2012年9月24日(月)配信

平川亮が2012年のシリーズタイトル決定!
中山雄一が3レース完全制覇
第13戦Nクラスで勝田貴元がF3初優勝


第12戦、平川亮(右)が3位に入り、今季のシリーズタイトルを獲得。
中山雄一(中央)は今大会3レースの完全制覇を果たした。
リチャード・ブラッドレー(左)が2位に入りトヨタ勢が表彰台を独占
 全日本F3選手権の第7大会(第11戦、第12戦、第13戦)が9月22日(土)と23日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
 今季の全日本F3では、ルーキーの平川亮(RSS)が開幕の2連勝から、ここまでの10戦で7勝、2位3回と圧倒的な強さを見せており、今大会、平川が2ポイントを獲得すれば最終戦を待たずしてタイトルが決定する。平川のタイトル決定及び、ライバル勢の逆襲に注目が集まる大会となった。
 今大会は今季唯一の1大会3戦実施。第11戦と第12戦の予選、第11戦決勝を22日(土)に行い、23日は第12戦と第13戦決勝をダブルヘッダーで実施。第13戦のスターティンググリッドは第11戦の決勝結果で決定される。
 今季の同シリーズには、CクラスにTOM'S TOYOTA 1AZ-FEエンジン搭載車両が4台出場、Nクラスは参戦車両8台全てがTOM'S TOYOTA 3S-GEエンジンを使用している。

 22日(土)は好天に恵まれ、午前10時15分から10分のインターバルを挟んで10分ずつ、第11戦と第12戦の予選が行われた。今季はまだ中山雄一(PETRONAS TEAM TOM'S)の1勝のみと苦しんできたトムス勢が今大会は好調ぶりを見せ、第11戦、第12戦共に中山がポールポジション。チームメイトのリチャード・ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)が2番手で最前列を独占。第11戦は2番手のブラッドレーに僅か1000分の1秒という僅差につけた山内英輝(B-MAX ENGINNERING)が2戦共に3番手。平川は2戦共に今季ワーストグリッドとなる5番手からのスタートとなった。
 Nクラスでは佐々木大樹(NDDP RACING)が2戦共にポールポジション。勝田貴元(TOM'S SPIRIT)は第11戦クラス4番手、第12戦はクラス2番手につけた。

 午後3時22分、18周で争われる第11戦決勝がスタート。ポールポジションの中山はスタートを決めトップをキープ。2番手、3番手スタートのブラッドレーと山内も順位を守った。
 5番手スタートの平川はラファエル・スズキ(TODA RACING)の先行を許し、6位後退。それでもその順位のままチェッカーを受ければタイトル確定という状況だったが、スズキを攻めた平川は、16周目にスピン。バリアにクラッシュし、ノーポイントでレースを終えることに。タイトル決定は翌日以降に持ち越された。
 首位を逃げる中山は、2位以降との差を徐々に広げていき、ファステストラップもマーク。最後は2位に5秒以上の大差を付けて独走で今季2勝目を挙げた。2位はブラッドレー、3位に山内が入った。
 Nクラスでは、佐々木がポール・トゥ・ウィンで今季6勝目。勝田はクラス4位でフィニッシュした。

 23日(日)は2レース行われるため、第12戦(25周)は午前8時と早い時間にスタートが切られた。
 雨との予報だったもののコースインの時点ではまだ雨は降っておらず、全車スリックタイヤでスタート。ポールポジションの中山と2番手のブラッドレーが順当に順位を守る後方で、5番手グリッドの平川が好スタートを切り、3位に浮上した。
 前日同様に中山が2位以下を引き離して行く展開となったが、15周を過ぎたあたりで雨が降り始め、ブラッドレーがペースダウン。これに追い着いた平川がブラッドレー攻略を試みたが逆転は叶わず。
 2位に13秒もの差をつけた中山が前日に続き2連勝。ブラッドレーが2位。平川はブラッドレー逆転はならなかったものの3位表彰台を獲得し、見事2012年の全日本F3チャンピオンを決めた。
 Nクラスでは佐々木がポールポジションから逃げ、トップチェッカー。第8戦から5連勝となる今季7勝目を挙げた。クラス2番手スタートの勝田は2位に入った。

