2011年9月26日(月)配信

関口雄飛が最終戦で大逆転シリーズタイトル獲得


最終戦の大逆転で念願のタイトルを獲得した関口雄飛とチームクルー
 全日本F3選手権の今季最終大会となる第7大会(第14戦、第15戦、第16戦)が9月24日(土)と25日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
 前大会が悪天候により中止となったため、全日本F3は今大会の3レースをもってタイトルが決定されることとなった。とはいえ、Cクラス、Nクラス共にタイトル争いは混沌としており、最後の最後まで全く気の抜けないレースが繰り広げられた。

 23日(金)の占有走行を経て、24日(土)の午前11時45分より10分間の予選が開始。
 第14戦の予選では、最初のアタックに入ったTDPドライバーの蒲生尚弥(PETRONAS TEAM TOM'S)がS時でコースオフを喫してストップしたため、セッションは赤旗中断。残り3分でセッションが再開されると、逆転でのタイトル獲得を狙う山内英輝(HANASHIMA RACING)がトップタイムをマークしポールポジションを獲得。リチャード・ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)が3番手。1周しかタイム計測のできなかった蒲生は総合12番手。やはり逆転タイトルを狙う関口雄飛(B-MAX ENGINEERING)も、赤旗中断によりアタックのタイミングを逃し、総合11番手に沈んだ。
 赤旗中断の影響もあり、予定よりも若干遅れて開始された第15戦の予選では、関口と山内によるトップ争いとなったが、関口がポールポジションを獲得。山内も最前列2番手を確保した。第14戦の予選でコースオフを喫した蒲生は出走できず、最後列スタート。
 Nクラスでは、第14戦が千代勝正(NDDP RACING)、第15戦は野尻智紀(HFDP RACING)がそれぞれポールポジションを獲得。ランキング首位の野尻と5ポイント差でこの最終大会に臨み、逆転でのタイトル獲得を狙うTDPドライバーの中山雄一(TOM'S SPIRIT)は、第14戦は千代、野尻に続く3番手、第15戦は千代を後ろに従えた2番手スタートとなった。
 なお、第16戦のスターティンググリッドは第14戦決勝でのベストラップによって決定される。

 午後3時37分、好天の下で第14戦の決勝レース(18周)がスタート。ポールポジションの山内はスタートを決めると、3番手スタートのブラッドレーがランキング首位で2番手スタートの安田裕信(ThreeBond Racing)をかわし、2位に浮上。山内は後続との差を広げていき、独走態勢となった。
 一方、後方スタートの蒲生は、第16戦のグリッドを決定するベストラップを狙って序盤ピットインしタイヤを交換したが、タイムアップは果たせず。
 2位につけていたブラッドレーは、14周目にコースアウト。これで安田が2位に浮上し、後方スタートから追い上げた関口が3位に浮上。そのままの順位でフィニッシュとなり、今大会人気モータースポーツ漫画のスペシャルカラーリングをまとった車両で出場した山内が、ポール・トゥ・フィニッシュ。安田、関口の順でのチェッカーを受けた。今季2勝目を挙げた山内だったが、安田が2位に入ったため、残り2戦でのタイトル争いは関口と安田の2台に絞られることとなった。
 Nクラスでは千代がポール・トゥ・ウィン。中山が2位で続き、ランキング首位の野尻が4位に終わったため、野尻と中山の差がわずか1点、千代が8点差と更にポイント差は小さくなった。

 第15戦の決勝レース(25周)は明けて25日(日)の午前8時半にスタート。ポールポジションの関口が好スタートを切る一方で、スタートで3位に落ちた山内が、2コーナーで前を行く安田と接触、安田はスピンを喫し、最後尾へと後退。
 山内はこの接触でドライブスルーペナルティを受けることとなりポジションダウン。後続に大差をつけた関口が逃げ切り、ポール・トゥ・ウィン。2位にブラッドレー、3位に蒲生が続いた。安田はクラス5位に終わり、タイトル争いは、その差を大きく縮めて最終戦で決されることとなった。
 Nクラスでは、好スタートでクラストップに立った中山が、直前で発生したCクラスの混乱を避けきれず接触。フロントウィングを破損した中山はピットイン。野尻もこの混乱に巻き込まれるという大波乱となった。
 この混乱を上手くかわした佐々木大樹(NDDP RACING)が首位に立つと、そのまま逃げ切り、F3での初優勝。2位に千代が入り、野尻は3位。中山はピットでの修復後コースに戻ったが、コースアウトを喫し、無念のリタイア。最終戦はランキング首位の野尻を、中山と千代が8点差で追うという状況で迎えることとなった。

