フォーミュラ・ニッポン開幕。アンドレ・ロッテラーが勝利!
中嶋一貴も11台抜きで3位表彰台獲得
- コース:鈴鹿サーキット (5.807km)
- 予選:5月14日(土)晴れ時々小雨:ドライ/セミウェット
- 決勝:5月15日(日)晴れ:ドライ
開幕戦を制したアンドレ・ロッテラー
2011年シーズンのフォーミュラ・ニッポンが開幕。第1戦が5月14日(土)、15日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
東日本大震災の影響で4月に予定されていた第1戦は延期となり、当初第2戦が予定されていたこの週末に開催されることとなった。
近年のフォーミュラ・ニッポンは、ディフェンディングチャンピオンのJ.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)をはじめとするトップドライバーと若手ドライバーの戦いが白熱を極める中、今季はさらにTDPドライバーの国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)らが7人の新たなドライバーが加わる。その中には久しぶりの国内レース参戦となるTDPドライバー
中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)もおり、多くの期待と注目を集めての開幕となった。
予選
14日(土)公式練習の後、午後1時半からノックアウト方式の予選が行われた。予選Q1は20分間で競われ、上位12台がQ2へと進出するが、ここで注目の中嶋一貴のタイムが伸びず、14番手でまさかのQ1敗退。TDPドライバーの石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)も13番手、今季新加入のアンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)、嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsports)が15、16番手でグリッドが確定した。
7分間という短いセッションのQ2は、スタート直前から雨粒が落ち始めたこともあり、各車セッション開始と共にピットロードに列を連ねてコースイン。ここではTDPドライバーの大嶋和也(Team LeMans)が僅かに届かず9番手でQ3進出ならず。アレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)が12番手となった。
雨の止んだ最終Q3でも僅差のアタックが繰り広げられ、オリベイラがトヨタエンジン勢最上位の4番手。アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が6番手、TDPドライバーの平手晃平(TEAM IMPUL)が7番手、今季のルーキーで唯一Q3進出という快挙を成し遂げた国本はセッションが進むごとにタイムを縮める好走を見せ、8番手につけた。
決勝
15日(日)はF3などが行われた午前中は好天だったが、フォーミュラ・ニッポンの決勝スタート時には若干雲がかかる空模様。気温23度、路面温度35度のコンディションで、午後1時48分、38周(220km)の決勝レースがスタートした。
3列目6番手グリッドのロッテラーが絶好のスタートを切り、一気に2位に浮上。後方では接触による混乱があり、スタートで若干遅れたオリベイラは、この混乱を避けようとしてスピン。ほぼ最後尾に落ちてしまった。
14番手スタートの中嶋一貴は、1周目の混乱を抜け10位に浮上したが、4周目が終了した時点で早くもピットイン。順位を落としたオリベイラも6周目終了時に早めのピットに向かい、今レース義務づけられているタイヤの交換と給油を行った。
ロッテラーが1秒差で首位を行く小暮卓史(NAKAJIMA RACING)を追う一方で、後方では9番手スタートの大嶋が5位、8番手スタートの国本が6位とルーキー勢最上位の健闘。やはり好走を見せ9位までポジションを上げていたカルダレッリは、9周目に他車と絡んでクラッシュ。無念のリタイアとなってしまった。
10周を過ぎてから徐々にピットに入る車両が出始めたが、トヨタ勢では15周目終了時に大嶋がピットイン。オリベイラの後方でコースへ復帰となったが、ペースで勝る大嶋は21周目にオリベイラをパス。
レースも折り返しを超えた21周目、2位を走行していたロッテラーがピットイン。翌周にピットインした小暮が作業で遅れたこともあり、ロッテラーは小暮をかわし、事実上の首位に立った。
23周目、ずっと平手とのバトルを繰り広げ、上位を走行していた国本がピットイン。しかし、ここで再発進に手間取り、大きくタイムロス。悔しい最後尾への後退となってしまった。
その後は平手が最後までピットインを引っ張り、26周目にようやくピットイン。しかし、石浦の後方、9位でのコース復帰となった。
これで全車が義務づけられたピットインを終え、ロッテラーが首位に浮上。後半、タイヤが苦しくなってタイムを落とす車両が増える中で、ロッテラー1台だけは別格の速さで独走。後続を引き離していった。
