全日本F3 2014年 第1大会（第1,2戦）鈴鹿

TDPドライバーの山下健太（中央）がF3デビュー戦で勝利。
TDPドライバー勝田貴元（右）は第1戦3位に入った 　2014年シーズンの全日本F3選手権が開幕。第1大会(第1戦、第2戦)が4月12日(土)と13日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
　今季の全日本F3には、昨年ランキング2位の勝田 貴元と、昨年のFCJで、1年目ながら最終戦で逆転タイトルを獲得しF3にステップアップする山下 健太のTDPドライバー2名が、PETRONAS TEAM TOM'Sから参戦する。
　また、この2名以外にもTOYOTA TOM'S TAZ31エンジンの使用チームが増え、今大会は全6台が同エンジンを搭載。F3-Nクラスはこれまで同様、参戦車両全てがTOYOTA TOM'S 3S-GEエンジンを使用する。

　12日（土）午前10時20分より10分間で第1戦の予選が行われた。山下、勝田と高星 明誠 （B-MAX Racing Team with NDDP）の3台が周回を重ねる毎にタイムを塗り替え、ポールポジションを争った。セッション後半、高星が首位に立ったところで、F3-Nクラスの車両がコースアウト。これで赤旗が出され、セッションは終了。最後、山下は高星を上回るペースで走行していたが、赤旗によりアタックを途中で終えざるを得ず、山下が2番手、勝田が3番手となった。
　第2戦の予選も山下、勝田、高星の争いに。今度は山下が高星を上回るタイムをマークすると、そのタイムは誰にも破られることなく、山下はF3デビュー2戦目にしてポールポジションを獲得。勝田は3番手となった。

　予選に続き、午後3時20分より第1戦決勝（12周）がスタート。2番手グリッドの山下はスタートで出遅れ、4位に後退。3番手スタートの勝田が2位に上がった。
　スタートを失敗した山下だったが、1周目のうちに前走車をかわすと、勝田の後方にぴたりとつけ、前半戦は首位の高星に勝田、山下が連なる、3台の首位争いが展開。
　8周目、シケインで山下は勝田をパス。首位を逃げる高星を追った。この時点では、首位高星と2位山下の差は1秒以上開いており、そのままの順位でチェッカーかと思われたが、山下は猛追を開始。残り2周で高星のすぐ後まで追い着くと、シケインで並びかけ、メインストレートでサイド・バイ・サイドに。
　1コーナーに並んで入っていった2台だったが、アウト側の山下は引くことなく、そのまま2コーナー進入までに高星をパス。ついに首位に立つと、最後は逆に1秒の差を付けてトップでチェッカー。全12周のレースで3台をパスしての逆転勝利を飾った山下は、2012年の平川亮以来となる、F3デビュー戦での勝利を飾った。
　勝田は車両のバランスに苦しみ、後続からの追撃も受けたがポジションを守り、3位表彰台を獲得した。

　13日（日）午前10時40分より第2戦決勝（17周）がスタート。ポールポジションの山下は、またしてもスタートで出遅れ、一気に4位へと後退。3番手スタートの勝田は2位へ。序盤は、トップ5台が等間隔で、大きく離れることもないまま推移した。
　そんな中、じりじりと首位との差を詰めていった勝田は、6周目のシケイン進入で並び、高星をパス。しかし、高星もストレートでスリップに突き返し、1コーナーで再び勝田から首位を奪い返した。
　トップ2台のバトルが続く一方で、4位の山下は前を行く松下 信治（HFDP RACING）を攻め、10周目、徐々に松下との差を詰めていった山下は、11周目のメインストレートで松下のスリップストリームに入ると、1コーナー進入でアウトから松下をパス。3位に浮上した。
　勢いに乗る山下は、前を行く勝田にもじりじりと迫り、ファイナルラップのシケインに2台は並んで進入。そのまま最終コーナーを立ち上がった2台は、ほぼサイド・バイ・サイドでフィニッシュラインを通過したが、勝田が0.055秒差で逃げ切り、2位フィニッシュ。山下は3位となり、共に2戦連続の表彰台を獲得した。