アンドレ・ロッテラーが今季2勝目!
灼熱の富士でトヨタエンジンがトップ4独占
- コース: 富士スピードウェイ(4,563km)
- 予選:7月17日(日)晴れ:ドライ
- 決勝:7月17日(日)晴れ:ドライ
トヨタエンジンが表彰台を独占
フォーミュラ・ニッポンの第3戦が7月16日(土)、17日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。
今季のフォーミュラ・ニッポンでは、開幕戦鈴鹿でアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)、第2戦オートポリスでTDPドライバーの中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が勝利を飾っており、ここまでトヨタエンジンが2連勝。今大会が開催される富士スピードウェイはトヨタのホームコースでもあり、3連勝に期待がかかった。
今大会は、土曜日にはフリー走行のみ行い、予選、決勝を日曜日に行うワン・デイ・イベント。また、決勝レース中には、2度のピットイン(4輪タイヤ交換)が義務づけられており、ピット戦略やピットでの作業スピードを含めたチーム力がいつも以上に問われるレースとなった。
予選
16日(土)のフリー走行は、朝のセッションでディフェンディングチャンピオンのJ.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)がトップタイム。チームメイトで、昨年この富士大会で勝利を挙げているTDPドライバーの平手 晃平(TEAM IMPUL)が2番手。平手は午後のセッションでもトップタイムをマークし、2年連続の勝利へ向け好スタートを切った。
17日(日)も好天に恵まれ、午前8時10分からノックアウト方式のQ1セッションがスタート。このセッションでは、ルーキーのアレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)、アンドレア カルダレッリ(KONDO RACING)、嵯峨 宏紀(Le Beausset Motorsports)の3台が敗退。それぞれ13番手、14番手、15番手グリッドとなった。
上位8台のみが勝ち上がるQ2セッションでは、やはりルーキーのTDPドライバー、国本 雄資(Project μ/cerumo・INGING)が及ばず11番手。
Q3セッションでは、終盤の激しいタイムアタック合戦の結果、Q1、Q2でもトップタイムをマークしてきたオリベイラと、ロッテラーが千分の一秒まで全くの同タイム。規定に則り、先にタイムをマークしたオリベイラがポールポジション。ロッテラーは最前列2番手となった。
今季フォーミュラ・ニッポンにデビューして以来、過去2戦共にQ1敗退と予選で苦しんできた中嶋一貴が外国人勢2台に続く3番手。平手も僅差の4番手で2列目に並んだ。
また、TDPドライバーの石浦 宏明(Team KYGNUS SUNOCO)と大嶋 和也(Team LeMans)が7,8番手で4列目から決勝へ進むこととなった。
決勝
午後2時40分、気温34度、路面温度50度という酷暑のコンディションの下、決勝レースへ向けたフォーメーションラップが開始。ここで16番手グリッドの嵯峨が発進できず、ピットスタートを余儀なくされることとなった。
午後2時43分、44周で競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのオリベイラが絶好のダッシュを見せ、見事に首位をキープ。これにロッテラー、平手が続いたが、4番手スタートの中嶋一貴は出遅れ、6位に後退。
オリベイラに続く形となったロッテラーだったが、1周目終了後のホームストレートでオーバーテイクシステムを使用して一気にオリベイラをパスし、首位を奪取。石浦は1周目終了時に早くもピットへと向かった。
4周目を終えると、中嶋一貴もピットイン。先にピットへ入っていた石浦の直前でコースに復帰し、アウトラップでの石浦の追撃を受けたが、これは押さえきり、更にペースアップ。
2位を走行していたオリベイラは8周目終了時にピットイン。しかし、ここで作業終了前にギアを入れてしまうという痛恨のミスでタイムロス。石浦の後へと順位を落としてコースに復帰した。
その後続々と各車1回目のピットイン。早めのピットでペースアップを図った中嶋一貴は作戦が見事にあたり、ピットを終えた平手に続く3位まで浮上。ロッテラーは順当に首位を守り、全車が1回目のピットを終えた時点で、ロッテラー、平手、中嶋一貴、追い上げてきたオリベイラというトップ4となった。
レースも折り返しを迎えるあたりから各車2度目のピットイン作業となったが、ここでは上位勢に大きな順位の変動はなし。しかし、ロッテラーと平手の首位争い、若干間を空けての中嶋一貴とオリベイラとの3位争いが激化。それぞれ1秒以内での激しいバトルを展開した。