 第15戦に続き、午後0時35分から第16戦(25周)がスタート。ポールポジションの関口は若干出遅れたものの首位をキープ。その後方には、3番手スタートの蒲生が1コーナーで山内をアウトからかわして2位浮上。
 その後は逃げる関口を蒲生が追う展開。ファステストラップをマークし、離されずについて行った蒲生は、最後にはテール・トゥ・ノーズまで迫ったが、逆転には至らず、2位でフィニッシュ。関口は今季6勝目を挙げ、安田が4位に終わったため、見事最終戦での逆転チャンピオン獲得を果たした。
 Nクラスではクラス4番手グリッドの千代が、1周目に首位を奪うと、そのまま逃げ切って今季5勝目。第15戦で初勝利を挙げた佐々木が2位、中山は3位。野尻が4位で続き、シリーズタイトルは野尻と千代が同点で並ぶこととなったが、年間勝利数で勝った千代が逆転でのタイトルを獲得した。

リザルト

第14戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 5 C-1 山内 英輝 HANASHIMA RACING 18 22'54.448 1 1'15.300 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
2 12 C-2 安田 裕信 ThreeBond Racing 18 10.096 2 1'15.756 THREEBOND NISSAN SR20VE
3 50 C-3 関口 雄飛 B-MAX ENGINEERING 18 12.386 11 1'18.508 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
4 23 N-1 千代 勝正 NDDP RACING 18 31.561 4 1'16.600 TOM'S TOYOTA 3S-GE
5 37 N-2 中山 雄一 TOM'S SPIRIT 18 35.896 7 1'17.014 TOM'S TOYOTA 3S-GE
6 20 N-3 ギャリー・ トンプソン SGC by KCMG 18 36.907 9 1'17.107 TOM'S TOYOTA 3S-GE
7 8 N-4 野尻 智紀 HFDP RACING 18 38.25 6 1'16.991 TOM'S TOYOTA 3S-GE
8 22 N-5 佐々木 大樹 NDDP RACING 18 40.841 8 1'17.077 TOM'S TOYOTA 3S-GE
9 7 N-6 三浦 和樹 HFDP RACING 18 45.952 14 1'22.452 TOM'S TOYOTA 3S-GE
10 6 N-7 小泉 洋史 HANASHIMA RACING 18 1'08.501 10 1'17.874 TOM'S TOYOTA 3S-GE
11 77 N-8 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 17 1 Lap 13 1'20.682 TOM'S TOYOTA 3S-GE
12 36 C-4 リチャード・ ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 17 1 Lap 3 1'16.036 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
13 1 C-5 蒲生 尚弥 PETRONAS TEAM TOM'S 17 1 Lap 12 1'19.254 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
14 19 C-6 マシュー・ホーソン SGC by KCMG 16 2 Laps 5 1'16.949 TOM'S TOYOTA 3S-GE
第15戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 50 C-1 関口 雄飛 B-MAX ENGINEERING 25 31'58.646 1 1'14.954 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
2 36 C-2 リチャード・ ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 25 10.42 4 1'15.643 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
3 1 C-3 蒲生 尚弥 PETRONAS TEAM TOM'S 25 11.059 出走せず TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
4 5 C-4 山内 英輝 HANASHIMA RACING 25 23.013 2 1'15.075 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
5 22 N-1 佐々木 大樹 NDDP RACING 25 34.028 9 1'16.577 TOM'S TOYOTA 3S-GE
6 23 N-2 千代 勝正 NDDP RACING 25 34.566 8 1'16.549 TOM'S TOYOTA 3S-GE
7 12 C-5 安田 裕信 ThreeBond Racing 25 37.175 3 1'15.580 THREEBOND NISSAN SR20VE
8 8 N-3 野尻 智紀 HFDP RACING 25 41.657 5 1'16.448 TOM'S TOYOTA 3S-GE
