2001年4月15日(日)配信

JGTC開幕。GT300クラスでMR-Sが先制殊勲!!
GT500クラスを戦うスープラ勢は苦戦。山路/ガードナー組が5位入賞

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2001年の開幕戦で見事優勝を飾った
新田守男/高木真一組のトヨタ・MR-S
 2001年全日本GT選手権の第1戦「GT選手権レースin TI」が4月14~15日にかけて岡山県のTIサーキット英田で開催された。好天に恵まれた決勝日には5万500人の観客が訪れ、相変わらず人気の高いJGTCを印象つけた。しかし、予選/決勝とも、滑りやすく、コンディションの変わりやすいコースに荒れた展開となり、期待のトヨタ・スープラ勢は、苦戦する結果となった。
 開幕戦にエントリーしたのはGT500クラスにスープラ7台、GT300クラスにはMR-S3台とスプリンター・トレノ1台の計11台で、多彩な参加車両を誇るJGTCの中でもトヨタ勢は最多となっている。なお、MR-Sは、第2戦からレーシングプロジェクトバンドウが出場予定の他、序盤戦はトレノを走らせるクラフトもMR-Sにスイッチの予定。
 今年のトヨタ・スープラは、軽量化や空力性能、サスペンション、エンジンと車両全体に改良を施して大幅に進化。 また、昨年最終戦で初優勝を飾ったMR-Sも各部をリファインされ、より戦闘力を高めることとなった。

予選
 14日(土)に行なわれた予選は、直前に行われたカートの予選でコース上が汚れており、新田守男のドライブでトップタイムをマークした直後のARTA・アペックスMR-S31号車が、先行車の撒いたオイルでコースアウト。予選は赤旗中断となってしまう。
 その後、予選終盤にもコースアウト車両により再び赤旗中断という荒れた展開に。このため、早めにタイムアップを果たしたデンソーサードスープラGT39号車がNSX1号車に続く2番手を獲得した。タイムアタック担当は、今季F3選手権にも参戦しているJ.デュフォア。J.デュフォアはGTレースは初体験ながら、トヨタ勢最高位のタイムをマークした。以下7番手のauセルモスープラ38号車、9番手のエッソウルトロンスープラ6号車を含め、予選上位10台がコースレコードを更新した。
 GT300クラスではコースアウトを喫した、MR-S31号車の高木真一が基準タイムをクリア出来ず、午後のセッションに臨んだ。しかし、開始直前に小雨に見舞われる場面もあったが、結局路面を濡らすほどは降らず、無事タイムクリアを果たしMR-S31号車がポールポジションを獲得した。

決勝
 15日(日)の決勝レースはオープニングラップ1コーナーで土屋武士のカストロールトムススープラ36号車が他車と接触してスピン、フロントローからスタートした39号車もスタートを失敗して5位へと後退した。また、10位へと順位を下げた6号車は、脇阪寿一の果敢なドライブで先行車を追い上げ、5~7位を走行するが、先行するNSXと接戦を繰り広げていた31周目に接触。フロントサスペンションを壊してリタイヤしてしまった。
 さらに、レース中盤までに4位へと浮上した38号車だが、37周目の最終コーナーでメカニカルトラブルのため突然スピンしてコースアウトし、転倒。ドライバーの竹内浩典は、腰などに打撲傷を負ったものの大事には至らなかった。
 その後は、マツキヨZENTトムススープラ37号車と39号車が6位争いを展開するが、39号車は無線のミスで予定外のピットインをしてしまい後退。結局37号車がトヨタ勢最上位の5位でチェッカーを受け、39号車は7位でゴールした。
 一方、GT300クラスでは、MR-S31号車がスタートからスパートして後続を引き離し快走。終盤タイヤ摩耗に苦しめられながらも見事な走りを見せ、執拗に迫るインプレッサ77号車から逃げ切り、ポール・トゥ・ウィンで昨年の最終戦鈴鹿に続く連続優勝を記録した。

ARTA・アペックスMR-S31号車のドライバー 新田守男のコメント:
今日は最初飛ばして逃げ切るしかないと思ってました。MR-Sも改良されてきて調子は良いのですが、ここTIは走るたびに印象が変わり、セットアップに苦労しました。後半はインプレッサが迫って来て、ワンミスで抜かれる状況だったのでヒヤヒヤしましたが、高木選手が頑張ってくれました。次戦以降ウエイトを積むことになりますが、幸先の良いスタートが切れたと思います。

ARTA・アペックスMR-S31号車のドライバー 高木真一のコメント:
最後は辛かった。インプレッサとの差はGT500にコースを譲るたびに詰まったり、離れたりなんですが、オーバーステアにも悩まされました。勝てて本当に良かったです。

マツキヨZENTトムススープラ37号車のドライバー 山路慎一のコメント:
我々はガードナーと私どちらが乗っても同じパフォーマンスを発揮できるのが強み。もちろんまだベストな状態ではありませんが、シーズンを見据えて頑張ります。

デンソーサードスープラGT39号車のドライバー J・デュフォアのコメント:
初めてのGTレースとしては、まずまずでしょう。ちょっとミスもしましたし...。速度差の大きいGT300をパスすることや長いレース距離は、フォーミュラレースには無いものです。でもチームが良くやってくれ、自分としてもレースをエンジョイ出来ました。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回
1 1 ホンダNSX 道上 龍/光貞秀俊 2:10.09.601 82
2 8 ホンダNSX 土屋圭市/金石勝智 3.669 82
3 64 ホンダNSX D.シュワガー/松田次生 33.537 82
4 22 日産スカイラインGT-R M.クルム/田中哲也 36.651 82
5 37 トヨタスープラGT 山路慎一/W.ガードナー 48.727 82
6 100 ホンダNSX 飯田 章/伊藤大輔 57.936 82
7 39 トヨタスープラGT 影山正彦/J.デュフォア 1'03.507 82
8 30 マクラーレンGTR 岡田秀樹/A.クート 1'15.606 82
9 25 トヨタスープラGT 織戸 学/荒 聖治 1'30.076 82
10 21 マクラーレンGTR 中谷明彦/木下みつひろ 1Lap 81
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 山路慎一/W.ガードナー 5位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 影山正彦/J.デュフォア 7位
土屋エンジニアリング トヨタスープラGT 25 織戸 学/荒 聖治 9位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 黒澤琢弥/土屋武士 11位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 33 片山右京/近藤真彦 12位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 リタイア
ESSO TOYOTA TEAM Le Mans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/野田英樹 リタイア
ARTA with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男/高木真一 16位/1位
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 0 松永まさひろ/佐藤久実 25位/10位
KRAFT トヨタスプリンター トレノ 86 長嶋正興/松田晃司 リタイア
シグマテックレーシングチーム トヨタMR-S 71 城内政樹/田嶋栄一 リタイア