2組の息詰まるようなバトルは終盤まで続いたが、結局順位は変わらず、ロッテラーがトップでチェッカー。今季2勝目を挙げた。平手が今季初表彰台となる2位。中嶋一貴は3位に入り、開幕から3戦連続の表彰台を獲得し、ランキングでも首位の座を守った。オリベイラが4位で続き、トヨタエンジンはホームの富士でトップ4を独占。石浦が6位に入って今季2度目のポイント獲得を果たした。
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2周目に首位を奪い、その後は盤石のレースで
今季2勝目を挙げたアンドレ・ロッテラー(#36) -
後半ロッテラーを追ったが惜しくも及ばず
2位フィニッシュのTDPドライバー 平手晃平(#2)
リザルト
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TEAM TOM'S | 44 | 1:06'08.906 | 2 | 1'25.263 | TOYOTA RV8K |
2 | 2 | 平手 晃平 | TEAM IMPUL | 44 | 2.623 | 4 | 1'25.372 | TOYOTA RV8K |
3 | 37 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TEAM TOM'S | 44 | 10.041 | 3 | 1'25.330 | TOYOTA RV8K |
4 | 1 | J.P.デ・オリベイラ | TEAM IMPUL | 44 | 10.908 | 1 | 1'25.263 | TOYOTA RV8K |
5 | 41 | 塚越 広大 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 44 | 15.479 | 5 | 1'25.452 | HONDA HR10E |
6 | 8 | 石浦 宏明 | Team KYGNUS SUNOCO | 44 | 25.063 | 7 | 1'25.740 | TOYOTA RV8K |
7 | 32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING | 44 | 41.266 | 9 | 1'25.728 | HONDA HR10E |
8 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING | 44 | 45.733 | 12 | 1'26.193 | HONDA HR10E |
9 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 | 44 | 46.594 | 6 | 1'25.549 | HONDA HR10E |
10 | 40 | 伊沢 拓也 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 44 | 49.116 | 10 | 1'26.057 | HONDA HR10E |
11 | 10 | 小林 崇志 | HP REAL RACING | 44 | 1'09.633 | 15 | 1'27.198 | HONDA HR10E |
12 | 7 | 大嶋 和也 | Team LeMans | 44 | 1'11.508 | 8 | 1'25.927 | TOYOTA RV8K |
13 | 3 | アンドレア・カルダレッリ | KONDO RACING | 44 | 1'12.868 | 14 | 1'26.847 | TOYOTA RV8K |
14 | 62 | 嵯峨 宏紀 | Le Beausset Motorsports | 41 | 3Laps | 16 | 1'27.332 | TOYOTA RV8K |
15 | 33 | 国本 雄資 | Project μ/cerumo・INGING | 40 | 4Laps | 11 | 1'26.105 | TOYOTA RV8K |
18 | アレキサンドレ・インペラトーリ | SGC by KCMG | 37 | 7Laps | 13 | 1'26.521 | TOYOTA RV8K | |
ドライバーズポイント | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント | ||||
1 | 中嶋 一貴 | TOYOTA RV8K | 22 | ||||
2 | アンドレ・ロッテラー | TOYOTA RV8K | 20 | ||||
3 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | TOYOTA RV8K | 14 | ||||
5 | 大嶋 和也 | TOYOTA RV8K | 12 | ||||
7 | 平手 晃平 | TOYOTA RV8K | 9 | ||||
10 | 石浦 宏明 | TOYOTA RV8K | 4 | ||||
11 | アレキサンドレ・インペラトーリ | TOYOTA RV8K | 2 | ||||