2000年10月22日(日)配信

JGTC最終戦。GT300クラスでMR-Sが初優勝!
引退レースとなった関谷正徳組のスープラは9位でフィニッシュ


写真
JGTC最終戦で初優勝を飾った
新田守男/高木真一組のトヨタ・MR-S
予選
 全日本GT選手権の最終戦となる第7戦「SUZUKA GT300km」が10月21日~22日にかけて三重県の鈴鹿サーキットで開催された。GT500クラスのチャンピオン争いでは、1位に12ポイント差の4番手につけるスープラ38号車の竹内浩典/立川祐路組が逆転チャンピオンの可能性をもってこの最終戦に臨んだ。第4、5戦の連続ポールポジション獲得、そして第5戦の優勝と波に乗るスープラ38号車は今回、ニューボディを投入。ポテンシャルアップによる好成績が期待された。
 20日に行われた練習走行は、あいにくの雨模様だったが、明けて21日は快晴、ドライのもとでの予選となったため、各車はセッティングを合わせるのにおおわらわだった。午後から曇天となり気温も下がった2回目のセッションで多くの車両がベストタイムをマーク。その中でスープラ36号車が好タイムを叩き出して5番手に食い込んだ。一方、新車投入で逆転チャンピオンを狙うスープラ38号車は新車故のトラブルに見舞われ、セッティングを詰め切れず15番手からのスタートとなった。
 GT300クラスではMRーS31号車が練習走行時からセッショントップタイムを出すなど調子を上げ、予選でも惜しくもポールポジションは逃したものの、僅差の2番手タイムをマークして決勝での活躍に期待をつないだ。

決勝
 22日の決勝日は朝から曇天。午後の予報は70%の降雨確率で午後2時のスタート前には一瞬雨粒が落ちるなど、チームはピット/タイヤ作戦のシミュレーションに頭を悩ませることとなった。決勝スタート前には、今季いっぱいでレースドライバー引退を発表している関谷正徳の引退セレモニーが行われ、パレードランでは関谷正徳は子供たちと一緒にコースを一周。観客からの声援と拍手に手を振って応えていた。
 決勝では、スープラ勢最上位の5番手からスタートした関谷/土屋組のスープラ36号車は中盤まで6~7番手を走行、土屋武士から関谷正徳にドライバー交代のあとも8番手をキープするが、終盤タイヤの摩耗が激しくなり、2台のスープラにパスされて9位でチェッカーを受けた。また、15番手からのスタートながら、決勝での好走が期待されたスープラ38号車は、無線交信の不調から予定より早く、同チームのスープラ32号車のタイヤを用意したピットに入ってしまい、32号車ともどもピットアウトに手間取ってタイムロス。このため、後半タイヤが摩耗しペースを上げることができず、11番手でチェッカー。惜しくもチャンピオンの逆転獲得はならなかった。
 GT300クラスでは、ポールポジションからスタートのポルシェ・ボクスターを、MR-S31号車が10周目にかわして首位に。31号車はピットインをきっかけに、先にピットを済ませていたポルシェ26号車にパスされるが、後半猛追。残り4周となったところで見事逆転、MR-Sの初優勝を飾った。今年ゼロからの開発となったMR-Sだが、シーズン後半に大幅な進捗を見せ、高いポテンシャルを実証。来年のチャンピオン奪還を目指す。
 日本国内の4輪レースとしては最高の観客動員数を誇るJGTCも今季の日程を終了。今年はマレーシアでのオールスター戦の開催など、より国際色の増したビッグレースへと成長した。来季も白熱したバトルが期待される。


OPEN INTERFACE TOM'S SC430 36号車 ドライバー 脇阪寿一のコメント:
 最後は駆動系にトラブルの兆候が感じられたためペースを抑えたが、2位入賞という結果には満足している。暑さは予想以上だったが、レクサスSC430の仕上がりは上々で我々のタイヤチョイスも当たっていた。残された終盤2戦も全力で戦い、チャンピオン獲得を目指す。


OPEN INTERFACE TOM'S SC430 36号車 ドライバー A.ロッテラーのコメント:
 今回の2位入賞でランキング首位に躍進することが出来て嬉しい。ハンディウエイトも厳しくなるが、最終戦の富士が勝負だと思う。積極的に攻めて行きたい。


ZENTセルモSC1号車 ドライバー 立川祐路のコメント:
 予選ではマイナートラブルから不本意な順位にとどまったが、決勝は本来の調子を取り戻すことが出来た。タイトル防衛を考えると今回は表彰台獲得が必須だっただけにほっとしている。


ZENTセルモSC1号車 ドライバー 高木虎之介のコメント:
 今回3位入賞を果たせたことは大きな意味を持つ。チームも良い仕事をしてくれた。残り2戦、まだまだ厳しい戦いが続くが、終盤戦も気を抜かずに頑張りたい。


トヨタ自動車(株)モータースポーツ部福田芳純担当員のコメント:
 今回もトヨタとTRDそして各チームの全員が頑張ってくれ、良い結果を残すことが出来た。残り2戦となったが、最後までチャンピオンを目指してベストを尽くしたい。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回
1 64 ホンダNSX 伊藤大輔/D.シュワガー 1:48'07.510 51
2 16 ホンダNSX 道上龍/光貞秀俊 0'44.046 51
3 12 日産スカイラインGT-R 星野一義/本山哲 1'06.799 51
4 2 日産スカイラインGT-R 片山右京/M.クルム 1'07.021 51
5 1 日産スカイラインGT-R E.コマス/影山正美 1'29.113 51
6 6 トヨタスープラGT 野田英樹/W.ガードナー 1'33.706 51
7 35 トヨタスープラGT 山路慎一/P-H.ラファネル 1'49.674 51
8 3 日産スカイラインGT-R 長谷見昌弘/田中哲也 1'50.138 51
9 36 トヨタスープラGT 関谷正徳/土屋武士 1'52.086 51
10 32 トヨタスープラGT 木下隆之/近藤真彦 2'10.236 51
チーム車両No.ドライバー決勝結果
エッソウルトロン トヨタチームル・マン トヨタスープラGT 6 野田英樹/W.ガードナー 6位
マツモトキヨシ TEAM TOM'S トヨタスープラGT 35 山路慎一/P-H.ラファネル 7位
TOYOTA Castrol TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 関谷正徳/土屋武士 9位
cdmaOne TOYOTA TEAM CERUMO with key's トヨタスープラGT 32 木下隆之/近藤真彦 10位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 11位
TOYOTA Castrol TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 荒 聖治/鈴木利男 12位
ENDLESS+土屋エンジニアリング トヨタスープラGT 25 木下みつひろ/織戸学 13位
トヨタチームサード トヨタスープラGT 39 影山正彦/R.ファーマン 32位
Super AUTOBACS Racing Team with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男/高木真一 16位/1位
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 20 松永雅博/佐藤久実 22位/7位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 脇阪薫一/原貴彦 33位/17位
KRAFT トヨタスプリンタートレノ 86 田中実/松田晃司 リタイア
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 道上 龍 74
2位 E.コマス/影山正美 68
3位 星野一義/本山哲 66
4位 伊藤大輔/D.シュワガー 58
5位 竹内浩典/立川祐路 48
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 無限×童夢Projrct 96
2位 NISMO 79
3位 TEAM IMPUL 66
4位 Mobil 1 NAKAJIMA RACING 58
5位 TOYOTA TEAM CERUMO 48