2010年7月19日(月)配信

国本雄資が富士も完全制覇
開幕から無傷の8連勝を飾る


第8戦は国本雄資(右)とラファエル・スズキ(左)の
トムス勢が今季2度目の1-2フィニッシュを飾った
 全日本F3選手権の第4大会(第7戦、第8戦)が7月17日(土)と18日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。
 今季の全日本F3選手権は、ここまで開幕からの3大会6戦、全てをTDPドライバーの国本雄資(PETRONAS TEAM TOM'S)が制しており、連続勝利記録をどこまで伸ばせるか、誰が国本を止めるのかに注目が集まった。
 今大会には、CクラスにTOM'S TOYOTA 1AZ-FEエンジン搭載車両が4台出場、Nクラスは出場車両10台全てがTOM'S TOYOTA 3S-GEエンジンを使用している。

 17日(土)午前10時より15分ずつ、第7戦と第8戦の予選が行われ、国本が第7戦、第8戦共にポールポジションを獲得。2番手には両レース共にチームメイトのラファエル・スズキ(PETRONAS TEAM TOM'S)が続いた。第7戦は嵯峨宏紀(DENSO Team Le Beausset)が3番手。嵯峨は第8戦は5番手となった。
 Nクラスでは、TDPドライバーの蒲生尚弥(TOM'S SPIRIT)が第7戦、第8戦共にポールポジションを獲得した。

 予選に続き、午後3時45分より気温29度、路面温度46度という暑さの下で第7戦の決勝レース(15周)がスタート。ポールポジションの国本は順当なスタートを切ったが、2番手からトップを狙ったスズキと激しいトップ争いの末、1コーナーで軽く接触。この隙をついて3番手スタートの嵯峨が首位に立った。
 後方では、Nクラスの最上位からスタートを切った蒲生に、後続車両が突っ込み、スピンを喫した蒲生は最下位へと落ちてしまった。
 2位に落ちた国本だったが、3周目の1コーナーで嵯峨にアタック。ここは嵯峨が押さえたが、続く2コーナーで片輪をダートに落としながら見事首位を奪還した。
 首位に立った国本は、後続との差を広げていった。8周目には2位を行く嵯峨をスズキがパス。嵯峨も食い下がったが痛恨のコースオフを喫し、ポジションを落としてしまった。
 国本は最終的に、2位に15秒以上の大差をつけ、独走で今季7勝目を飾った。スズキは3位でフィニッシュした。
 Nクラスでは、蒲生が後退したことで2番手スタートの千代勝正(DENSO Team Le Beausset)が首位に立つが、9周目に佐藤公哉(TEAM NOVA)がこれをかわし、今季初勝利を挙げた。蒲生は最後尾から追い上げ、5位でフィニッシュした。

 18日(日)午後1時に第8戦の決勝レース(21周)がスタート。3番手グリッドの関口雄飛(ThreeBond Racing)が好スタートで国本の前に出るが、直後にアウトにはらんでオーバーラン。国本が首位を奪い返した。2番手スタートのスズキはスタートをミス。大きく順位を落としてしまった。
 国本は1周1秒ずつのペースで後続を引き離すという圧倒的な速さで首位を独走。後方では、スズキが猛烈な追い上げを開始。中盤はアレキサンドレ・インペラトーリ(TODA RACING)との激しい3位争いの末にこれを制すると、その勢いに乗って2位の関口もパス。
 しかし、国本は遙か前を走行しており、最後は2位のスズキに18秒もの大差をつけてトップでチェッカー。圧勝での開幕8連勝を飾った。スズキが2位に入り、トムスは今季2度目の1-2フィニッシュ。
 全日本F3での8連勝は、2001年のブノワ・トレルイエに並ぶ最多タイ記録となり、次戦での記録更新なるかが注目される。
 Nクラスではポールポジションの蒲生がポジションを守り、嬉しい今季初勝利を挙げた。

