2011年6月12日(日)配信

第3戦で関口雄飛、第5戦でTDPドライバー蒲生尚弥がCクラス初優勝!
NクラスでもTDPドライバーの中山雄一が第3戦で初勝利を挙げる


第5戦で全日本F3のCクラス初優勝を飾ったTDPドライバーの蒲生尚弥
 全日本F3選手権の第2大会(第3戦、第4戦、第5戦)が6月11日(土)と12日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。
 フォーミュラ・ニッポンとの併催が多い全日本F3だが、今大会はF3のみの開催。1大会で3レースが行われた。11日(土)に第3戦と第4戦の予選、第3戦の決勝を行い、12日(日)は午前中に第4戦の決勝。第3戦のベストラップ順で第5戦のグリッドを決定し、夕方第5戦決勝というスケジュール。
 今大会には新たに、フォーミュラ・トヨタやフォーミュラ・チャレンジ・ジャパンでのチャンピオン経験を持つ関口雄飛が、B-MAX ENGINEERINGよりTOM'S TOYOTA 1AZ-FEエンジン搭載車両で参戦した。

 11日(土)は朝から強い雨に見舞われ、第3戦の予選はヘビーウェットコンディションでのアタックとなった。
 セッション開始直後にコース上で止まった車両があり、赤旗中断の後、残り8分でセッション再開。開幕戦で勝利を挙げ、第1大会終了時点でランキング首位につける山内英輝(HANASHIMA RACING)が2番手。TDPドライバーの蒲生尚弥(PETRONAS TEAM TOM'S) が3番手。今季初F3レースとなる関口は4番手につけた。NクラスではTDPドライバーの中山雄一(TOM'S SPIRIT)が初のポールポジションを獲得した。
 10分間のインターバルを経て行われた第4戦の予選では、路面状況が徐々に回復していく中で、終盤タイムが塗り替えられていく展開。山内が2戦連続の最前列2番手グリッドを獲得。チェッカーのタイミングで1周多く走行した千代 勝正(NDDP RACING)が、最後にCクラス車両をも上回るタイムをマークしNクラスのポールポジションを獲得。関口がCクラス3番手(総合5番手)、蒲生がクラス4番手(総合6番手)。中山は最後に逆転され、Nクラス3番手で連続ポールポジションはならなかった。

 予選の後、第3戦決勝が行われる午後2時過ぎまでには雨は止み、路面は濡れているものの、ほとんどの車両が回復すると読んでスリックタイヤでコースイン。午後2時9分に15周の決勝レースがスタートした。
 3番手の蒲生が好スタートを切り、トップ4台が入り乱れて第1コーナーへ進入して行ったが、ポールポジションの安田裕信(ThreeBond Racing)が首位をキープし、4番手スタートの関口が2位に浮上。蒲生、山内が続いた。
 関口と安田、蒲生と山内がそれぞれバトルを繰り広げる展開となったが、終盤13周目に安田が1コーナーでコースアウト。これで関口が首位に立ち、そのままトップでチェッカー。今回F3に初参戦するチームに初勝利をもたらすと共に、自身にとっても嬉しいCクラス初優勝を飾った。
 蒲生は3位、安田が4位。これにNクラスの中山が続き、ポール・トゥ・ウィンを成し遂げた中山は、F3にステップアップして3戦目で初優勝を挙げた。

 12日(日)は曇り空ながらドライコンディションで午前10時58分から第4戦の決勝レース(21周)が行われた。
 上位勢はほぼグリッド順での順当なスタートとなったが、1周目終了時のストレートでCクラスの蒲生と関口がNクラスの2台をかわし、山内が2位、蒲生3位、関口4位。前日の第3戦決勝ではタイヤ選択に失敗し総合11位(クラス5位)に終わったリチャード・ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)が5位に浮上してきた。
 中盤に入ると、関口が蒲生を攻め、激しい3位争い。15周目のストレートで関口が蒲生に並びかけると、2台はそのままサイド・バイ・サイドで競り合いを展開。ここまで3位を守っていた蒲生だったが、関口の猛攻に耐えきれず4位に後退。関口が3位に浮上した。
 その後は順位の変動はなく、山内が2位、関口3位、蒲生が4位、ブラッドレー5位でフィニッシュ。
 Nクラスでは千代がポールポジションからトップを守り、第2戦に続き今季2勝目。第3戦で初勝利を挙げた中山は5位に終わった。

