TOYOTA MOTOR SPORTS
2010年11月14日(日)配信

「JAFグランプリ」フォーミュラ・ニッポンはアンドレ・ロッテラーが制覇
SUPER GT第2レースはLEXUS SC430の伊藤大輔が初優勝!
総合でもLEXUS SC430の3チームがトップ3独占


SUPER GTのJAFグランプリはENEOS SC430 6号車の伊藤大輔
(中央左)/リチャード・ライアン(中央右)組が獲得。2位にZENT CERUMO SC430 38号車、3位がMJ KRAFT SC430 35号車となり、LEXUS SC430がトップ3を独占した
 「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」が静岡県の富士スピードウェイで11月12日(金)から14日(日)にかけて開催。最終日の14日(日)はフォーミュラ・ニッポン、SUPER GT共に第2レースが行われた。
 前日13日(土)に行われた第1レースでは、フォーミュラ・ニッポンでアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)とTDPドライバーの大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)が1-2フィニッシュ。SUPER GTではGT500クラスでZENT CERUMO SC430 38号車のリチャード・ライアンがポール・トゥ・ウィン。GT300クラスでもCOROLLA Axio apr GT 74号車を駆るTDPドライバーの国本雄資が2位フィニッシュを果たしている。

第2レース決勝
 14日(土)、午前中往年の名ドライバー達により競われたレジェンドカップ、航空自衛隊のジェット戦闘機によるデモフライトを経て、午後12時45分からフォーミュラ・ニッポンの第2レース(22周:100km)がスタートした。
 ポールポジションのロッテラーが好スタートを切る一方で、予選で2番手につけたTDPドライバーの平手晃平(Mobil1 TEAM IMPUL)は水温上昇によりスタートで出遅れ、後続に飲み込まれてしまった。
 ロッテラーは前日の第1レースに引き続き、2位以下を引き離しながら快走。後続では各所で激しいバトルが展開された。8位まで順位を落とした平手は、前を行く松田次生(KONDO RACING)を9周目にサイド・バイ・サイドでのバトルの末にパスし7位浮上。この直後に大嶋も松田をかわし、平手に続いた。
 なおも追い上げを続けた平手は、14周目にも接触スレスレのドッグファイトを繰り広げ、6位へ。距離の短いスプリントレースで、それ以上のポジションアップは叶わなかったが、大嶋と共に力強い走りで観客を沸かせた。
 一方、圧倒的な速さで首位を独走したロッテラーは最後までトップを守ってチェッカー。第1レースに続き2連勝を飾った。

 続いて午後2時よりGT300クラスの第2レースがスタート。慣れないスタンディングスタートで、最前列の2台がシグナルブラックアウト前に動き出してしまう波乱のスタートとなった。
 先のフォーミュラ・ニッポンから僅か30分ほどのインターバルでカローラアクシオに乗り換えこのレースに出場した74号車のTDPドライバー 井口卓人は、10番手スタートから1周目に8位までポジションアップ。19番手グリッドからスタートしたMAGICAL CARBON apr Axio 31号車の嵯峨宏紀は、スタート直後の混乱の中で他車と接触。コース外にはじき出され、クラッシュ。レースを終えてしまった。
 井口は1台先行を許したものの、ジャンプスタートの上位勢にペナルティが科されたこともあり、7位で走行。そのままの順位でチェッカーを受けた。

 午後3時10分からは、このイベント最後のレースとなるGT500クラスの第2レースがスタート。予選2番手で最前列からスタートを切った6号車の伊藤大輔が、久しぶりのスタンディングスタートながら好ダッシュを決め、首位に浮上。3番手スタートのMJ KRAFT SC430 35号車大嶋は若干ポジションを落とし、5位で序盤戦へ。
 スタート直後の1コーナーでは、中団で接触があり、これに巻き込まれた38号車の立川祐路は、ピットインを余儀なくされ、周回遅れとなってしまった。
 5位につける大嶋は、3周目に見事なパッシングで4位へポジションアップ。その後も好走を見せ11周目には3位に浮上した。
 一方、中団では1号車の脇阪寿一が激しいバトルを展開。何度も前走車に並びかけ、コースオフを喫しながらも立て直してアタックを続ける脇阪に、観客は釘付けとなった。
 首位を行く伊藤は、一時2位以下に大きな差をつけたが、終盤タイヤが厳しくなりペースダウン。2位のウイダー HSV-010 18号車 小暮卓史の追い上げを受けたが、その後小暮もペースダウン。そこに、着実にタイヤをマネージメントし終盤ペースを上げてきた大嶋が迫り、残り5周で小暮をパスして2位に浮上。更に伊藤を追った。
 猛烈な追い上げで伊藤との差を見る見る縮めた大嶋は、最終ラップにはテール・トゥ・ノーズ状態まで持ち込んだが、追い上げもここまで。伊藤が逃げ切り、トップでチェッカーを受けた。伊藤はLEXUS SC430での初勝利を挙げることとなった。
 2位に大嶋。脇阪は追い上げた最終ラップ、最終コーナーでもコースオフを喫するなど激しいレースとなったが7位フィニッシュ。平手が8位に入った。

 2日間の総合では、フォーミュラ・ニッポンは2連勝のロッテラーが文句無しのJAFグランプリ総合優勝を勝ち取った。
 SUPER GTのGT300クラスでは74号車の国本/井口組が総合3位。
 GT500クラスでは、同ポイントで6号車と38号車が並んだが、規則により2レースの所要時間を合算して短かった方が優先となり、僅か12秒差で6号車伊藤/ビルドハイム組が見事JAFグランプリを獲得。38号車の立川/ライアン組が2位、35号車の石浦/大嶋組が3位となり、LEXUS SC430がトップ3を独占する結果となった。

