TOYOTA MOTOR SPORTS
2010年11月13日(土)配信

伝統の「JAFグランプリ」が富士スピードウェイで開催
フォーミュラ・ニッポン第1レースでアンドレ・ロッテラー/大嶋和也が1-2
SUPER GT第1レースではLEXUS SC430のリチャード・ライアンが圧勝!


フォーミュラ・ニッポンの第1レースはアンドレ・ロッテラー(中央)が圧勝
TDPドライバーの大嶋和也が2位に入り、トムス勢が1-2フィニッシュ
 「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」が静岡県の富士スピードウェイで11月12日(金)から14日(日)にかけて開催されている。
 「JAFグランプリ」とは、1969年に第1回大会が開催された伝統ある大会名であり、20年ぶりにこの名を冠したイベントが復活。SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンという、日本におけるGTカーとフォーミュラカーの最高峰レースが同時に開催される初のイベントとなる。
 今大会は選手権のシリーズ戦でこそないものの、勝者には「JAFグランプリタイトル」が与えられ、成績に準じた多額の賞金が懸けられている。
 また、本イベントは2大カテゴリーのレースの他に、バラエティに富んだサポートレースが行われると共に、出場全ドライバーを出身地別に分け、東西で勝敗を決める「東西対抗戦」も実施。この対抗戦には、応援グッズや地域グルメの売り上げも反映される為、観客も共に参加できるイベントとなっている。
 トヨタ/LEXUS勢では、2010年のSUPER GTには参戦したGT500クラスのLEXUS LS430 5台と、GT300クラスのLEXUS IS350 1台、カローラアクシオ2台の全車がSUPER GTに出場。フォーミュラ・ニッポンにも今季トヨタエンジンを搭載して参戦した6チーム9台が出場した。
 今大会では、SUPER GT、フォーミュラ・ニッポン共に、シリーズ戦とは異なる予選や決勝レース方式が採られ、特にSUPER GTでは、通常行われないスタンディングスタート(停止状態からのスタート:通常は走りながらのローリングスタート)が採用され、ドライバー交代無しで土曜日、日曜日の2日間、それぞれ1人のドライバーが100km(22周)のスプリントレースをGT500、GT300クラスそれぞれ別レース(計4レース)として戦う。
 フォーミュラ・ニッポンでも通常と異なるスーパーラップ方式(1台ずつのアタック)で、土曜日に行われる第1レースのグリッドは最高速で決定するという特別な方式。土曜日、日曜日にそれぞれ100km(22周)のレースが行われる。

予選
 12日(金)午後1時からフォーミュラ・ニッポンの予選がスーパーラップ方式で行われ、2010年のランキング下位から1台ずつのタイムアタック。富士スピードウェイの長いストレートに焦点を合わせ、最高速を重視したセッティングとしたケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)が314km/hという圧倒的な速度をマークし、第1レースのポールポジションを獲得。アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が2番手の速さで最前列を確保し、TDPドライバーの大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)が3番手で続いた。
 第2レースのグリッドは1周のラップタイムで決定されるが、1人1分24秒台に入れたロッテラーがポールポジション。2番手にTDPドライバーの平手晃平(Mobil1 TEAM IMPUL)がつけた。
 尚、この予選では、アタック中にコースアウトを喫したJ.P.デ・オリベイラ(Mobil1 TEAM IMPUL)とTDPドライバーの石浦宏明(Team LeMans)と井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)の3台が規定によりタイム抹消となり、それぞれ両レース共に年間のランキング順で13番手以降のグリッドに並ぶこととなった。

 フォーミュラ・ニッポンの予選に続き、午後2時5分からSUPER GTの予選がスタート。土曜日の第1レースと日曜日の第2レース、それぞれに登録したドライバーが20分のアタック。GT500の第1レースはZENT CERUMO SC430 38号車のリチャード・ライアンがポールポジション。フォーミュラ・ニッポンから慌ただしく乗り換えることとなったMJ KRAFT SC430 35号車の石浦が2番手タイムをマークした。第2レースはENEOS SC430 6号車の伊藤大輔が2番手。35号車のTDPドライバー 大嶋和也が3番手と上位グリッドを確保した。
 GT300では、第1レースでCOROLLA Axio apr GT 74号車を駆るTDPドライバーの国本雄資が2番手。第2レースではフォーミュラ・ニッポンとの掛け持ちとなる74号車の井口が10番手となった。