 午後4時43分、第3戦のベストラップ順グリッドで第5戦決勝レース(21周)がスタート。3番手グリッドの蒲生が好スタートを切りトップに浮上。ポールポジションの関口が2位、7番手スタートの山内が3位へとジャンプアップを果たした。
 首位の蒲生がハイペースで後続との差を広げていく一方で、3位の山内は追いすがる安田との激しいバトルを展開。山内は何とかポジションを守り続けていたが、16周目に惜しくも安田の先行を許してしまった。
 蒲生は2位以下に一時は5秒以上もの大差をつけ独走。ファイナルラップはペースを落としたものの、それでも4秒もの差をつけてトップでチェッカー。Cクラスにステップアップして5戦目で、待望の初勝利を飾った。
 関口が2位、山内が4位、ブラッドレーが5位でチェッカーを受けたが、レース後にスタート直後の関口の行為に対しライバルチームより抗議が出され、これが受理されたことにより関口は60秒のペナルティを科され、総合12位(クラス6位)に降格。3位以下の順位が一つずつ繰り上がることとなった。
 Nクラスではポールポジションスタートの野尻 智紀(HFDP RACING)が開幕戦に続く今季2勝目を挙げた。中山はレースを通して3位争いを繰り広げたが逆転は叶わず、4位に終わった。

