2002年5月 4日(土)配信

トヨタ・スープラが1-2フィニッシュ! 鉄壁の完全勝利 GT300クラスのMR-Sは3位入賞で ポイントランキング首位を堅持

写真
JGTC第2戦をポール・トゥ・ウィンで飾った
脇阪寿一/野田英樹組のトヨタ・スープラ
 全日本GT選手権の第2戦「ALL JAPAN カッチャオ FUJI GT RACE」が5月2日~4日、富士スピードウェイで開催された。5月の連休恒例の同大会はJGTCのほか、全日本F3選手権第5/6戦、ネッツカップアルテッツアシリーズの第2戦、同じくヴィッツ関東シリーズの第3戦、エッソフォーミュラトヨタシリーズの第3戦と、人気のサポートレースが3日間に渡り盛り沢山に併催された。
 今回の見所のひとつはJGTCとして初めて、レース距離が500kmとなったことで、GT500勢とGT300の多くは、給油とタイヤ交換のために、2回のピットインを余儀なくされることになった。また、ブレーキの負担も大きくなるなど、耐久レースの色彩がより強まり、チームの作戦も重要度を増すこととなった。
 トヨタ勢は、GT500クラスにスープラが7台、GT300クラスにはMR-S3台とAE86スプリンタートレノが出場。MR-S勢の内、開幕戦には欠場していたウェッズスポーツMR-S19号車がこのレースでデビュー。一方、開幕戦には出場したシグマMR-S71号車が、レース中にクラッシュした車両の修復が間に合わず、このレースは欠場となった。

予選
 2日(水)に行われた公式練習走行では気温17度と3月下旬並みの冷え込みの中、午前中のセッションでカストロールトムススープラ36号車の土屋武士がトップタイムを記録するなど、トヨタ勢は好調な滑り出しを見せた。
 3日(木)の公式予選は、午前中のセッションが雨の中で行われ、GT500クラスでは、エッソウルトラフロースープラ6号車の野田英樹が終盤雨脚の弱まった隙を突いてトップタイムを記録したが、その後雨は上がり、午後のセッションまでにコースも乾き予選タイムアタックは、仕切り直しとなった。
 予選終盤に再び小雨に見舞われる中、スープラ6号車とauセルモスープラ38号車の2台とマクラーレンGTRが激しくトップタイム争いを展開していたが、予選終了1分前にスープラ38号車の立川祐路がトップタイムを更新。さらに、最終周でスープラ6号車の脇阪寿一が逆転し、ポールポジションを奪取した。 また、GT300クラスでは、午後の予選セッション終了間際に新田守男のMR-S31号車が渾身のアタックで2番手を獲得した。

決勝
 4日(金)の決勝は曇り。スタートでマクラーレンGTRがトップを奪うものの、4周目にはスープラ38号車が首位逆転。これをスープラ6号車が追う1、2体制で序盤戦をリード。
 しかし、38周目にスープラ38号車が1回目のピットイン。続く次周にはスープラ6号車もピットへ向かうが、38号車はピットイン直前の周回でGT300車両に行く手を阻まれ、さらにピットからのスタート時にエンジンストール。始動に手間取りタイムロス。代わってスープラ6号車が首位に立った。
 その後、猛追を開始したスープラ38号車であったが、不運にもブレーキトラブルに見舞われ、また、2度目のピットインでもエンジンストールを喫するなど、首位を逃げるスープラ6号車との差はなかなか詰まらず苦戦。しかし、スープラ同士の激しい首位争いに大観衆はやんやの喝采。
 この声援に応えるかのように、レース終盤のイエローコーションをチャンスとばかりに、スープラ38号車は再スタートで猛ダッシュを図り首位へと詰め寄るが、レースは、残りわずか4周。結局スープラ同士の手に汗握る凌ぎ合いは、0.893秒差の僅差でスープラ6号車が逃げ切り優勝。スープラ38号車が2位と、スープラ勢がワン・ツー・フィニッシュの完全勝利を達成した。
一方、GT300クラスでは、ストレートスピードに勝るライバル勢に対し、急遽ワンストップピット作戦に切り替え、タイヤを温存しての走行で順位を上げたMR-S31号車が、見事3位でチェッカーを受け、開幕戦に続き表彰台を獲得。ポイント首位を守り切った。

