全日本F3 2015年 第1大会（第1,2戦）鈴鹿

第2戦で初優勝を飾ったニック・キャシディ（左）と3位表彰台の山下健太（右） 全日本F3選手権の第1大会(第1戦、第2戦)が4月18日(土)と19日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された。
全8大会、17戦で争われる今季の全日本F3。開幕戦には16台がエントリー。このうち7台がTOYOTA TOM'S TAZ31エンジンを使用。旧型シャシーで争われるNクラスは6台全車がTOYOTA TOM'S 3S-GEエンジンを使用する。
今季の全日本F3には、昨年F3デビューイヤーながら開幕戦勝利を含む2勝を挙げ、ランキング2位となった山下 健太（PETRONAS TEAM TOM'S）が参戦。2年目の今シーズンはタイトルを狙う。19歳の山下のチームメイトには、ニュージーランド出身の20歳、ニック・キャシディ（PETRONAS TEAM TOM'S）が新たに加わることとなった。

16日（木）、17日（金）の専有走行を経て、18日（土）午前10時20分より10分間で第1戦予選、10分間のインターバルを経て第2戦の予選が実施。
第1戦予選では、日本でのデビュー戦となったキャシディがポールポジションを獲得。山下は100分の6秒届かず2番手。第2戦予選でもキャシディがトップタイムで2戦連続のポールポジション。山下が2番手で、最前列に並んで決勝を迎えることとなった。

F3予選の後、併催の二輪予選、スーパーフォーミュラ予選を経て、予定よりも5分遅れの午後3時25分にフォーメーションラップが開始され、第1戦の決勝レース（12周）がスタートした。
2番手の山下が、やや出遅れたキャシディに並びかけると、キャシディは山下に寄せながらポジションをキープ。2台はサイド・バイ・サイドで1コーナーへと進入していったが、立ち上がりではキャシディが先行。一旦前に出てからは、キャシディが後続を引き離していった。
1周で1.2秒離された山下だったが、その差は2秒以上には広がらず、山下は2位をキープ。レースが終盤に入ると逆に山下はその差をじりじりと縮めていき、残り2周で約1秒まで詰め寄った。
追い上げられたキャシディは、スプーンコーナーで車両半分コースオフ。何とかポジションはキープしたものの、山下とはテール・トゥ・ノーズ状態に。バックストレートから130Rにかけ、スリップストリームを使った山下は、シケイン進入でアウト側から仕掛けたが、これを抑えようとしたキャシディと接触。山下はコースオフを喫し、ここでレースを終えることとなってしまった。
キャシディはそのままトップチェッカーを受けたが、レース後、山下との接触で40秒加算のペナルティを科されることとなり、10位へと順位を落とすこととなった。
Nクラスでは、今季F3へとステップアップを果たした小河 諒（TOM'S）が2位表彰台を獲得した。

19日（日）は朝方雨に見舞われ、F3決勝直前のスーパーフォーミュラフリー走行時はウェットコンディション。その後路面は乾いていき、レコードライン上は乾き始めていたものの、ホームストレート上はウェット。空には晴れ間も見えたが細かい雨が落ちることもあるという，非常に難しい状況でスタートを迎えた。
悩ましいコンディションながら、全車スリックタイヤを装着し、午前10時40分にフォーメーションラップを開始。17周のスタートが切られた。
スタートではキャシディがトップのポジションをキープ。2番手グリッドの山下は、濡れた路面側からの難しいスタートだったこともあり、後続の1台にかわされ、3位に後退。
前半はトップのキャシディを2位の高星 明誠（B-Max Racing team with NDDP）が追う展開。山下はここからやや離れて周回を重ねることとなった。
終盤戦に入ると、タイヤをセーブしていたキャシディがスパート。逆にタイヤ摩耗が進んだ高星を、山下が追い詰めることとなったが、最後はコンマ6秒及ばず3位でチェッカー。キャシディが日本でのレース初優勝。山下は3位表彰台を獲得した。
Nクラスでは、クラス2番手からスタートを切った小河が、ポールポジションの三浦をかわし、初優勝を飾った。

TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。