9番手スタートからの大逆転!
中嶋一貴がレース2を制しシリーズチャンピオンを獲得
- コース:鈴鹿サーキット (5.807km)
- 予選:11月3日(土)曇り:ドライ
- 決勝:11月4日(日)晴れのち曇り:ドライ
シリーズチャンピオンを獲得した中嶋一貴
フォーミュラ・ニッポンの第7戦が11月3日(土)、4日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
2012年シーズンの、選手権がかかったシリーズ最終戦となる今大会は、2レース制として実施される。ポイントは1レース毎に通常の半分が与えられるが、各レースの優勝者には3ポイントのボーナスが加えられる。このため、2レースで最大18ポイントを獲得することが可能。理論的には7名がタイトル獲得の可能性を残しての最終戦を迎えた。
今季のタイトル争いは近年まれに見る接戦となっており、第6戦終了時点でポイントリーダーの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、5ポイント差のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)、7ポイント差のJ.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)を含む、わずか7ポイント差の中にいる5人が事実上タイトルを争う形で最終戦に臨むこととなった。
予選
3日(土)午前中のフリー走行を経て、午後1時30分からノックアウト方式での予選が行われた。今大会は2レース制のため、Q1の順位でレース1のグリッドが決定。上位13台で競われるQ2及び、上位8台によるQ3でレース2のグリッドが決定された。
曇り空で若干肌寒いコンディションの中、Q1では松田次生(TEAM IMPUL)がトップタイムをマークし、レース1のポールポジションを獲得。チームメイトのオリベイラが3番手で逆転タイトルへ向け2列目グリッドにつけた。
タイトルを争うロッテラーは5番手につけたものの、中嶋一貴は13番手とまさかの後方グリッドに。また、中嶋一貴はこのQ1で2度チェッカーフラッグを受けるというミスを犯し、レース1のスタートは更に3グリッド降格、16番手からの追い上げを強いられることとなった。
10分間のインターバルを経て7分間で行われたQ2でも中嶋一貴はタイムを伸ばせず、9番手でQ2敗退。Q3では、逆転タイトルを狙うオリベイラがコースレコードを破る速さでトップタイムをマークし、レース2のポールポジションを獲得。同じくコースレコードを破った松田が3番手。ロッテラーは7番手スタートとなった。
決勝レース1
4日(日)は好天に恵まれ、気温17度、路面温度23度という過ごしやすい気候の下、午前10時20分にレース1決勝がスタート。周回が20周と少なく、ピット義務のないレース1ではスタートが重要となるが、ポールポジションの松田は2番手スタートの伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の先行を許し、2位に後退。オリベイラも4位へと一つポジションダウン。これにロッテラーが続く形となった。
その後は大きな順位変動は無く、そのまま松田が2位、オリベイラが4位、ロッテラーが5位でフィニッシュ。
16番手スタートの中嶋一貴はスタートで3つ順位を上げ、その後1台パスしたものの12位。ノーポイントに終わり、タイトル争いは、レース1で1位、3位に入った伊沢と塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が同ポイントでトップに浮上。中嶋一貴は2点差の3位に後退。ロッテラーは5点差の4位、オリベイラが6.5点差の5位で最終レースとなるレース2を迎えることとなった。
決勝レース2
好天だったレース1とはうってかわって空には雲がかかり、路面温度がレース1に比べ3度ほど低下するコンディションの中、午後2時半にレース2(28周)のスタートが切られた。レース2はタイヤ4本の交換義務があるため、各チームピットタイミングの戦略も注目となった。
スタートではポールポジションのオリベイラがポジションを守りホールショット。松田も3位をキープ。しかし、松田は1周目を終えて戻って来たシケイン手前でスローダウン。駆動系トラブルのため1周目にしてレースを終えることとなってしまった。
9番手スタートの中嶋一貴ら数台が、1周目終了のタイミングでピットへ。タイヤを交換した中嶋一貴は、ピットに入った車両の中でトップでピットアウトすると、猛烈な速さで追い上げを開始した。
首位を行くオリベイラは8周終了時にピットインし、中嶋一貴の前でピットアウト。しかし、翌周にもピットに戻り、再度タイヤを交換したため後退。13周目にもピットへ向かったオリベイラは、リアウィングのトラブルでそのままリタイアとなり、タイトル争いから脱落してしまった。
その後は、各車が順次ピットへ向かっていったが、ハイペースで周回を重ねる中嶋一貴がライバル勢に先行し、徐々にポジションアップ。最後までピットインを引っ張った平手晃平(Project μ/cerumo・INGING)が23周目にピットインすると、中嶋一貴がついに首位に立った。