9 7 N-4 三浦 和樹 HFDP RACING 25 48.472 出走せず TOM'S TOYOTA 3S-GE
10 77 N-5 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 24 1 Lap 12 1'18.820 TOM'S TOYOTA 3S-GE
11 6 N-6 小泉 洋史 HANASHIMA RACING 24 1 Lap 11 1'17.938 TOM'S TOYOTA 3S-GE
r1 20 N ギャリー・ トンプソン SGC by KCMG 12 13 Laps 10 1'16.680 TOM'S TOYOTA 3S-GE
r2 37 N 中山 雄一 TOM'S SPIRIT 3 22 Laps 7 1'16.544 TOM'S TOYOTA 3S-GE
r3 19 C マシュー・ホーソン SGC by KCMG 1 24 Laps 6 1'16.524 TOM'S TOYOTA 3S-GE
第16戦
順位No.クラス/順位ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 50 C-1 関口 雄飛 B-MAX ENGINEERING 25 32'14.033 1 1'15.225 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
2 1 C-2 蒲生 尚弥 PETRONAS TEAM TOM'S 25 0.183 3 1'15.357 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
3 5 C-3 山内 英輝 HANASHIMA RACING 25 2.931 2 1'15.288 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
4 12 C-4 安田 裕信 ThreeBond Racing 25 4.854 4 1'15.661 THREEBOND NISSAN SR20VE
5 36 C-5 リチャード・ ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 25 17.802 5 1'15.988 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE
6 19 C-6 マシュー・ホーソン SGC by KCMG 25 23.614 7 1'16.767 TOM'S TOYOTA 3S-GE
7 23 N-1 千代 勝正 NDDP RACING 25 25.786 10 1'17.081 TOM'S TOYOTA 3S-GE
8 22 N-2 佐々木 大樹 NDDP RACING 25 30.358 6 1'16.699 TOM'S TOYOTA 3S-GE
9 37 N-3 中山 雄一 TOM'S SPIRIT 25 32.129 12 1'17.500 TOM'S TOYOTA 3S-GE
10 8 N-4 野尻 智紀 HFDP RACING 25 37.742 8 1'16.870 TOM'S TOYOTA 3S-GE
11 7 N-5 三浦 和樹 HFDP RACING 25 39.4 11 1'17.424 TOM'S TOYOTA 3S-GE
12 20 N-6 ギャリー・ トンプソン SGC by KCMG 25 40.655 9 1'16.891 TOM'S TOYOTA 3S-GE
13 6 N-7 小泉 洋史 HANASHIMA RACING 24 1 Lap 13 1'18.332 TOM'S TOYOTA 3S-GE
14 77 N-8 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 24 1 Lap 14 1'19.332 TOM'S TOYOTA 3S-GE
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 関口雄飛 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 100
2 安田 裕信 THREEBOND NISSAN SR20VE 99
3 山内 英輝 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 79
4 蒲生 尚弥 TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 71
5 リチャード・ブラッドレー TOM'S TOYOTA 1AZ-FE 36
6 西本 直樹 TOM'S TOYOTA 3S-GE 17
7 マシュー・ホーソン TOM'S TOYOTA 3S-GE 7
Nクラス
順位ドライバー名エンジンポイント
1 千代 勝正 TOM'S TOYOTA 3S-GE 89
2 野尻 智紀 TOM'S TOYOTA 3S-GE 89
3 中山 雄一 TOM'S TOYOTA 3S-GE 83
4 佐々木 大樹 TOM'S TOYOTA 3S-GE 58
5 ギャリー・トンプソン TOM'S TOYOTA 3S-GE 52
6 三浦 和樹 TOM'S TOYOTA 3S-GE 41
7 野呂立 TOM'S TOYOTA 3S-GE 3
8 石川 資章 TOM'S TOYOTA 3S-GE 2
9 小泉 洋史 TOM'S TOYOTA 3S-GE 1