2010年10月17日(日)配信

嵯峨宏紀が第15戦で悲願のF3初優勝!
嵯峨は最終第16戦も制し2連勝でシーズンを締め括る


第15戦で悲願のF3初優勝を飾った嵯峨宏紀(中央)。
2位には山内英輝(左)が入った
 全日本F3選手権の2010年最終大会となる第8大会(第15戦、第16戦)が10月16日(土)と17日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催された。
 Cクラスでは既にタイトルは決定しているが、Nクラスでのタイトルは最終大会で決されることとなり、また、11月18日(木)から21日(日)にかけて中国・マカオの市街地特設コースで行われる、F3世界一決定戦とも言えるマカオGPへ向けて勢いをつけるべく、各ドライバーはオートポリスでの最終大会へと臨んだ。
 今大会は、Cクラスランキング2位につけるラファエル・スズキ(PETRONAS TEAM TOM'S)が欠場となったため、CクラスにTOM'S TOYOTA 1AZ-FEエンジン搭載車両が3台出場、Nクラスは参戦車両9台全てがTOM'S TOYOTA 3S-GEエンジンを使用している。

 16日(土)午前8時50分より予選が行われ、Cクラスは全車がコースレコードを更新するハイペースな予選アタックが繰り広げられた。
 前戦初優勝を飾った山内英輝(ハナシマレーシング)が第15戦、第16戦共にポールポジションを獲得。TDPドライバーの国本雄資(PETRONAS TEAM TOM'S)が第15戦3番手、第16戦2番手。嵯峨宏紀(DENSO Team Le Beausset)が第15戦2番手、第16戦3番手と分け合う形となった。
 Nクラスでは、第15戦は千代勝正(DENSO Team Le Beausset)がポールポジション。第16戦は、5ポイント差の2位で逆転タイトル獲得を狙うTDPドライバーの蒲生尚弥(TOM'S SPIRIT)がポールポジションを獲得した。

 秋晴れの空の下、午後3時23分に第15戦決勝レース(14周)がスタート。ポールポジションの山内を嵯峨が1コーナーでパス。2コーナーでは国本も山内をかわし、2位へ浮上した。後方では、Nクラスの蒲生に後続車が接触し、ウォールにクラッシュ。2コーナーでも接触があり、3周目にセーフティカーが導入された。
 8周目に再スタートが切られると、2番手の国本が首位を行く嵯峨を1コーナーでかわそうとアウトからしかけるも、コースアウト。国本は5位へと後退してしまった。
 その後は嵯峨に追いついた山内がプッシュを続けるが、嵯峨はこれを押さえきり、ファステストラップもマークする速さを見せて見事トップチェッカー。F3参戦6年目にして、悲願の初優勝を飾った。
 山内が2位。国本は5位に終わった。Nクラスではポールポジションの千代がトップでチェッカーを受けたが、レース後、再スタート時のペースコントロールでペナルティを受けることとなり、2位チェッカーの小林崇志(HFDP RACING)が繰り上がって優勝。タイトルを争っていた蒲生がリタイア、ノーポイントに終わったため、最終戦を待たずして、小林のNクラスタイトルが確定した。

 17日(日)10月としては暖かい天候の下、午前10時38分に第16戦の決勝レース(20周)のスタートが切られた。
 最前列2番手グリッドの国本が好スタートを決め、ポールポジションの山内よりも若干前で2台並んだまま1コーナーへと進入したが、接触の末に共にコースアウトし、リタイアとなってしまった。
 これで3番手スタートの嵯峨が首位に立つと、今度は後続を引き離し、第15戦に続き2連勝。最高の形でシーズンを締め括ることとなった。
 Nクラスでは、前日のクラッシュから、メカニックの懸命の作業で車両を修復した蒲生がポールポジションから好スタート。後続がクラッシュやスピンで脱落していく展開ながら、ファステストラップもマークし、今季のNクラス最多となる8勝目を挙げ、ランキングでは僅か3ポイント差の2位でシーズンを終えることとなった。