リザルト

第3戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 50 C-1 関口 雄飛 B-MAX ENGINEERING 15 26'04.069 4 1'54.588 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
2 12 C-2 安田 裕信 ThreeBond Racing 15 3.407 1 1'52.941 THREEBOND NISSAN SR20VE
3 1 C-3 蒲生 尚弥 PETRONAS TEAM TOM'S 15 12.444 3 1'54.553 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
4 5 C-4 山内 英輝 HANASHIMA RACING 15 19.138 2 1'53.319 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
5 37 N-1 中山 雄一 TOM'S SPIRIT 15 21.177 5 1'55.008 TOM'S TOYOTA 3S-GE
6 8 N-2 野尻 智紀 HFDP RACING 15 28.157 8 1'55.943 TOM'S TOYOTA 3S-GE
7 23 N-3 千代 勝正 NDDP RACING 15 33.954 6 1'55.015 TOM'S TOYOTA 3S-GE
8 7 N-4 三浦 和樹 HFDP RACING 15 36.157 9 1'56.065 TOM'S TOYOTA 3S-GE
9 22 N-5 佐々木 大樹 NDDP RACING 15 42.075 11 1'57.194 TOM'S TOYOTA 3S-GE
10 20 N-6 ギャリー・ トンプソン SGC by KCMG 15 45.283 7 1'55.795 TOM'S TOYOTA 3S-GE
11 36 C-5 リチャード・ ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 15 1'11.722 10 1'56.796 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
12 19 C-6 西本 直樹 SGC by KCMG 15 1'15.979 12 1'57.195 TOM'S TOYOTA 3S-GE
13 77 N-7 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 14 1Lap 13 2'01.515 TOM'S TOYOTA 3S-GE
14 6 N-8 石川 資章 HANASHIMA RACING 14 1Lap TOM'S TOYOTA 3S-GE
第4戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 12 C-1 安田 裕信 ThreeBond Racing 21 34'12.453 1 1'51.948 THREEBOND NISSAN SR20VE
2 5 C-2 山内 英輝 HANASHIMA RACING 21 3.868 2 1'52.537 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
3 50 C-3 関口 雄飛 B-MAX ENGINEERING 21 5.329 5 1'53.116 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
4 1 C-4 蒲生 尚弥 PETRONAS TEAM TOM'S 21 7.789 6 1'53.570 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
5 36 C-5 リチャード・ ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 21 10.684 7 1'53.579 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
6 19 C-6 西本 直樹 SGC by KCMG 21 28.522 12 1'55.132 TOM'S TOYOTA 3S-GE
7 23 N-1 千代 勝正 NDDP RACING 21 36.709 3 1'52.938 TOM'S TOYOTA 3S-GE
8 8 N-2 野尻 智紀 HFDP RACING 21 37.928 10 1'53.833 TOM'S TOYOTA 3S-GE
9 20 N-3 ギャリー・ トンプソン SGC by KCMG 21 41.969 4 1'53.101 TOM'S TOYOTA 3S-GE
10 7 N-4 三浦 和樹 HFDP RACING 21 48.77 9 1'53.687 TOM'S TOYOTA 3S-GE
11 37 N-5 中山 雄一 TOM'S SPIRIT 21 49.145 8 1'53.634 TOM'S TOYOTA 3S-GE
12 22 N-6 佐々木 大樹 NDDP RACING 21 51.034 11 1'54.788 TOM'S TOYOTA 3S-GE
13 77 N-7 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 21 1'21.739 13 1'58.014 TOM'S TOYOTA 3S-GE
14 6 N-8 石川 資章 HANASHIMA RACING 21 1'27.908 14 2'01.652 TOM'S TOYOTA 3S-GE
第5戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 1 C-1 蒲生 尚弥 PETRONAS TEAM TOM'S 21 33'56.068 3 1'40.184 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
2 12 C-2 安田 裕信 ThreeBond Racing 21 6.633 2 1'40.181 THREEBOND NISSAN SR20VE
3 5 C-3 山内 英輝 HANASHIMA RACING 21 8.338 7 1'41.016 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
4 36 C-4 リチャード・ ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 21 11.673 13 1'46.752 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
5 8 N-1 野尻 智紀 HFDP RACING 21 31.315 4 1'40.602 TOM'S TOYOTA 3S-GE
6 20 N-2 ギャリー・ トンプソン SGC by KCMG 21 33.641 10 1'42.696 TOM'S TOYOTA 3S-GE
7 23 N-3 千代 勝正 NDDP RACING 21 37.463 8 1'41.615 TOM'S TOYOTA 3S-GE
8 37 N-4 中山 雄一 TOM'S SPIRIT 21 38.498 6 1'40.952 TOM'S TOYOTA 3S-GE
9 19 C-5 西本 直樹 SGC by KCMG 21 40.52 12 1'46.611 TOM'S TOYOTA 3S-GE
10 22 N-5 佐々木 大樹 NDDP RACING 21 48.176 9 1'42.021 TOM'S TOYOTA 3S-GE
11 7 N-6 三浦 和樹 HFDP RACING 21 49.478 5 1'40.647 TOM'S TOYOTA 3S-GE
12 50 C-6 関口 雄飛 B-MAX ENGINEERING 21 1'04.501 1 1'39.922 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
13 77 N-7 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 21 1'11.386 11 1'46.564 TOM'S TOYOTA 3S-GE
14 6 N-8 石川 資章 HANASHIMA RACING 20 1Lap 14 1'49.164 TOM'S TOYOTA 3S-GE
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 安田 裕信 THREEBOND NISSAN SR20VE 40
2 山内 英輝 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 35
3 蒲生 尚弥 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 30
4 関口雄飛 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 18
5 リチャード・ブラッドレー TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 15
6 西本 直樹 TOM'S TOYOTA 3S-GE 9
Nクラス
順位ドライバー名エンジンポイント
1 野尻 智紀 TOM'S TOYOTA 3S-GE 44
2 千代 勝正 TOM'S TOYOTA 3S-GE 33
3 ギャリー・トンプソン TOM'S TOYOTA 3S-GE 23
4 中山 雄一 TOM'S TOYOTA 3S-GE 21
5 佐々木 大樹 TOM'S TOYOTA 3S-GE 15
6 三浦 和樹 TOM'S TOYOTA 3S-GE 12
7 石川 資章 TOM'S TOYOTA 3S-GE 1