アンドレ・ロッテラーが今季初優勝!
トヨタエンジンが表彰台独占
- コース:オートポリス (4.674km)
- 予選:10月16日(土)曇:ドライ
- 決勝:10月17日(日)晴:ドライ
アンドレ・ロッテラー(中央左)が今季初勝利。J.P.デ・オリベイラ(左)が
2位、石浦宏明(右)が3位でトヨタエンジン勢が表彰台を独占した
フォーミュラ・ニッポンの第6戦が10月16日(土)、17日(日)の両日、大分県のオートポリスで行われた。
全7戦で競われている今季のフォーミュラ・ニッポンも残すところ2戦となったが、これまで5戦を終えて5人の勝者が誕生する混戦となっており、ランキング上位ドライバーのポイント差は非常に小さく、タイトル争いは激しさを増している。
阿蘇山の麓に位置するオートポリスでのフォーミュラ・ニッポン開催は3回目。今大会は1回のタイヤ交換が義務付けられており、昨年の大会でもピット戦略で大きく順位が入れ替わったことから、戦略が重要なレースとなる。
予選
16日(土)午後1時45分からノックアウト方式の予選が開始。Q1から上位13台がコースレコードを更新するハイレベルな戦いとなった。このセッションでは、地元九州出身で、トップフォーミュラでの凱旋となったTDPドライバーの井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)が14番手、午前中のフリー走行はトラブルでほとんど走れず、苦戦を強いられた松田次生(KONDO RACING)が15番手でQ1敗退となった。
Q2では、Q1で6番手と好走を見せたルーキーのケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)がタイムを伸ばせず、11番手。平中克幸(KCMG)が12番手でグリッド確定。
最終Q3セッションでは、残り6分を切って各車一斉にコースイン。アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がまずトップタイムをマークしたが、その直後に1コーナーでスピンし、コース上にストップ。車輌排除のために赤旗となり、規定に則ってそのままセッションは終了となった。
ロッテラーを含む5台のみがタイム計測を終えたが、ロッテラーは赤旗の原因を作ったとしてタイムが抹消され、4グリッド降格となった。この結果、TDPドライバーの大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)がフォーミュラ・ニッポンで初のポールポジションを獲得。貴重な1ポイントを獲得した。
同じくTDPドライバーの平手晃平(Mobil1 TEAM IMPUL)が2番手、石浦宏明(Team LeMans)が3番手となり、TDPドライバーが予選トップ3を占めた。
ロッテラーは5番手。以下はQ2のタイムで順位が決定され、J.P.デ・オリベイラ(Mobil1 TEAM IMPUL)が6番手グリッドとなった。
決勝
17日(日)も秋晴れとなったオートポリス。フォーミュラ・ニッポンの決勝が行われる午後2時半には、気温21度、路面温度は38度とこの週末では最も暑いコンディションとなり、50周で争われる決勝レースがスタートした。
スタートでは、最前列に並んだ大嶋と平手が若干遅れ、これをかわそうとした2列目以降で混乱が発生。4番手のロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が石浦に接触し、コントロールを失って大嶋に追突。大嶋はスピンしながら壁にクラッシュし、ここに他車が突っ込むという、多重クラッシュとなった。
このクラッシュでセーフティカーが導入。セーフティカーランとなってすぐ、1周目終了の時点で、ロッテラーとオリベイラがタイヤ交換義務を果たすべくピットイン。後輪2本のみの交換としたロッテラーが前でコースへ復帰した。また、接触により左前タイヤのパンクなどダメージを負った石浦もピットへ向かい、応急処置とタイヤ交換、給油を行った。
セーフティカーランは5周に渡って続き、井口、平中らもピットイン。ピットに入ったロッテラー以降が、入らなかった5台の後についての再スタートとなった。
6周目に再スタートが切られ、ピットに入らず2番手につけた平手が、首位の山本尚貴(NAKAJIMA RACING)を猛プッシュ。4位のコッツォリーノも好ペースで前走車を追走。
18周目、ピットに入らず、5位を走行していた松田がトラブルでコース脇にストップ。5台目のリタイアとなってしまった。
平手は、21周目に山本がピットインしたことで首位に立ち、一気にペースアップ。コッツォリーノは25周目にピットインすると、山本の前でコースに復帰した。
平手は32周目まで引っ張ってピットイン。きわどいタイミングながら、井口、コッツォリーノらの直前でコースに復帰した。これで、ロッテラーが首位に浮上。オリベイラが2位、石浦が3位、平手は4位となった。
燃料やタイヤをセーブする走行を強いられた前3台を、フレッシュなタイヤの平手が追い上げるかに注目が集まったが、42周目、平手が突然燃料系のトラブルに見舞われペースダウン。レースは続行したが、次々に後続にパスされることとなってしまった。
一方、首位を行くロッテラーは、オリベイラとの差をコントロールしながら、着実なペースで周回を重ね、見事トップでチェッカー。昨年の第6戦以来となる、今季初勝利を挙げた。これにより今季のフォーミュラ・ニッポンでは、6戦で6人目のウィナー誕生となった。