決勝
 13日(土)の富士は薄曇りながら太陽も顔を覗かせ、気温16度、路面温度20度のコンディションで午後12時45分にフォーミュラ・ニッポンの第1レースがスタートした。
 ポールポジションのコッツォリーノはスタートで出遅れ、6位に後退。最前列2番手のロッテラーが好スタートを切り、チームメイトの大嶋は3位で1コーナーへと進入していった。
 一周目からロッテラーが後続との差を広げていく一方で、3位の大嶋は2周目の第1コーナーで先行車をパスし、2位に浮上。トムスの1-2体制となった。
 後方では6位に後退したコッツォリーノと平手が激しい6位争いを展開。ストレートでの最高速が伸びるコッツォリーノと、コーナーで差を詰める平手との見応えあるバトルが中盤まで続いた。
 11周目、ついに平手がコッツォリーノの前に出ると、勢いに乗る平手は前を行く小暮卓史(NAKAJIMA RACING)とも素晴らしいドッグファイトを展開し、残り5周でパス、5位に浮上。
 首位を逃げるロッテラーと大嶋は盤石のままチェッカー。第1レースはトムスの2台が1-2フィニッシュを飾り、平手は5位でフィニッシュした。

 続いて午後2時からSUPER GT GT300クラスの第1レースが行われた。心配されたスタンディングスタートでも大きな混乱はなく、最前列2番手スタートの国本も好スタート。スタート直後はポールポジションから首位に立ったARTA Garaiya 43号車に並びかけるが、逆転までには至らず、2位で序盤戦を走行。
 一方8番手スタートとなったウェッズスポーツIS350 19号車の片岡龍也はスタートで大きく遅れ、ほぼ最後尾からの追い上げ。14番手スタートのMAGICAL CARBON apr Axio 31号車 松浦孝亮は11位まで1周目に順位を上げた。
 国本は4周目の1コーナーで43号車をパスし、首位に浮上。中盤戦以降は、追い上げてきたJIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430 11号車、triple a Vantage GT2 66号車という、海外の大排気量スーパーカーとの3台での首位争いとなった。
 大排気量による長いストレートでの最高速で優位性を持つ2台に食らいついていった国本だったが、惜しくもこの2台を破るまでには至らず、3位でチェッカー。レース後、66号車が30秒加算のペナルティを科されたために、最終結果は2位。追い上げた片岡が10位、そして松浦は12位となった。

 午後3時15分からはGT500クラスの決勝がスタート。スタンディングスタートから、ポールポジションの38号車 ライアンが好ダッシュを見せ、トップをキープ。フォーミュラ・ニッポンに続きこの日2レース目となる35号車 石浦も2位のポジションを守って続いた。
 5番手グリッドのPETRONAS TOM'S SC430 1号車 ロッテラーと6番手グリッドの6号車 ビヨン・ビルドハイムが1周目からサイド・バイ・サイドでの激しいバトルを展開し、何度か接触。この接触で2台共にピットインを強いられ、最後尾へと後退してしまった。
 序盤2位を走行していた石浦は、4周目から早くもタイヤの摩耗が始まりペースダウン。徐々にポジションを落とすこととなってしまった。
 一方、首位のライアンは後続に大差を付け、一度もその座を譲ることなくトップでチェッカー。第1レースを制した。

 明日の14日(日)はフォーミュラ・ニッポンの第2レースと、SUPER GTは本日走行したドライバーのパートナーがドライブを担当する第2レースが行われ、両レースの獲得ポイントの合計により、総合優勝が決定される。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー リチャード・ライアン:
昨年の開幕戦以来の勝利を挙げることができた。長い間ファンの皆様にはお待たせしてしまったが、やっと勝つことができた。久しぶりのポール・トゥ・ウィンで、ファンタスティックなレースだった。明日も立川選手に是非勝ってもらいたい。