リザルト

第7戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
11C-1国本雄資PETRONAS TEAM TOM'S1524'21.72111'36.105TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
212C-2関口雄飛ThreeBond Racing1515.67651'37.565THREEBOND NISSAN SR20VE
336C-3ラファエル・ スズキPETRONAS TEAM TOM'S1516.62721'36.212TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
42C-4アレキサンドレ  インペラトーリTODA RACING1520.81841'37.395MUGEN HONDA MF204C
562C-5嵯峨宏紀DENSO Team Le Beausset1525.15931'37.284TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
623N-1佐藤公哉TEAM NOVA1534.75171'38.211TOM'S TOYOTA 3S-GE
763N-2千代勝正DENSO Team Le Beausset1537.9481'38.316TOM'S TOYOTA 3S-GE
88N-3小林崇志HFDP RACING1538.39491'38.383TOM'S TOYOTA 3S-GE
920N-4ギャリー  トンプソンACHIEVEMENT by KCMG1545.659121'38.639TOM'S TOYOTA 3S-GE
1037N-5蒲生尚弥TOM'S SPIRIT1547.18561'37.959TOM'S TOYOTA 3S-GE
1119N-6黒田吉隆ACHIEVEMENT by KCMG1555.881141'39.401TOM'S TOYOTA 3S-GE
127N-7三浦和樹HFDP RACING1557.031131'38.742TOM'S TOYOTA 3S-GE
1322N-8佐々木大樹TEAM NOVA1557.154101'38.453TOM'S TOYOTA 3S-GE
1421N-9森下陽介ACHIEVEMENT by KCMG151'00.543151'39.815TOM'S TOYOTA 3S-GE
1577N-10小泉洋史シーエムエス モーター スポーツ プロジェクト151'11.339161'40.273TOM'S TOYOTA 3S-GE
165C-6久保田克昭ハナシマレーシング141Lap111'38.497TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
第8戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
11C-1国本雄資PETRONAS TEAM TOM'S2134'14.64811'36.091TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
236C-2ラファエル・ スズキPETRONAS TEAM TOM'S2118.16821'36.589TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
32C-3アレキサンドレ  インペラトーリTODA RACING2125.16541'37.502MUGEN HONDA MF204C
412C-4関口雄飛ThreeBond Racing2126.3331'37.475THREEBOND NISSAN SR20VE
562C-5嵯峨宏紀DENSO Team Le Beausset2132.61351'37.653TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
637N-1蒲生尚弥TOM'S SPIRIT2135.02561'38.062TOM'S TOYOTA 3S-GE
78N-2小林崇志HFDP RACING2147.99581'38.554TOM'S TOYOTA 3S-GE
823N-3佐藤公哉TEAM NOVA2149.86271'38.475TOM'S TOYOTA 3S-GE
963N-4千代勝正DENSO Team Le Beausset2155.048101'38.674TOM'S TOYOTA 3S-GE
1022N-5佐々木大樹TEAM NOVA2155.43391'38.642TOM'S TOYOTA 3S-GE
115C-6久保田克昭ハナシマレーシング211'00.759111'38.734TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
127N-6三浦和樹HFDP RACING211'01.311131'38.863TOM'S TOYOTA 3S-GE
1320N-7ギャリー  トンプソンACHIEVEMENT by KCMG211'13.969121'38.761TOM'S TOYOTA 3S-GE
1421N-8森下陽介ACHIEVEMENT by KCMG211'17.218141'39.372TOM'S TOYOTA 3S-GE
1577N-9小泉洋史シーエムエス モーター スポーツ プロジェクト211'18.641161'40.349TOM'S TOYOTA 3S-GE
1619N-10黒田吉隆ACHIEVEMENT by KCMG211'44.444151'39.535TOM'S TOYOTA 3S-GE
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1国本雄資TOM'S TOYOTA 1AZ-FE95
2関口雄飛THREEBOND NISSAN SR20VE39
3ラファエル・スズキTOM'S TOYOTA 1AZ-FE37
5嵯峨宏紀TOM'S TOYOTA 1AZ-FE28
6吉田広樹TOM'S TOYOTA 1AZ-FE5
7久保田克昭TOM'S TOYOTA 1AZ-FE4