2008年9月21日(日)配信

フォーミュラ・ニッポン最終戦SUGO
松田次生が今季5勝目で有終の美を飾る


見事最終戦も制し、今季5勝目を挙げた松田次生
 年間全8戦で競われている2008年シーズンの全日本選手権フォーミュラ・ニッポンもシーズン最終戦を迎えた。締めくくりの1戦となる第8戦は、9月20日(土)と21日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
 既にシーズンのチャンピオンは前戦富士大会で松田次生(LAWSON TEAM IMPUL)に決定しているが、松田にとっては、シリーズ新記録となる年間7度目のポールポジション記録に挑むと共に、チームタイトル獲得のためにも重要な1戦となる。
 また、第6戦でクラッシュを喫し、第7戦を欠場した、TDPドライバー 平手晃平(TP Checker IMPUL)が今大会より復帰。欠場した前大会の時点で、平手のルーキー・オブ・ザ・イヤーも確定しているが、平手を含む、ドライバーズポイントでの上位争いの行方にも注目が集まった。
 今大会は、前大会まで3戦に渡って採用されてきた1大会2レース制ではなく、1レース、230kmのスプリント(ピットイン義務無し)として行われた。

予選
 20日(土)の予選は、空が雲に覆われた涼しいコンディションの下で、午後2時半からノックアウト方式で行われた。
 復帰戦となる平手は第2セッションで11番手に留まり、最終第3セッション進出はならず。注目の松田は第1,第2セッション共にトップタイムで最終第3セッションへと進出を決めた。
 しかし、最終第3セッションでは、先頭を切ってタイムアタックに入った本山哲(Team LeMans)がコースアウトを喫し、激しくクラッシュ。ほとんどのドライバーが本格的なアタックを開始するタイミングだったが、セッションはこの時点で赤旗中断となり、走行再開されることのないまま、規定により、予選第3セッションは予定時間通りに終了となった。
 このため、グリッドは赤旗中断までにマークしていたタイムの順で決定され、本山がポールポジション。新記録のかかっていた松田は惜しくも2番手で記録更新はならず。ロニー・クインタレッリ(CERUMO/INGING)が7番手、横溝直輝(KONDO RACING)8番手というグリッドになった。

決勝レース
 21日(日)、朝から降り続いた雨は止んでいるが、路面はウェットという難しいコンディションで、午後2時半に決勝レース(62周)がスタート。各車はその後の天候の変化も考慮してレースに挑むこととなった。
 フォーメーションラップ中に再び雨が落ち始めたが、ポールポジションの本山は好スタート。2番手グリッドの松田は一つポジションを落とし、後方では9番手グリッドのB.トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)が6位へジャンプアップ。 13番手スタートのJ.P.デ・オリベイラ(KONDO RACING)が7位、11番手スタートの平手が9位、15番手スタートのTDPドライバー 石浦宏明が10位とそれぞれポジションを上げた。
 濡れた路面で1周目から後方車両ではスピン、接触を喫する混乱があり、2周目にセーフティカーが導入。5周目に再スタートが切られた。
 3位につける松田は、水煙を上げながら、2位を猛追。滑る路面で巧みなドライビングを見せ、10周目についに前走車をパス。2位に浮上した。
 その直後、首位を行く本山が突然のスローダウン。無念のリタイアとなってしまった。
 これで首位に立った松田は、その後も断続的に降り続く小雨の中で、冷静に後続との差をコントロールしながら独走。終盤徐々に乾き始めたコンディションの下でも、着実にポジションを守って見事トップでチェッカーを受けた。松田は今季5勝目を挙げ、2年連続のタイトル獲得となったシーズンを勝利で締め括った。また、この結果、LAWSON TEAM IMPULはチームタイトルを獲得した。
 序盤4位争いを繰り広げたトレルイエと平手はそのまま4位、5位でフィニッシュ。平手は復帰戦で入賞を果たし、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得すると共に、総合のドライバーズランキングでも4位でシーズンを終えることとなった。

リザルト

決勝
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
1 1 松田 次生 LAWSON IMPUL 62 1:29'50.637 2 1'12.247 TOYOTA RV8J
2 32 小暮 卓史 PIAA NAKAJIMA 62 6.287 4 1'16.452 HONDA HF386E
3 31 L.デュバル PIAA NAKAJIMA 62 10.545 5 1'17.725 HONDA HF386E
4 2 B.トレルイエ LAWSON IMPUL 62 30.289 9 1'07.775 TOYOTA RV8J
5 20 平手 晃平 TP Checker IMPUL 62 31.41 11 1'07.802 TOYOTA RV8J
6 4 J.P.デ・オリベイラ KONDO RACING 62 32.319 13 1'07.907 TOYOTA RV8J
7 47 R.クインタレッリ CERUMO/INGING 62 01:00.53 7 1'19.676 TOYOTA RV8J
8 56 伊沢 拓也 ARTA 62 01:11.83 6 1'18.563 HONDA HF386E
9 8 石浦 宏明 Team LeMans 62 01:12.46 15 1'08.231 TOYOTA RV8J
10 67 R.ストレイト STONEMARKET 62 01:14.14 10 1'07.785 TOYOTA RV8J
11 5 金石 年弘 SG 5ZIGEN 61 1Lap 14 1'07.972 HONDA HF386E
12 36 A.ロッテラー PETRONAS TOM'S 61 1Lap 12 1'07.862 TOYOTA RV8J
13 40 松浦 孝亮 DoCoMo DANDELION 61 1Lap 16 1'08.272 HONDA HF386E
14 41 土屋 武士 DoCoMo DANDELION 61 1Lap 3 1'14.807 HONDA HF386E
15 48 立川 祐路 CERUMO/INGING 60 2Laps 19 1'08.758 TOYOTA RV8J
16 37 荒  聖治 PETRONAS TOM'S 60 2Laps 18 1'08.470 TOYOTA RV8J
17 55 井出 有治 ARTA 58 4Laps 20 1'08.914 HONDA HF386E
- 7 本山  哲 Team LeMans 12 1 1'11.695 TOYOTA RV8J
- 3 横溝 直輝 KONDO RACING 0 8 No Time TOYOTA RV8J
- 6 平中 克幸 SG 5ZIGEN 0 17 1'08.394 HONDA HF386E
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1 松田 次生 TOYOTA RV8J 93.5
2 ロイック・デュバル HONDA HF386E 62
3 アンドレ・ロッテラー TOYOTA RV8J 49
4 平手 晃平 TOYOTA RV8J 42
6 J.P.デ・オリベイラ TOYOTA RV8J 33
7 立川 祐路 TOYOTA RV8J 31
8 ブノワ・トレルイエ TOYOTA RV8J 27
9 ロニー・クインタレッリ TOYOTA RV8J 21.5
11 本山 哲 TOYOTA RV8J 14
12 横溝 直輝 TOYOTA RV8J 12
13 ロベルト・ストレイト TOYOTA RV8J 11
15 荒  聖治 TOYOTA RV8J 9
16 石浦 宏明 TOYOTA RV8J 9