 2 | 高崎保浩 | 戸田レーシング | 30 | 32.276 | 8 | ホンダ(M-TEC MF204C) | |
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