2012年4月16日(月)配信

18歳のルーキー平川亮がデビュー戦2連勝!


F3デビュー戦で見事初勝利を挙げた平川亮(中央)、
首位を走りながらトラブルで2位となった山内英輝(左)
 全日本F3選手権の第1大会(第1戦、第2戦)が4月14日(土)と15日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
 今季の同シリーズは、昨年までのCクラス、Nクラスと選手権を分けるのではなく、参戦する全ドライバーが全日本F3選手権のドライバーズタイトルを争うシステムに変更。ただし、TOYOTA TOM'S 3S-GEエンジンを搭載するNクラス車両は、別途制定されたF3Nクラスの選手権も争うこととなった。
 トヨタは今レース、TOYOTA 1AZ-FEエンジンを3チーム4台に供給。Nクラスの7台は全てTOYOTA TOM'S 3S-GEエンジンを搭載する。

 13日(金)に行われた占有走行は暖かく、好天に恵まれたが、予選の行われた14日(土)は雨に見舞われ、ウェットコンディションで予定よりも10分遅れの午前10時半より開始された。
 わずか10分間のセッションのため、全車当初からフルアタック。昨年シリーズ3勝を挙げ、ランキング3位となった山内英輝(B-MAX ENGINNERING)が第1戦のポールポジションを獲得。前週行われたフォーミュラ・チャレンジ・ジャパン(FCJ)で2戦連続勝利を挙げ、今大会F3デビューとなった18歳のルーキー、平川亮(RSS)が終盤素晴らしい走りでタイムアップを果たし、デビュー戦で最前列グリッドとなる2番手タイムをマーク。3番手にはTDPドライバーの中山雄一(PETRONAS TEAM TOM'S)が続いた。
 10分間のインターバルを経て、ウェットのまま行われた第2戦予選では、平川が2番手に1秒以上の大差を付ける好タイムで初ポールポジションを獲得。2番手に山内、中山が4番手。第1戦6番手のリチャード・ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)は第2戦5番手につけた。
 Nクラスでは、佐々木大樹(NDDP RACING)が2戦共に最上位グリッド。昨年FCJでチャンピオンを獲得し、今季TDPドライバーとして全日本F3にステップアップを果たした勝田貴元(TOM'S SPIRIT)は第1戦クラス3番手、第2戦クラス4番手となった。

 予選の後、雨は止み天候も回復。F3の予選後行われたフォーミュラ・ニッポン予選の間に路面はドライコンディションとなり、第1戦決勝(12周)は午後3時38分にスタートした。
 ポールポジションの山内がトップを守る一方で、2番手グリッドの平川は若干出遅れ、3番手から好スタートを切った中山がこれをかわして2位に浮上。中山は1コーナー進入で山内に並びかけるも逆転には至らず。後方では、6番手スタートのブラッドレーがエンジンストールを喫して最後尾へ後退。
 Nクラスは2位争いのバトルの中、1周目のスプーンコーナー入り口でギャリー・トンプソン(SGC BY KCMG)と勝田が接触。2台はコースアウトし、リタイアとなってしまった。
 その後は首位を逃げる山内を、中山と平川が追う展開が続いたが、10周目に中山がトラブルに見舞われコース脇にストップ。平川は2位へ浮上し、首位の山内との差を詰めていった。
 既に残り周回は2周と少なく、その順位のままチェッカーかと思われたが、ファイナルラップのスプーンコーナー立ち上がりで、山内が突然スローダウン。これをかわした平川が、全日本F3では2004年の中嶋一貴以来となる、デビュー戦での勝利を飾った。トラブルに見舞われながらも何とかチェッカーを受け、その直後にコース上にストップした山内が2位。最後尾から追い上げたブラッドレーも終盤トラブルでスローダウンを喫したが5位。Nクラスの佐々木が総合でも4位に入り、クラス優勝を飾った。

 15日(日)好天の下、午前10時23分に第2戦決勝(17周)がスタート。ポールポジションの平川は、今度はスタートを決めトップをキープ。一方で2番手スタートの山内と、その後方4番手グリッドの中山が遅れ、5番手グリッドから好ダッシュを決めたブラッドレーがこの2台をかわして3位へ浮上。2位の野尻智紀(HFDP RACING)を追った。
 ブラッドレーと野尻の2位争い、そしてその後方で山内を追う中山らが4位争いを繰り広げる一方で、首位を行く平川は安定したペースで2位以下との差を着々と広げていった。
 毎周のように野尻にアタックを仕掛けたブラッドレーが、14周目のシケイン進入でインをつくと、野尻はコースオフ。そのままショートカットした野尻が一旦前に出たが、続くメインストレートでブラッドレーが野尻をかわし、2位へ浮上。
 首位を独走した平川は2位に15秒もの大差を付けポール・トゥ・ウィン。F3デビューのルーキーながら、開幕から2連勝を飾った。2位にブラッドレー。最後までバトルを繰り広げた山内と中山が4位、5位。Nクラスの佐々木がこれに続く総合6位、クラス優勝で2戦連続ポール・トゥ・ウィン。勝田はクラス3位でF3初の表彰台に上った。