COROLLA Axio apr GT 74号車 ドライバー 国本雄資:
スタンディングスタートは慣れているので、スタートでガライヤ(ARTA Garaiya 43号車)の前に絶対出ると決めて臨んだ。しかし中々抜けず、3周目でやっとスリップに入り、1コーナー進入でパスすることができた。ペースがとても良く、優勝できるかもしれないと思い始めたところで、アストンマーチン(triple a Vantage GT2 66号車)がみるみる近づいてきて、ストレートで抜かれてしまった。しかし良いタイムも出せたし、毎回こんなスタイルの戦いがしたいと思うくらい楽しむことができた。

リザルト

フォーミュラ・ニッポン 第1レース 結果表
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選最高速度
(km/h)
エンジン
136アンドレ・ロッテラーPETRONAS TEAM TOM'S2231'48.5392310.791TOYOTA RV8K
237大嶋 和也PETRONAS TEAM TOM'S229.5913310.256TOYOTA RV8K
310塚越 広大HFDP RACING2213.6314309.633HONDA HR10E
416井出 有治MOTUL TEAM 無限2214.4076303.456HONDA HR10E
520平手 晃平Mobil 1 TEAM IMPUL2217.3745305.776TOYOTA RV8K
632小暮 卓史NAKAJIMA RACING2219.4278301.003HONDA HR10E
72伊沢 拓也DOCOMO TEAM DANDELION RACING2223.13711298.178HONDA HR10E
831山本 尚貴NAKAJIMA RACING2229.44610300HONDA HR10E
97ケイ・コッツォリーノTeam LeMans2238.8121314.502TOYOTA RV8K
1019J.P・デ・オリベイラMobil 1 TEAM IMPUL2239.956--TOYOTA RV8K
113松田 次生KONDO RACING2241.767302.436TOYOTA RV8K
1218平中 克幸KCMG2242.5669300.334TOYOTA RV8K
138石浦 宏明Team LeMans2246.63--TOYOTA RV8K
1429井口 卓人DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING202Laps--TOYOTA RV8K
-1ロイック・デュバルDOCOMO TEAM DANDELION RACING121Laps-300HONDA HR10E
SUPER GT GT300 第1レース 結果表
順位No.車両ドライバー周回タイム/差予選予選タイム
111平中 克幸JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F4302238'43.65831'43.328
274国本 雄資COROLLA Axio apr GT223.03121'43.282
333藤井 誠暢HANKOOK PORSCHE2210.416151'44.390
47折目 遼M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 72211.961101'44.139
53星野 一樹TOMICA Z2215.3571'43.822
687坂本 祐也JLOC ランボルギーニ RG-32215.5691'44.033
743高木 真一ARTA Garaiya2222.81511'42.559
851坂本 雄也Sabelt CINE CITTA'タイサンポルシェ2225.769201'45.020
946阿部 翼アップスタート MOLA Z2226.44961'43.770
1019片岡 龍也ウェッズスポーツIS3502228.50381'44.017
1231松浦 孝亮MAGICAL CARBON apr Axio2229.958141'44.282
SUPER GT GT500 第1レース 結果表
順位No.車両ドライバー周回タイム/差予選予選タイム
138リチャード・ライアンZENT CERUMO SC4302235'31.50811'33.475
217塚越 広大KEIHIN HSV-010224.89391'34.011
312ロニー・クインタレッリカルソニック IMPUL GT-R227.22131'33.536
424安田 裕信HIS ADVAN KONDO GT-R228.55281'33.857
523ブノワ・トレルイエMOTUL AUTECH GT-R229.198121'34.565
632中山 友貴EPSON HSV-0102215.407101'34.145
718ロイック・デュバルウイダー HSV-0102215.45341'33.662
835石浦 宏明MJ KRAFT SC4302216.4121'33.511
98井出 有治ARTA HSV-0102239.897131'34.572
1039アンドレ・クートDENSO DUNLOP SARD SC430221'32.290111'34.260
116ビヨン・ビルドハイムENEOS SC430211Lap61'33.772
131アンドレ・ロッテラーPETRONAS TOM'S SC430211Lap51'33.672