早い時点でのピット作戦を採った中嶋一貴は、作戦が見事に当たって全車がピットインした時点で3位に浮上。同じく早期にタイヤを交換したオリベイラはペースが落ち、石浦、平手らを含む後続の追撃を受け、終盤激しい6位争いを展開。
結局ロッテラーは2位に16秒もの大差をつけてトップチェッカー。苦戦を強いられた予選から調子を上げ、見事勝利を勝ち取って見せた。チームメイトの中嶋一貴は14番手スタートから11台抜きの素晴らしいレース運びで3位フィニッシュ。国内レース復帰戦で表彰台を獲得した。
5位に大嶋、6位は猛追をしのぎきったオリベイラ。石浦が8位でポイントを獲得。平手は惜しくも9位に終わった。
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アンドレ・ロッテラー(中央)が優勝、中嶋一貴(右)が3位表彰台獲得 -
フォーミュラ・ニッポンデビュー戦で3位に入った中嶋一貴
リザルト
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TEAM TOM'S | 38 | 1:08'16.849 | 6 | 1'41.221 | TOYOTA RV8K |
2 | 32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING | 38 | 0'16.619 | 2 | 1'40.827 | HONDA HR10E |
3 | 37 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TEAM TOM'S | 38 | 0'39.677 | 14 | 1'42.340 | TOYOTA RV8K |
4 | 40 | 伊沢 拓也 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 38 | 0'46.933 | 5 | 1'40.924 | HONDA HR10E |
5 | 7 | 大嶋 和也 | Team LeMans | 38 | 0'47.337 | 9 | 1'42.009 | TOYOTA RV8K |
6 | 1 | J.P.デ・オリベイラ | TEAM IMPUL | 38 | 0'52.050 | 4 | 1'40.924 | TOYOTA RV8K |
7 | 41 | 塚越 広大 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 38 | 0'52.300 | 3 | 1'40.876 | HONDA HR10E |
8 | 8 | 石浦 宏明 | Team KYGNUS SUNOCO | 38 | 0'53.133 | 13 | 1'42.184 | TOYOTA RV8K |
9 | 2 | 平手 晃平 | TEAM IMPUL | 38 | 0'53.366 | 7 | 1'41.393 | TOYOTA RV8K |
10 | 18 | アレキサンドレ・インペラトーリ | SGC by KCMG | 38 | 1'21.866 | 12 | 1'42.509 | TOYOTA RV8K |
11 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING | 38 | 1'22.520 | 11 | 1'42.442 | HONDA HR10E |
12 | 62 | 嵯峨 宏紀 | Le Beausset Motorsports | 38 | 1'34.947 | 16 | 1'43.943 | TOYOTA RV8K |
13 | 33 | 国本 雄資 | Project μ/cerumo・INGING | 37 | 1Lap | 8 | 1'41.556 | TOYOTA RV8K |
16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 | 33 | 5Laps | 1 | 1'40.470 | HONDA HR10E | |
10 | 小林 崇志 | HP REAL RACING | 8 | 30Laps | 10 | 1'42.170 | HONDA HR10E | |
3 | アンドレア・カルダレッリ | KONDO RACING | 8 | 30Laps | 15 | 1'42.628 | TOYOTA RV8K | |
ドライバーズポイント | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント | ||||
1 | アンドレ・ロッテラー | TOYOTA RV8K | 10 | ||||
2 | 小暮 卓史 | HONDA HR10E | 8 | ||||
3 | 中嶋 一貴 | TOYOTA RV8K | 6 | ||||
5 | 大嶋 和也 | TOYOTA RV8K | 4 | ||||
6 | J.P.デ・オリベイラ | TOYOTA RV8K | 3 | ||||
8 | 石浦 宏明 | TOYOTA RV8K | 1 | ||||