 第13戦(25周)は本格的な雨に見舞われ、完全なウェットコンディションで午後1時5分にスタート。ポールポジションの中山はこのレースでもスタートを決め、首位をキープ。一方で、2番手グリッドのブラッドレーがスタートで遅れ、4位に後退。3番手スタートの山内が2位に浮上した。
 水煙の舞い上がるコースで、首位に立った中山はこの日も快走。2位以下との差を広げていった。
 第11戦でリタイアしたため、最後尾スタートとなった平川は、スタートの混乱を抜け10位に浮上すると、更に前走車をかわしていき、8周目には7位までポジションアップ。しかし、13周目、Nクラスの車両をパスした直後にスピンを喫しコースアウト。今季2度目のリタイアとなってしまった。
 中山はこのレースでもファステストラップをマークし、2位に14秒差をつけてトップチェッカー。SUGO大会の3戦全てでポール・トゥ・ウィン&ファステストラップの完全勝利を飾った。2位には山内が入った。
 Nクラスでは、ポールポジションの佐々木が1コーナーから2コーナーに向かうところで後続に追突されスピンし、大きく後退。クラス4番手スタートの勝田は2位に浮上し、首位の平峰一貴(HFDP RACING)を追撃。残り5周で平峰を逆転した勝田が、待望のF3初優勝を飾った。

