2011年9月26日(月)配信

アンドレ・ロッテラーが今季3勝目!
TDPドライバー石浦宏明が自己最高の2位


今季3勝目を挙げたアンドレ・ロッテラー(右)と
チームタイトルを決めたPETRONAS TEAM TOM'S監督の舘信秀(左)
 フォーミュラ・ニッポンの第6戦が9月24日(土)、25日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
 全7戦で戦われている今季のフォーミュラ・ニッポン、前戦鈴鹿大会が悪天候により中止となったことで、残り2戦でのタイトル争いは更に厳しさを増すこととなった。
 今大会は250km、4本のタイヤ交換を2回というピット作業義務が課される。

予選
 24日(土)午前中1時間のフリー走行を経て、午後1時40分からノックアウト方式の予選が開始。予選Q1では、ディフェンディングチャンピオンのJ.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が、タイムを出した直後に1コーナーでコースオフ。タイムアタックはそこで終えることとなったが、先に叩きだしていたタイムでQ1は通過。アレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)が13番手、アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)が14番手、嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsports)が16番手と、ルーキーの3名がQ1で敗退となった。
 Q2では、Q1でコースオフしたオリベイラは出走できず、3戦連続のポールポジション獲得はならなかった。また、このQ2ではTDPドライバーの平手晃平(TEAM IMPUL)がタイムをのばせず10番手。IMPUL勢が2台揃ってまさかのQ2敗退となった。TDPドライバーの国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)が11番手、オリベイラが12番手となった。
 最終Q3では、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)とTDPドライバーの石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)が途中まで1-2位につけていたが、昨年のSUGO大会で初優勝を飾り、今年も予選Q1、Q2共にトップタイムという速さを見せたTDPドライバーの大嶋和也(Team LeMans)がこれをかわしてトップに浮上。セッションは終盤赤旗中断となり、2分間の延長で最後のアタックセッションが再開されたが、大嶋のタイムは塗り替えられず。大嶋はキャリア2度目となるポールポジションを獲得。2番手は僅か0.006秒差でロッテラー。石浦は4番手。フォーミュラ・ニッポン初シーズンながら、ここまで全戦で表彰台を獲得し、ランキングでも首位と同ポイントの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が8番手となった。尚、7番手のドライバーが赤旗中の追い越しにより7グリッド降格となったため、中嶋から14番手のカルダレッリまでが一つずつ順位を上げてのスターティンググリッドとなった。

決勝
 25日(日)午前中のフリー走行を経て、午後2時半に68周で競われる決勝レースがスタート。ポールポジションの大嶋はスタートダッシュをミス。ロッテラーが好スタートを切りトップ浮上。大嶋は4位、石浦が5位での序盤戦となった。
 一方後方からの追い上げを余儀なくされた中嶋一貴は1周目終了時に早くもピットインし、義務づけられたタイヤ交換の1回目を消化。翌周にはオリベイラもピットへ向かい、早めのピットで追い上げる作戦を採った。
 首位を走行するロッテラーは、ほぼレース距離の3分の1となった22周目終了時にピットイン。その後続々とピットへ向かう中、石浦はなかなかピットへ向かわず、首位を走行。ほぼレースが折り返しになる33周目にようやく1回目のピット作業を行った。
 一方でスタート直後に1回目のピット作業を終えた中嶋一貴とオリベイラは、このレース中盤に2回目のピットイン。ここで、オリベイラの前を走行し、オリベイラよりも一周後にピットインした中嶋一貴は、燃料給油装置が外れる前に走り出そうとする痛恨のアクシデントで、ピットでタイムをロス。ピットアウトの時点では、オリベイラの前に出たが、まだタイヤが暖まっていない状況で、オリベイラの先行を許してしまった。
 その翌周には、中嶋らと順位を争っていた塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がピットへ向かい、中嶋一貴の前でコースに復帰したが、中嶋一貴は翌周のストレートでスリップストリームに入ると、1コーナーの進入で塚越をパス。
 47周目に首位を独走していたロッテラーが2度目のピットイン。その後は、1回目のピットを遅らせた石浦が好ペースで首位を走行し、54周目にピットイン。ロッテラーの後ろを走行していたオリベイラのすぐ後ろ、中嶋一貴の前でコースに復帰した。
 冷えたタイヤによりオリベイラと若干差の開いた石浦だったが、新しいタイヤの優位性も活かし、終盤はファステストラップを連発、1周1秒近く詰めながらの素晴らしい走りでオリベイラを追撃したが、オリベイラを逆転するまでには至らず。
 ロッテラーは盤石の大差でトップチェッカー。今季3勝目、キャリア12勝目となる、SUGOでの初勝利を飾った。これにオリベイラ、石浦が続いたが、オリベイラはレース後の車検で、車両規則違反が発見され無念の失格に。これで石浦は2位となり、昨年の第6戦以来1年ぶりの表彰台獲得。2位は自身最高位フィニッシュとなった。中嶋一貴は3位に繰り上がり、開幕からの連続表彰台獲得記録を継続。
 国本が5位に入り、今季フォーミュラ・ニッポンにデビューして初めてのポイントを獲得。大嶋が6位、平手が8位に入りポイント獲得となった。
 この結果、ランキングではロッテラーが38ポイントで単独首位に立ち、中嶋一貴が4ポイント差の34ポイントで2位。不運なオリベイラは25ポイントのままとなり、23ポイントで追う塚越を加えた4名が最終戦でのタイトルを争うこととなる。
 また、チームタイトルではPETRONAS TEAM TOM'Sが最終戦を待たずしてチャンピオンを確定した。

リザルト

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
136アンドレ・ロッテラーPETRONAS TEAM TOM'S681:20'52.03521'07"131TOYOTA RV8K
28石浦 宏明Team KYGNUS SUNOCO680'15.46041'07"313TOYOTA RV8K
337中嶋 一貴PETRONAS TEAM TOM'S680'31.95281'08"120TOYOTA RV8K
441塚越 広大DOCOMO TEAM DANDELION RACING680'35.49831'07"246HONDA HR10E
533国本 雄資Project μ/cerumo・INGING680'41.909111'08"402TOYOTA RV8K
67大嶋 和也Team LeMans680'43.78811'07"125TOYOTA RV8K
732小暮 卓史NAKAJIMA RACING680'48.05661'07"927HONDA HR10E
82平手 晃平TEAM IMPUL681'01.865101'08"265TOYOTA RV8K
93アンドレア・カルダレッリKONDO RACING681'06.405141'08"750TOYOTA RV8K
1031中嶋 大祐NAKAJIMA RACING671Lap151'09"010HONDA HR10E
1116山本 尚貴TEAM 無限671Lap71'07"999HONDA HR10E
1218アレキサンドレ・インペラトーリSGC by KCMG671Lap131'08"711TOYOTA RV8K
1362嵯峨 宏紀Le Beausset Motorsports662Laps161'09"547TOYOTA RV8K
 10小林 崇志HP REAL RACING1751Laps91'08"238HONDA HR10E
 1J.P.・デ・オリベイラTEAM IMPUL失 格12出走せずTOYOTA RV8K
 40伊沢 拓也DOCOMO TEAM DANDELION RACING失 格51'07"330HONDA HR10E
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1アンドレ・ロッテラーTOYOTA RV8K38
2中嶋 一貴TOYOTA RV8K34
3J.P.デ・オリベイラTOYOTA RV8K25
5大嶋 和也TOYOTA RV8K17
6平手晃平TOYOTA RV8K14
7石浦 宏明TOYOTA RV8K14
11国本雄資TOYOTA RV8K4
12アレキサンドレ・インペラトーリTOYOTA RV8K2