中嶋一貴は安定したペースで首位を快走。最後は若干ペースを落としながらも、猛追するロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)に1秒以上の差を付けてトップチェッカー。9番手スタートからの大逆転で開幕戦に続く今季2勝目を挙げ、逆転で今季のシリーズチャンピオンを獲得した。2位にはデュバル、終盤ファステストラップをマークする好走を見せた平手が5位。後半バトルを続け、ファイナルラップにロッテラーをかわした大嶋和也(Team LeMans)が7位、ロッテラーが8位でポイントを獲得した。
昨年シリーズ2位に終わった中嶋一貴にとって、フォーミュラ・ニッポン2年目のシーズンで念願の初チャンピオン獲得となった。PETRONAS TEAM TOM'Sは昨年のロッテラーに続き、2年連続のドライバータイトル獲得。
日本のトップフォーミュラとして1996年以来17年に渡り争われてきたフォーミュラ・ニッポンは、来季より「全日本選手権スーパーフォーミュラ」と名称が変更されることが発表されており、中嶋一貴はフォーミュラ・ニッポン最後のチャンピオンとして名を刻むこととなった。
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最終戦レース2で劇的な逆転勝利を飾った
中嶋一貴(#2:PETRONAS TEAM TOM'S) -
PETRONAS TEAM TOM'Sは昨年のアンドレ・ロッテラーに続き、
2年連続のドライバーズチャンピオン獲得
リザルト
レース1 | ||||||||
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順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
1 | 40 | 伊沢 拓也 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 20 | 34'27.682 | 2 | 1'39.244 | Honda HR12E |
2 | 20 | 松田 次生 | TEAM IMPUL | 20 | 3.249 | 1 | 1'39.231 | TOYOTA RV8K |
3 | 41 | 塚越 広大 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 20 | 10.293 | 3 | 1'39.336 | Honda HR12E |
4 | 19 | J.P.デ・オリベイラ | TEAM IMPUL | 20 | 11.814 | 4 | 1'39.441 | TOYOTA RV8K |
5 | 1 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TEAM TOM'S | 20 | 12.817 | 5 | 1'39.460 | TOYOTA RV8K |
6 | 32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING | 20 | 18.385 | 6 | 1'39.525 | Honda HR12E |
7 | 8 | ロイック・デュバル | Team KYGNUS SUNOCO | 20 | 26.297 | 8 | 1'39.621 | TOYOTA RV8K |
8 | 7 | 大嶋 和也 | Team LeMans | 20 | 27.398 | 10 | 1'39.900 | TOYOTA RV8K |
9 | 38 | 平手 晃平 | Project μ/cerumo・INGING | 20 | 29.236 | 11 | 1'39.958 | TOYOTA RV8K |
10 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING | 20 | 30.263 | 12 | 1'39.963 | Honda HR12E |
11 | 39 | 国本 雄資 | Project μ/cerumo・INGING | 20 | 32.372 | 14 | 1'40.267 | TOYOTA RV8K |
12 | 2 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TEAM TOM'S | 20 | 34.71 | 13 | 1'39.979 | TOYOTA RV8K |
13 | 3 | 安田 裕信 | KONDO RACING | 20 | 35.51 | 15 | 1'40.626 | TOYOTA RV8K |
14 | 10 | 金石 年弘 | HP REAL RACING | 20 | 38.576 | 16 | 1'41.227 | Honda HR12E |
15 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 | 20 | 47.071 | 7 | 1'39.574 | Honda HR12E |
16 | 62 | 嵯峨 宏紀 | TOCHIGI Le Beausset Motorsports | 20 | 48.63 | 17 | 1'41.494 | TOYOTA RV8K |
17 | 15 | 佐藤 琢磨 | TEAM 無限 | 20 | 52.594 | 9 | 1'39.784 | Honda HR12E |