2位はオリベイラ。3位は、スタートでの接触でステアリング系にダメージを負いながらも着実に走り続け、ファイナルラップでの後続の猛追を凌ぎきった石浦が入り、昨年の第3戦以来キャリア2度目となる表彰台を獲得。トヨタエンジン勢が表彰台を独占する結果となった。
レース後の車検で、4位でチェッカーを受けた塚越広大(HFDP RACING)が失格となったため、5位以降が繰り上がることとなり、ルーキーのコッツォリーノが自身最高位となる4位フィニッシュ。コッツォリーノはレース中のファステストラップもマークした。同じくルーキーの井口も6位フィニッシュとなり、念願の初ポイントを獲得した。平中が7位。最後に平中にかわされた平手も、8位で1ポイントを獲得することとなった。
完走僅か8台のサバイバルレースとなった今大会の結果、タイトル争いではオリベイラとロッテラーが同点でトップに立ち、最終戦へと臨むこととなった。
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今季初勝利を飾ったアンドレ・ロッテラー(#36)。後方に続く
J.P.デ・オリベイラ(#19)が2位、石浦宏明(#8)が3位に入った
リザルト
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TEAM TOM'S | 50 | 1:26'07.759 | 5 | 1'30.997 | TOYOTA RV8K |
2 | 19 | J.P・デ・オリベイラ | Mobil1 TEAM IMPUL | 50 | 1.498 | 6 | 1'31.087 | TOYOTA RV8K |
3 | 8 | 石浦 宏明 | Team LeMans | 50 | 14.298 | 3 | 1'40.871 | TOYOTA RV8K |
4 | 7 | ケイ・コッツリーノ | Team LeMans | 50 | 30.372 | 11 | 1'31.726 | TOYOTA RV8K |
5 | 31 | 山本 尚貴 | NAKAJIMA RACING | 50 | 55.083 | 8 | 1'31.434 | HONDA HR10E |
6 | 29 | 井口 卓人 | DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING | 50 | 1'06.729 | 14 | 1'33.107 | TOYOTA RV8K |
7 | 18 | 平中 克幸 | KCMG | 50 | 1'15.418 | 12 | 1'32.051 | TOYOTA RV8K |
8 | 20 | 平手 晃平 | Mobil1 TEAM IMPUL | 50 | 1'15.682 | 2 | 1'35.235 | TOYOTA RV8K |
32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING | 27 | 23Laps | 9 | 1'31.568 | HONDA HR10E | |
3 | 松田 次生 | KONDO RACING | 17 | 33Laps | 15 | 1'33.280 | TOYOTA RV8K | |
37 | 大嶋 和也 | PETRONAS TEAM TOM'S | 0 | 50Laps | 1 | 1'31.973 | TOYOTA RV8K | |
1 | ロイック・デュバル | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 0 | 50Laps | 4 | 1'41.883 | HONDA HR10E | |
2 | 伊沢 拓也 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 0 | 50Laps | 7 | 1'31.379 | HONDA HR10E | |
16 | 井出 有治 | MOTUL TEAM 無限 | 0 | 50Laps | 13 | 1'32.482 | HONDA HR10E | |
失格 | 10 | 塚越 広大 | HFDP RACING | 10 | 1'31.695 | HONDA HR10E | ||
ドライバーズポイント | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント | ||||
1 | J.P・デ・オリベイラ | TOYOTA RV8K | 36 | ||||
2 | アンドレ・ロッテラー | TOYOTA RV8K | 36 | ||||
3 | 小暮 卓史 | HONDA HR10E | 31 | ||||
4 | ロイック・デュバル | HONDA HR10E | 28 | ||||
5 | 平手 晃平 | TOYOTA RV8K | 24 | ||||
6 | 大嶋 和也 | TOYOTA RV8K | 21 | ||||
8 | 石浦 宏明 | TOYOTA RV8K | 15 | ||||
10 | ケイ・コッツォリーノ | TOYOTA RV8K | 8 | ||||
12 | 平中 克幸 | TOYOTA RV8K | 4 | ||||
13 | 井口卓人 | TOYOTA RV8K | 3 | ||||
14 | 松田次生 | TOYOTA RV8K | 1 | ||||