リザルト

第15戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
162C-1嵯峨宏紀DENSO Team Le Beausset1427'48.99421'39.497TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
25C-2山内英輝ハナシマレーシング140.34111'39.326TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
312C-3関口雄飛ThreeBond Racing142.65841'39.948THREEBOND NISSAN SR20VE
42C-4アレキサンドレ・インペラトーリTODA RACING146.78251'40.062MUGEN HONDA MF204C
51C-5国本雄資PETRONAS TEAM TOM'S1411.0631'39.710TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
68N-1小林崇志HFDP RACING1417.53391'41.071TOM'S TOYOTA 3S-GE
719N-2黒田吉隆ACHIEVEMENT by KCMG1428.744101'41.628TOM'S TOYOTA 3S-GE
86N-3吉田広樹ハナシマレーシング1430.183141'43.558TOM'S TOYOTA 3S-GE
963N-4千代勝正DENSO Team Le Beausset1445.71361'40.889TOM'S TOYOTA 3S-GE
1022N-5佐々木大樹TEAM NOVA141'03.368111'41.742TOM'S TOYOTA 3S-GE
23N佐藤公哉TEAM NOVA014Laps71'40.953TOM'S TOYOTA 3S-GE
37N蒲生尚弥TOM'S SPIRIT014Laps81'41.057TOM'S TOYOTA 3S-GE
7N三浦和樹HFDP RACING014Laps121'41.997TOM'S TOYOTA 3S-GE
20Nギャリー・トンプソンACHIEVEMENT by KCMG014Laps131'42.193TOM'S TOYOTA 3S-GE
第16戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
162C-1嵯峨宏紀DENSO Team Le Beausset2034'14.68331'39.240TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
212C-2関口雄飛ThreeBond Racing201.73541'39.537THREEBOND NISSAN SR20VE
32C-3アレキサンドレ・インペラトーリTODA RACING2019.80151'39.968MUGEN HONDA MF204C
437N-1蒲生尚弥TOM'S SPIRIT2031.82761'40.350TOM'S TOYOTA 3S-GE
563N-2千代勝正DENSO Team Le Beausset2045.64281'40.540TOM'S TOYOTA 3S-GE
67N-3三浦和樹HFDP RACING2053.277111'41.540TOM'S TOYOTA 3S-GE
720N-4ギャリー・トンプソンACHIEVEMENT by KCMG2053.78131'42.490TOM'S TOYOTA 3S-GE
86N-5吉田広樹ハナシマレーシング201'00.880141'43.027TOM'S TOYOTA 3S-GE
919N-6黒田吉隆ACHIEVEMENT by KCMG182Laps121'42.210TOM'S TOYOTA 3S-GE
23N佐藤公哉TEAM NOVA173Laps91'40.674TOM'S TOYOTA 3S-GE
22N佐々木大樹TEAM NOVA173Laps101'41.059TOM'S TOYOTA 3S-GE
5C山内英輝ハナシマレーシング020Laps11'39.013TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
1C国本雄資PETRONAS TEAM TOM'S020Laps21'39.127TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
8N小林崇志HFDP RACING020Laps71'40.444TOM'S TOYOTA 3S-GE
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1国本雄資TOM'S TOYOTA 1AZ-FE139
2関口雄飛THREEBOND NISSAN SR20VE81
3ラファエル・スズキTOM'S TOYOTA 1AZ-FE78
4嵯峨宏紀TOM'S TOYOTA 1AZ-FE68
6山内英輝TOM'S TOYOTA 1AZ-FE45
7吉田広樹TOM'S TOYOTA 1AZ-FE5
8久保田克昭TOM'S TOYOTA 1AZ-FE4
Nクラス
順位ドライバー名エンジンポイント
1小林崇志TOM'S TOYOTA 3S-GE124
2蒲生尚弥TOM'S TOYOTA 3S-GE121
3千代勝正TOM'S TOYOTA 3S-GE66
4佐藤公哉TOM'S TOYOTA 3S-GE43
5ギャリー トンプソンTOM'S TOYOTA 3S-GE33
6三浦和樹TOM'S TOYOTA 3S-GE31
7佐々木大樹TOM'S TOYOTA 3S-GE29
8黒田吉隆TOM'S TOYOTA 3S-GE18
9吉田広樹TOM'S TOYOTA 3S-GE7
10銘苅翼TOM'S TOYOTA 3S-GE6
11大波肇TOM'S TOYOTA 3S-GE1