 20年振りのJAFグランプリとして行われた今イベントは、13日(土)に23000人、14日(日)も33000人のモータースポーツファンが集まり、大盛況のうちに幕を閉じた。

ENEOS SC430 6号車 ドライバー 伊藤大輔:
タイヤのペースコントロールは昨日のビヨン(・ビルドハイム)の走りでシミュレーションができていた。大嶋の追い上げについては、昨日35号車のポテンシャルがとても良かったので、その存在を恐れてはいたが、負けるわけにはいかないので、自分を信じて走った。チーム ルマンに来て3年。エネオスをスポンサーに迎えて3年。シリーズのタイトルは取り逃したものの、今シーズン最後のレースを優勝で終わることができてほっとしている。

MJ KRAFT SC430 35号車 ドライバー 大嶋和也:
スタートで失敗した瞬間このレースは終わったと思ったが、思いの外、追い上げることができた。しかし、あと少しで6号車をパスできるところまで頑張っただけに、2位に終わって多少悔しい気持ちもあるが、全力は尽くした。再来週のTMSFでファンの皆様に再び自分の走りを披露できることを楽しみにしている。

リザルト

フォーミュラ・ニッポン 第2レース 結果表
順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
136アンドレ・ロッテラーPETRONAS TEAM TOM'S2231'39.94111'24.776TOYOTA RV8K
231山本 尚貴NAKAJIMA RACING226.98961'25.952HONDA HR10E
316井出 有治MOTUL TEAM 無限2222.29981'26.668HONDA HR10E
42伊沢 拓也DOCOMO TEAM DANDELION RACING2225.57541'25.912HONDA HR10E
51ロイック・デュバルDOCOMO TEAM DANDELION RACING2226.787-1'57.584HONDA HR10E
620平手 晃平Mobil 1 TEAM IMPUL2227.36221'25.135TOYOTA RV8K
710塚越 広大HFDP RACING2231.91731'25.545HONDA HR10E
837大嶋 和也PETRONAS TEAM TOM'S2232.519101'26.798TOYOTA RV8K
929井口 卓人DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING2237.059-TOYOTA RV8K
103松田 次生KONDO RACING2240.928111'26.977TOYOTA RV8K
1118平中 克幸KCMG2243.28351'25.947TOYOTA RV8K
128石浦 宏明Team LeMans2243.392-TOYOTA RV8K
1332小暮 卓史NAKAJIMA RACING2259.53491'26.724HONDA HR10E
1419J.P・デ・オリベイラMobil 1 TEAM IMPUL211Laps-TOYOTA RV8K
-7ケイ・コッツォリーノTeam LeMans220Laps71'26.629TOYOTA RV8K
フォーミュラ・ニッポン 総合結果 (トップ3)
総合順位No.ドライバー総合得点レース順位
(第1レース/第2レース)
136アンドレ・ロッテラー201/1
216井出 有治74/3
36山本 尚貴68/2
SUPER GT GT300 第2レース 結果表
順位No.車両ドライバー周回タイム/差予選予選タイム
111田中 哲也JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F4302238'43.00041'43.698
23柳田 真孝TOMICA Z221.55871'43.856
346横溝 直輝アップスタート MOLA Z221.99361'43.810
425土屋 武士ZENT Porsche RSR223.13851'43.794
52加藤 寛規アップル・K-one・紫電223.615111'43.896
67谷口 信輝M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7224.254121'43.921
774井口 卓人COROLLA Axio apr GT2210.503101'43.883
851山内 英輝Sabelt CINE CITTA'タイサンポルシェ2211.344131'44.286
927山岸 大NAC 衛生コム LMP Ferrari2223.216151'44.384
105黒澤 治樹マッハGOGOGO車検408R2223.96621'43.175
1219織戸 学ウェッズスポーツIS3502228.03141'44.293
-31嵯峨 宏紀MAGICAL CARBON apr Axio0191'44.926
SUPER GT GT500 第2レース 結果表
順位No.車両ドライバー周回タイム/差予選予選タイム
16伊藤 大輔ENEOS SC4302235'41.14621'33.705
235大嶋 和也MJ KRAFT SC430220'00.83731'33.787
318小暮 卓史ウイダー HSV-010220'01.451121'34.354
432道上 龍EPSON HSV-010220'02.39781'33.953
512松田 次生カルソニック IMPUL GT-R220'11.03011'33.569
623本山 哲MOTUL AUTECH GT-R220'13.63591'33.969
71脇阪 寿一PETRONAS TOM'S SC430220'24.112111'34.060
839平手 晃平DENSO DUNLOP SARD SC430220'24.905131'35.216
9100伊沢 拓也RAYBRIG HSV-010220'32.18141'33.847
1024J.P・デ・オリベイラHIS ADVAN KONDO GT-R220'41.07461'33.892
118ラルフ・ファーマンARTA HSV-010211Lap101'34.044
1217金石 年弘KEIHIN HSV-010211Lap71'33.898
1338立川 祐路ZENT CERUMO SC430211Lap51'33.854
SUPER GT GT300 総合結果(トップ3)
総合順位No.第1レース第2レース合計得点
ドライバー得点ドライバー得点
111平中 克幸1田中 哲也140
23星野 一樹5柳田 真孝221
374国本 雄資2井口 卓人719
SUPER GT GT500 総合結果(トップ3)
総合順位No.第1レース第2レース合計得点
ドライバー得点ドライバー得点
16ビヨン・ビルドハイム11伊藤 大輔120
238リチャード・ライアン1立川 祐路1320
335石浦 宏明8大嶋 和也218