18 | 18 | 折目 遼 | SGC by KCMG | 20 | 1'14.905 | 18 | 1'43.736 | TOYOTA RV8K |
レース2 | ||||||||
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順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
1 | 2 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TEAM TOM'S | 28 | 49'10.946 | 9 | 1'39.452 | TOYOTA RV8K |
2 | 8 | ロイック・デュバル | Team KYGNUS SUNOCO | 28 | 1.289 | 8 | 1'39.259 | TOYOTA RV8K |
3 | 41 | 塚越 広大 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 28 | 6.547 | 2 | 1'38.774 | Honda HR12E |
4 | 32 | 小暮 卓史 | NAKAJIMA RACING | 28 | 7.272 | 5 | 1'38.934 | Honda HR12E |
5 | 38 | 平手 晃平 | Project μ/cerumo・INGING | 28 | 10.716 | 10 | 1'39.511 | TOYOTA RV8K |
6 | 40 | 伊沢 拓也 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 28 | 28.463 | 6 | 1'38.958 | Honda HR12E |
7 | 7 | 大嶋 和也 | Team LeMans | 28 | 28.899 | 13 | 1'39.861 | TOYOTA RV8K |
8 | 1 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TEAM TOM'S | 28 | 29.218 | 7 | 1'39.092 | TOYOTA RV8K |
9 | 3 | 安田 裕信 | KONDO RACING | 28 | 30.466 | 15 | 1'40.626 | TOYOTA RV8K |
10 | 15 | 佐藤 琢磨 | TEAM 無限 | 28 | 31.813 | 11 | 1'39.533 | Honda HR12E |
11 | 31 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING | 28 | 35.871 | 12 | 1'39.592 | Honda HR12E |
12 | 39 | 国本 雄資 | Project μ/cerumo・INGING | 28 | 43.852 | 14 | 1'40.267 | TOYOTA RV8K |
13 | 62 | 嵯峨 宏紀 | TOCHIGI Le Beausset Motorsports | 28 | 56.345 | 17 | 1'41.494 | TOYOTA RV8K |
14 | 10 | 金石 年弘 | HP REAL RACING | 28 | 1'22.451 | 16 | 1'41.227 | Honda HR12E |
15 | 18 | 折目 遼 | SGC by KCMG | 28 | 1'40.677 | 18 | 1'43.736 | TOYOTA RV8K |
19 | J.P.デ・オリベイラ | TEAM IMPUL | 13 | 15Laps | 1 | 1'38.700 | TOYOTA RV8K | |
16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 | 4 | 24Laps | 4 | 1'38.904 | Honda HR12E | |
20 | 松田 次生 | TEAM IMPUL | 1 | 27Laps | 3 | 1'38.870 | TOYOTA RV8K | |
ドライバーズポイント | |||||||
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順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント | ||||
1 | 中嶋 一貴 | TOYOTA RV8K | 46 | ||||
2 | 塚越 広大 | HONDA HR12E | 43 | ||||
3 | 伊沢 拓也 | HONDA HR12E | 41.5 | ||||
4 | アンドレ・ロッテラー | TOYOTA RV8K | 35.5 | ||||
5 | J.P.デ・オリベイラ | TOYOTA RV8K | 34.5 | ||||
6 | ロイック・デュバル | TOYOTA RV8K | 25 | ||||
7 | 大嶋 和也 | TOYOTA RV8K | 21.5 | ||||
8 | 松田 次生 | TOYOTA RV8K | 20 | ||||
9 | 平手晃平 | TOYOTA RV8K | 8 | ||||
13 | 国本雄資 | TOYOTA RV8K | 2 | ||||