リザルト

第1戦
順位No.F3-Nクラスドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 4 平川亮 RSS 12 23'02.491 2 2'07.016 TOYOTA 1AZ-FE
2 1 山内英輝 B-MAX ENGINNERING 12 1.809 1 2'06.682 TOYOTA 1AZ-FE
3 8 野尻智紀 HFDP RACING 12 4.631 4 2'07.316 HONDA MF204C
4 23 N-1 佐々木大樹 NDDP RACING 12 12.557 5 2'08.132 TOYOTA TOM'S 3S-GE
5 37 リチャード・ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 12 14.045 6 2'08.135 TOYOTA 1AZ-FE
6 2 ラファエル・スズキ TODA RACING 12 16.359 9 2'09.388 HONDA MF204C
7 7 N-2 平峰一貴 HFDP RACING 12 16.807 7 2'08.872 TOYOTA TOM'S 3S-GE
8 77 N-3 阪口良平 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 12 35.084 11 2'11.118 TOYOTA TOM'S 3S-GE
9 13 N-4 吉田基良 B-MAX ENGINNERING 12 1'29.700 13 2'16.279 TOYOTA TOM'S 3S-GE
10 3 島田龍吾 CFR 12 1'30.342 14 2'19.613 Mercedes M271.F3
36 中山雄一 PETRONAS TEAM TOM'S 9 3Laps 3 2'07.184 TOYOTA 1AZ-FE
6 N 小泉洋史 ハナシマレーシング 1 11Laps 12 2'12.911 TOYOTA TOM'S 3S-GE
35 N 勝田貴元 TOM'S SPIRIT 0 12Laps 8 2'09.179 TOYOTA TOM'S 3S-GE
20 N ギャリー・トンプソン SGC BY KCMG 0 12Laps 10 2'09.730 TOYOTA TOM'S 3S-GE
第2戦
順位No.F3-Nクラスドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 4 平川亮 RSS 17 32'48.528 1 2'05.493 TOYOTA 1AZ-FE
2 37 リチャード・ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 17 15.672 5 2'07.415 TOYOTA 1AZ-FE
3 8 野尻智紀 HFDP RACING 17 17.249 3 2'07.072 HONDA MF204C
4 1 山内英輝 B-MAX ENGINNERING 17 18.961 2 2'06.698 TOYOTA 1AZ-FE
5 36 中山雄一 PETRONAS TEAM TOM'S 17 20.116 4 2'07.273 TOYOTA 1AZ-FE
6 23 N-1 佐々木大樹 NDDP RACING 17 24.58 6 2'07.609 TOYOTA TOM'S 3S-GE
7 7 N-2 平峰一貴 HFDP RACING 17 25.243 7 2'07.694 TOYOTA TOM'S 3S-GE
8 2 ラファエル・スズキ TODA RACING 17 32.135 10 2'08.773 HONDA MF204C
9 35 N-3 勝田貴元 TOM'S SPIRIT 17 41.822 9 2'08.121 TOYOTA TOM'S 3S-GE
10 20 N-4 ギャリー・トンプソン SGC BY KCMG 17 53.489 8 2'07.730 TOYOTA TOM'S 3S-GE
11 6 N-5 小泉洋史 ハナシマレーシング 17 53.947 12 2'10.327 TOYOTA TOM'S 3S-GE
12 77 N-6 阪口良平 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 17 59.399 11 2'09.381 TOYOTA TOM'S 3S-GE
13 3 島田龍吾 CFR 17 1'48.374 14 2'14.671 Mercedes M271.F3
14 13 N-7 吉田基良 B-MAX ENGINNERING 17 1'59.065 13 2'13.839 TOYOTA TOM'S 3S-GE
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 平川亮 TOYOTA 1AZ-FE 22
2 山内英輝 TOYOTA 1AZ-FE 11
3 野尻智紀 HONDA MF204C 10
3 リチャード・ブラッドレー TOYOTA 1AZ-FE 10
5 佐々木大樹 TOYOTA TOM'S 3S-GE 4
6 中山雄一 TOYOTA 1AZ-FE 2
Nクラス
順位ドライバー名ポイント
1 佐々木大樹 24
2 平峰一貴 14
3 阪口良平 6
4 勝田貴元 5
5 吉田基良 3
5 ギャリー・トンプソン 3
7 小泉洋史 2