2012年8月 6日(月)配信

J.P.デ・オリベイラが独走で今季初勝利!
アンドレ・ロッテラーが2位。中嶋一貴は4位もランキング首位キープ


J.P.デ・オリベイラ(中央)が今季初勝利。
アンドレ・ロッテラー(左)が2位に入った
 フォーミュラ・ニッポンの第5戦が8月4日(土)、5日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
 前戦富士から3週間。全7戦で行われるシーズンも後半戦に突入し、今大会を入れて残り3戦となった。まったく予想の出来ない混戦となっているタイトル争いも含め、トップドライバーによる真夏の熱戦に注目が集まった。
 レースを前に行われた記者会見で、来季からのシリーズ名が公募により決定され、「全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ」(略称は「SF」)となることが発表された。

予選
 4日(土)午後1時半より公式予選がノックアウト方式で行われた。上位13台が生き残るQ1では、終了直前に激しく順位が入れ替わる争いとなり、国本 雄資(Project μ/cerumo・INGING)が15番手、嵯峨 宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports) 17番手、折目 遼(SGC by KCMG)18番手でQ2進出を逃し、グリッドが確定した。
 Q2はセッション開始と同時に全車コースイン。ロッテラーがいきなり1コーナーでコースオフを喫したが、走行は続行。4番手タイムでQ3進出を決めた。一方で、前戦3位表彰台を獲得した大嶋 和也(Team LeMans)が10番手とタイムをのばせず、惜しくもQ2でノックアウト。上位8台が生き残るQ3へは、7台のトヨタエンジン搭載車が進出。ルーキーの安田 裕信(KONDO RACING)が初めてQ3進出を決めた。Q3へと進んだ上位8台はタイム差がわずか0.4秒以内という僅差の争いとなった。
 上位8台がグリッドを決めるQ3でも激しいアタック合戦が繰り広げられ、J.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)がポールポジションを獲得。わずか1000分の4秒差で松田 次生(TEAM IMPUL)が2番手。中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)がポールポジションから0.012秒という僅差で3番手。アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が4番手で続き、1列目にTEAM IMPUL、2列目にPETRONAS TEAM TOM'Sがそれぞれ並んだ。ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)が6番手、平手 晃平(Project μ/cerumo・INGING)が7番手。安田が8番手につけた。

決勝
 5日(日)、真夏の日差しが照りつけ、気温34度、路面温度50度という暑さの中、午後2時3分、決勝レース(52周)がスタート。
 2番手グリッドの松田がスタート直後一瞬前に出たものの、抜きかえしたポールポジションのオリベイラが首位をキープ。一方で2列目3,4番手の中嶋一貴とロッテラーは塚越 広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の先行を許し、ロッテラー4位、中嶋一貴5位へと後退。その後は首位のオリベイラが後続を引き離し、松田も単独の2位走行。順位変動の少ない展開となった。
 18周目、10位を走行していた大嶋が先陣を切ってピットイン。しかし大嶋はピットアウトしようとした際にエンジンストールを喫し、大きくタイムロス。順位を落としてしまった。
 22周目にピットインしたロッテラーは、翌周ピットインした塚越の前に出ることに成功。全車がピット作業を終えた時点で、オリベイラと松田の1-2は変わらず、その後ろにロッテラー、中嶋は5位で塚越を追う形となった。
 41周目、12位を走行していた大嶋がブレーキトラブルによりコースアウト。コースへは復帰したが、そのままガレージに入り無念のリタイア。
 終盤は1秒ほどで推移していた3位塚越との差をじりじりと詰めていく中嶋一貴の追い上げに注目が集まったが、その差がコンマ6秒程まで詰まった48周目、2位を走行していた松田が突然ペースダウン。
 ギアトラブルに見舞われ、タイムを落としながらも走行を続けた松田だったが、7秒近くあった差はみるみる無くなり、49周目にロッテラーが松田をパス。17秒もの差があった塚越と中嶋にもファイナルラップにかわされ、松田はポジションを落とすこととなってしまった。
 一方オリベイラは快走。2位ロッテラーに18秒もの大差を付ける独走でポール・トゥ・ウィン。今季初勝利を挙げた。2位はロッテラー。中嶋一貴は最後まで3位逆転を狙ったが届かず4位。チェッカー直前で松田をかわしたデュバルが6位。松田は何とか7位でポイントを獲得。平手も8位に入り、3戦連続入賞を果たした。
 この結果、ランキングでは中嶋一貴がわずか1ポイント差ながら首位をキープ。ロッテラーが2位、オリベイラは中嶋一貴と6ポイント差の4位に浮上し、残り2戦でのタイトル争いに加わることとなった。

リザルト

決勝
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
119J.P.デ・オリベイラTEAM IMPUL521:26'38.12811'34.588TOYOTA RV8K
21アンドレ・ロッテラーPETRONAS TEAM TOM'S5218.12641'34.712TOYOTA RV8K
341塚越 広大DOCOMO TEAM DANDELION RACING5227.79151'34.722Honda HR12E
42中嶋 一貴PETRONAS TEAM TOM'S5228.4431'34.600TOYOTA RV8K
540伊沢 拓也DOCOMO TEAM DANDELION RACING5235.19591'35.523Honda HR12E
68ロイック・デュバルTeam KYGNUS SUNOCO5235.98361'34.824TOYOTA RV8K
720松田 次生TEAM IMPUL5236.07321'34.592TOYOTA RV8K
838平手 晃平Project μ/cerumo・INGING5237.48571'35.211TOYOTA RV8K
93安田 裕信KONDO RACING5238.38781'35.266TOYOTA RV8K
1039国本 雄資Project μ/cerumo・INGING521'02.843151'35.985TOYOTA RV8K
1110金石 年弘HP REAL RACING521'06.876141'35.767Honda HR12E
1231中嶋 大祐NAKAJIMA RACING521'07.908121'35.714Honda HR12E
1332小暮 卓史NAKAJIMA RACING521'08.387111'35.543Honda HR12E
1411中山 友貴HP REAL RACING521'25.002161'37.600Honda HR12E
7大嶋 和也Team LeMans4012Lap101'35.537TOYOTA RV8K
16山本 尚貴TEAM 無限3418Laps131'35.890Honda HR12E
62嵯峨 宏紀TOCHIGI Le Beausset Motorsports052Laps171'37.745TOYOTA RV8K
18折目 遼SGC by KCMG052Laps181'37.781TOYOTA RV8K
ドライバーズポイント
順位ドライバー名エンジンポイント
1中嶋 一貴TOYOTA RV8K34
2アンドレ・ロッテラーTOYOTA RV8K33
3塚越 広大HONDA HR12E29
4J.P.デ・オリベイラTOYOTA RV8K28
6大嶋 和也TOYOTA RV8K15
7松田 次生TOYOTA RV8K15
8ロイック・デュバルTOYOTA RV8K14
9平手晃平TOYOTA RV8K5
11国本雄資TOYOTA RV8K2