エッソウルトラフロースープラ6号車のドライバー 脇阪寿一のコメント:
今日はとにかくめちゃくちゃに嬉しい。スープラに乗って2レース目で結果を出すことが出来ました。序盤にセルモ・スープラ38号車に先行されましたけど、スタートでは無理な加速はしたくなかったし、ピットで必ず逆転出来ると確信していました。

auセルモスープラ38号車のドライバー 竹内浩典のコメント:
詰めのところで、6号車に負けてしまった。ブレーキにトラブルが出てしまったのが悔しいけれど、500kmレースでは今まで起きなかったことが起きますね。でもレースファンにとっては、セーフティカーが入って仕切り直しになったり、面白いレースだったのではないかな。

auセルモスープラ38号車のドライバー 立川祐路のコメント:
2位でしたが、思いきり走った結果なので、満足です。次のSUGOは、ウェイトを積まなくてはいけないので、厳しいかもしれませんが、タイトルを目指して頑張ります。

ARTA・アペックスMR-S31号車のドライバー 新田守男のコメント:
シルビア勢にストレートスピードで負けていたので辛かった。しかし、決勝レースは1ストップ作戦が成功したのが何より嬉しい。今回は、チームとしてもベストな結果です。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回
1 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一/野田英樹 3:03'47.900 114
2 38 トヨタスープラGT 竹内浩典/立川祐路 0'00.893 114
3 22 日産スカイラインGT-R M.クルム/田中哲也 0'07.692 114
4 23 日産スカイラインGT-R E.コマス/影山正美 0'09.502 114
5 100 ホンダNSX 飯田 章/伊藤大輔 0'09.846 114
6 8 ホンダNSX 土屋圭市/金石勝智 0'12.589 114
7 39 トヨタスープラGT 影山正彦/J.デュフォア 0'15.966 114
8 1 ホンダNSX 道上 龍/光貞秀俊 0'17.288 114
9 37 トヨタスープラGT 山路慎一/W.ガードナー 0'26.108 114
10 36 トヨタスープラGT 黒澤琢弥/土屋武士 0'28.928 114
チーム車両No.ドライバー決勝結果
ESSO TOYOTA TEAM Le Mans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/野田英樹 1位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 2位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 影山正彦/J.デュフォア 7位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 山路慎一/W.ガードナー 9位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 黒澤琢弥/土屋武士 10位
土屋エンジニアリング トヨタスープラGT 25 織戸 学/荒 聖治 11位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 33 片山右京/近藤真彦 14位
ARTA with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男/高木真一 17位/3位
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 0 松永まさひろ/佐藤久実 26位/11位
RACING PROJECT BANDOH トヨタMR-S 19 田中 実/後藤 聡 31位/16位
KRAFT トヨタスプリンタートレノ 86 長島正興/松田晃司 33位/18位
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 道上 龍/光貞秀俊 23
2位 M.クルム/田中哲也 22
3位 土屋圭市/金石勝智 21
4位 脇阪寿一/野田英樹 20
5位 竹内浩典/立川祐路 15
8位 山路慎一/W.ガードナー 10
10位 影山正彦/J.デュフォア 8
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 無限×童夢Projrct 23
2位 NISMO 22
3位 AUTOBACS RACING TEAM AGURI 21
4位 ESSO TOYOTA TEAM Le Mans 20
5位 TOYOTA TEAM SERUMO 15
8位 TOYOTA TEAM TOM'S 10
9位 TOYOTA TEAM SARD 8