リザルト

第11戦
順位No.F3-Nクラスドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 36 中山 雄一 PETRONAS TEAM TOM'S 18 23'12.764 1 1'15.821 TOYOTA 1AZ-FE
2 37 リチャード・ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 18 5.092 2 1'15.898 TOYOTA 1AZ-FE
3 1 山内 英輝 B-MAX ENGINNERING 18 6.184 3 1'15.899 TOYOTA 1AZ-FE
4 2 ラファエル・スズキ TODA RACING 18 17.11 7 1'16.902 HONDA MF204C
5 23 N-1 佐々木 大樹 NDDP RACING 18 18.179 6 1'16.691 TOYOTA TOM'S 3S-GE
6 7 N-2 平峰 一貴 HFDP RACING 18 20.399 8 1'17.026 TOYOTA TOM'S 3S-GE
7 20 N-3 ギャリー・トンプソン SGC BY KCMG 18 22.413 9 1'17.081 TOYOTA TOM'S 3S-GE
8 35 N-4 勝田 貴元 TOM'S SPIRIT 18 23.373 10 1'17.245 TOYOTA TOM'S 3S-GE
9 8 野尻 智紀 HFDP RACING 18 33.745 4 1'16.265 HONDA MF204C
10 19 N-5 マシュー・ホーソン SGC BY KCMG 18 42.38 11 1'17.254 TOYOTA TOM'S 3S-GE
11 6 N-6 小泉 洋史 ハナシマレーシング 18 49.947 12 1'18.402 TOYOTA TOM'S 3S-GE
12 77 N-7 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 18 1'21.997 14 1'20.741 TOYOTA TOM'S 3S-GE
13 13 N-8 吉田 基良 B-MAX ENGINNERING 17 1 Lap 13 1'19.862 TOYOTA TOM'S 3S-GE
4 平川 亮 RSS 15 3 Laps 5 1'16.294 TOYOTA 1AZ-FE
第12戦
順位No.F3-Nクラスドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 36 中山 雄一 PETRONAS TEAM TOM'S 25 32'51.773 1 1'15.473 TOYOTA 1AZ-FE
2 37 リチャード・ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 25 13.439 2 1'15.652 TOYOTA 1AZ-FE
3 4 平川 亮 RSS 25 13.966 5 1'16.196 TOYOTA 1AZ-FE
4 1 山内 英輝 B-MAX ENGINNERING 25 17.639 3 1'15.928 TOYOTA 1AZ-FE
5 8 野尻 智紀 HFDP RACING 25 31.993 6 1'16.341 HONDA MF204C
6 23 N-1 佐々木 大樹 NDDP RACING 25 40.04 4 1'16.164 TOYOTA TOM'S 3S-GE
7 35 N-2 勝田 貴元 TOM'S SPIRIT 25 41.82 7 1'16.601 TOYOTA TOM'S 3S-GE
8 7 N-3 平峰 一貴 HFDP RACING 25 44.293 9 1'16.786 TOYOTA TOM'S 3S-GE
9 2 ラファエル・スズキ TODA RACING 25 45.567 8 1'16.637 HONDA MF204C
10 19 N-4 マシュー・ホーソン SGC BY KCMG 25 47.629 11 1'17.304 TOYOTA TOM'S 3S-GE
11 6 N-5 小泉 洋史 ハナシマレーシング 25 1'03.756 12 1'17.858 TOYOTA TOM'S 3S-GE
12 77 N-6 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 24 1 Lap 14 1'20.173 TOYOTA TOM'S 3S-GE
13 N 吉田 基良 B-MAX ENGINNERING 9 16 Laps 13 1'20.055 TOYOTA TOM'S 3S-GE
20 N ギャリー・トンプソン SGC BY KCMG 4 21 Laps 10 1'16.950 TOYOTA TOM'S 3S-GE
第13戦
順位No.F3-Nクラスドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 36 中山 雄一 PETRONAS TEAM TOM'S 25 39'21.936 1 TOYOTA 1AZ-FE
2 1 山内 英輝 B-MAX ENGINNERING 25 14.287 3 TOYOTA 1AZ-FE
3 2 ラファエル・スズキ TODA RACING 25 26.493 4 HONDA MF204C
4 35 N-1 勝田 貴元 TOM'S SPIRIT 25 28.284 8 TOYOTA TOM'S 3S-GE
5 7 N-2 平峰 一貴 HFDP RACING 25 36.141 6 TOYOTA TOM'S 3S-GE
6 8 野尻 智紀 HFDP RACING 25 47.251 9 HONDA MF204C
7 19 N-3 マシュー・ホーソン SGC BY KCMG 25 1'02.630 10 TOYOTA TOM'S 3S-GE
8 20 N-4 ギャリー・トンプソン SGC BY KCMG 25 1'08.366 7 TOYOTA TOM'S 3S-GE
9 23 N-5 佐々木 大樹 NDDP RACING 24 1 Lap 5 TOYOTA TOM'S 3S-GE
10 6 N-6 小泉 洋史 ハナシマレーシング 24 1 Lap 11 TOYOTA TOM'S 3S-GE
11 13 N-7 吉田 基良 B-MAX ENGINNERING 23 2 Laps 13 TOYOTA TOM'S 3S-GE
4 平川 亮 RSS 12 13 Laps 14 TOYOTA 1AZ-FE
37 リチャード・ブラッドレー PETRONAS TEAM TOM'S 7 18 Laps 2 TOYOTA 1AZ-FE
77 N 野呂 立 シーエムエスモーター スポーツプロジェクト 3 22 Laps 12 TOYOTA TOM'S 3S-GE
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 平川 亮 TOYOTA 1AZ-FE 108
2 中山 雄一 TOYOTA 1AZ-FE 80
3 山内 英輝 TOYOTA 1AZ-FE 56
5 リチャード・ブラッドレー TOYOTA 1AZ-FE 43
7 佐々木 大樹 TOYOTA TOM'S 3S-GE 11
8 平峰一貴 TOYOTA TOM'S 3S-GE 8
9 勝田貴元 TOYOTA TOM'S 3S-GE 3
10 ギャリー・トンプソン TOYOTA TOM'S 3S-GE 1
Nクラス
順位ドライバー名ポイント
1 佐々木大樹 122
2 平峰一貴 100
3 勝田貴元 55
4 ギャリー・トンプソン 48
5 マシュー・ホーソン 28
6 小泉洋史 20
7 阪口良平 6
8 野呂 立 4
9 吉田基良 3