FIA-F4 2015年 第13，14戦 もてぎ

　FIA-F4の今季最終大会となる第13戦、第14戦がツインリンクもてぎで行われ、トヨタが支援するNo.36 坪井翔が第14戦で2位表彰台を獲得。今季新たに開催された日本のFIA-F4選手権で初代のチャンピオンに輝いた。

　11月14日（土）、15日（日）の両日、FIA-F4の第7大会（第13戦、第14戦）が栃木県のツインリンクもてぎで開催された。前大会オートポリスからわずか2週間のインターバルでの開催。 　今季、トヨタはこのFIA-F4に参戦する、No.36 坪井と、No.37 小高一斗を支援。No.36 坪井は第5戦から第11戦まで6連勝。前戦第12戦では不運なアクシデントにより初のノーポイントとなるも、2戦を残し、2位に20ポイント差のランキング首位につけており、第13戦で3位以上でのフィニッシュを果たせばタイトル決定と優位な状況で最終大会を迎えることとなった。 　No.37 小高はライセンス発行に必要な満16歳になった第2大会より参戦し、デビュー戦でトップ10フィニッシュ。第8戦では自己最高の4位に入り、目下8戦連続シングルフィニッシュを続けており、ランキングも6位につけている。 　また、トヨタはNo.14 根本悠生、No.21 朝日ターボ、No.22 宮田 莉朋、No.62 里見乃亜、No.70 天野翼もサポートする。

　14日（土）は朝から雨に見舞われた。12日（木）、13日（金）に行われた練習走行はドライだったため、予選がこの週末初めてのウェットでの走行となった。 　午後8時の予選セッション開始時にはそれほど雨量は多くなく、各車タイヤが温まり出すとタイムも向上していった。 　4周目にNo.36 坪井がトップタイムをマークするも、このタイムはどんどん塗りかえられていくことに。No.14 根本が6周目のアタックでトップタイムをマークすると、まもなく、セッション開始後16分過ぎあたりで、コースアウトで停まってしまった車両により赤旗中断。 　8分ほどの中断の後、残り13分でセッションは再開されたが、やや雨脚が強まったこともあり、タイムを更新出来たドライバーは少なく、No.14 根本がFIA-F4で初となるポールポジションを獲得。セカンドベストタイムで決定される第14戦のグリッドでも、No.14 根本は2番手となった。 　No.36 坪井はタイムが伸びず、第13戦、第14戦共に9番手グリッド。タイトルを争うライバルが両レース共に好位置を獲得したため、タイトル争いは最終戦までもつれ込む可能性が高まった。 　No.37 小高は第13戦21番手、第14戦20番手。他のトヨタサポートドライバーでは、No.70 天野が第13戦6番手、第14戦5番手、No.22 宮田は第13戦19番手、第14戦17番手。No.21 朝日は第13戦22番手、第14戦23番手。No.62 里見が第13戦25番手、第14戦24番手となった。

　予選に続き、午後1時10分より開始された第13戦決勝レース（12周）は、雨はほとんど降っていないものの、完全なウェットコンディションでのレースとなった。 　スタートでは、グリッド上でエンジンストールを喫した車両に後続が突っ込み、2コーナーでも3台がクラッシュ。いきなりのセーフティカー導入となり、3周目から本格戦が再開された。 　9番手グリッドのNo.36 坪井はスタートダッシュを決め、前の2台がクラッシュで脱落したこともあり、6位へ浮上。再スタート後、6周目に1台パスし、さらに前走車を追ったが届かず、5位でフィニッシュ。タイトル争いの行方は最終戦に持ち越された。 　優位な状況で今大会に臨んだNo.36 坪井だったが、今レースの結果、第14戦でポールポジションのライバルが優勝した場合、No.36 坪井は9番手スタートから3位以上に入る必要があり、逆に厳しい状況で最終戦を迎えることとなった。 　No.37 小高は21番手と厳しいグリッドから、一時は14位までポジションを上げたが、終盤かわされ、16位でレースを終えた。 　No.14 根本はポールポジションだったがスタートでかわされ、それでもFIA-F4で初となる2位表彰台を獲得。No.62 里見が12位、No.22 宮田が14位、No.70 天野が17位、No.21 朝日は23位に終わった。

　15日（日）も朝から雨模様。第14戦の決勝レース（12周）が開始される頃にはほぼ止み、水量も減っているもののウェットコンディションで、午前10時5分にフォーメーションラップが開始され、レースのスタートが切られた。 　9番手グリッドのNo.36 坪井は好ダッシュを決め、1コーナーではアウトから一気に数台をパス、さらに130R、ヘアピンでもパッシングを見せ、1周目にして4位へとポジションを上げた。2周目にはさらにもう一台パスし、自力タイトル獲得条件の3位へと浮上した。 　このバトルの間に、2位を行くNo.14 根本との差はやや広がっていたが、No.36 坪井はファステストラップをマークしながらの追い上げを見せて差を詰め、8周目にNo.14 根本をパス。 　2位へと上がったNo.36 坪井は追撃の手を緩めず、ファイナルラップには首位の車両と1秒以内に。ヘアピンではインを突くも逆転には至らず。その後も最後までテール・トゥ・ノーズで追い続けたNo.36 坪井だったが、惜しくも届かず2位フィニッシュ。それでも、わずか3ポイント差でNo.36 坪井がFIA-F4初年度のチャンピオンを獲得することとなった。 　No.37 小高も追い上げを見せ、20番手スタートから11位でフィニッシュ。 　No.14 根本は3位に入り2戦連続の表彰台を獲得。No.70 天野が14位、No.21 朝日が23位、No.22 宮田は27位。No.62 里見は接触を喫しリタイアに終わった。

　TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。来季も応援の程よろしくお願いいたします。