2001年5月27日(日)配信

トヨタ・スープラの山路/ガードナー組が逆転勝利!
竹内/立川組のスープラが3位、脇阪/野田組のスープラが5位入賞

写真
JGTC第3戦で優勝を飾った
山路慎一/W.ガードナー組のトヨタ・スープラ
 全日本GT選手権第3戦「SUGO GT CHAMPIONSHIP」が5月26日と27日の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
 木曜日の合同テストこそ終日雨に見舞われたスポーツランドSUGOだが、金曜日からの週末は3日間共晴れ時々曇りのドライコンディションでレースウィークエンドを迎えた。
 このレースから、デンソーサードスープラ39号車を走らせるトヨタ・チーム・サードはドライバーを交代。これまでの影山正彦に代わってR.デュマがJ.デュフォアとコンビを組むことになった。R.デュマはフランス、アレス出身の23歳。現在国際F3000に参戦中で、GTは、まったくの初挑戦だが、闘争心のある若手ドライバーを起用したいというチームの意向から抜擢された。僚友となるJ.デュフォアとは同じフランス人同士の知り合いでもあり、コミュニケーションの問題もないという。

予選
 金曜日の公開練習では、午前中のセッションでカストロールトムススープラ36号車がトップタイムをマーク。土曜日の公式予選でも1回目の予選セッションでコースレコードを更新するトップタイムを叩き出し期待をあおった。
 路面コンディションの荒れた2回目ではタイムアップかなわず予選3番手スタートとなるものの、予選8番手スタートのマツキヨZENTトムススープラ37号車ともども、ミシュランタイヤを履くトムス勢は決勝レースへの手応えを掴んだ。
 また、auセルモスープラ38号車はサスペンションセッティングに悩みながらも、5番手グリッドを獲得。前戦第2戦富士でポール・トゥ・ウィンを果たしたエッソウルトラフロースープラ6号車は80kgものハンディウエイトを搭載の上、ブレーキにトラブルを抱えて予選12番手であった。
 一方、GT300クラスでは、シグマMR‐S71号車が見事ポールポジションを獲得。ポイントリーダーのARTA・アペックスMR‐S31号車はトラブルに見舞われ予選15番手に甘んじた。

決勝
 決勝レースは27日(日)午後2時28分にスタート。予選3番手からスタートのスープラ36号車は、スタートで出遅れ4位に後退するが、5周目に3位へ復帰。さらに9周目には2位へと躍進し、首位のNSX8号車を追撃。20周目には遂に首位奪取。この後もNSX8号車とスープラ36号車は熾烈なデッドヒートを繰り広げ、目まぐるしく順位を入れ替えながらの首位攻防戦に観客は大興奮。
 しかし、スープラ36号車は43周目にドライバー交代でピットインした際に、接戦中の接触でエアジャッキが上手く作動せず、その上、給油中にエンジンを始動する指示ミスがあり、10秒間のペナルティストップが課せられてしまった。この思わぬトラブルで順位を下げた36号車に代わって、中盤のピット作業を短時間に済ませたスープラ37号車がNSX8号車に続く2位につけて後半戦へ。
 ところがここでプロジェクトμ・エスペリアトレノ86号車が駆動系トラブルでストップし、漏れたギアオイルが排気管の熱で燃え上がり、レースは一時中断。幸いトレノを駆る松田晃司は無事だったが、トレノは半焼してしまった。チームは次戦からMR‐Sにスイッチ予定で、AE86最後のレースは、残念な結果となってしまった。
 終盤戦へと再スタートしたレースは、スープラ37号車が慎重に首位を逃げるNSX8号車を追い詰め、64周目の第1コーナーでついにNSX8号車を捕らえてパス。その後は順調にリードを広げて逃げ切り、見事今季初優勝を飾った。
 スープラ37号車のW.ガードナーは99年第5戦富士に次ぐ2勝目。山路慎一は一昨年のSUGOでは2位、昨年も3位とSUGOを得意とするが、スープラではJGTC初優勝。トヨタ・チーム・トムスにとっては、99年第7戦MINEで関谷正徳/黒澤琢弥組が勝利をものにして以来の優勝となった。また、3位には、スープラ38号車が入賞。さらに、スープラ6号車も5位に入ってポイントを加算することとなった。

マツキヨZENTトムススープラ37号車のドライバー 山路慎一のコメント:
チームとスポンサーに応援してもらった結果です。タイヤのパフォーマンスもとても良かった。スープラを駆ってJGTCの勝利を飾れて最高の気分です。

マツキヨZENTトムススープラ37号車のドライバー W.ガードナーのコメント:
SUGOでは過去、優勝を目前にして発火してリタイヤした悔しい思い出があり、これで借りが返せた。この優勝はチームワークの勝利です。

トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント:
今回は、タイヤも良く勝機はあった。しかし、36号車はエアジャッキの具合が悪くなるなどの不運があった。一方、37号車が勝てた理由の一つには、セーフティカー導入でタイヤを温存できたことがある。不運と幸運両方を体験したレースでした。さらにレベルアップして次戦富士も良い展開に持ち込みます。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回
1 37 トヨタスープラGT 山路慎一/W.ガードナー 2:00'52.246 81
2 8 ホンダNSX 土屋圭市/金石勝智 9.765 81
3 38 トヨタスープラGT 竹内浩典/立川祐路 22.664 81
4 1 ホンダNSX 道上 龍/光貞秀俊 23.241 81
5 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一/野田英樹 23.415 81
6 18 ホンダNSX 加藤寛規/S.フィリップ 38.414 81
7 12 日産スカイラインGT-R 本山 哲/服部尚貴 46.363 81
8 36 トヨタスープラGT 黒澤琢弥/土屋武士 46.692 81
9 39 トヨタスープラGT R.デュマ/J.デュフォア 47.005 81
10 23 日産スカイラインGT-R E.コマス/影山正美 51.251 81
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 山路慎一/W.ガードナー 1位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 3位
ESSO TOYOTA TEAM Le Mans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/野田英樹 5位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 黒澤琢弥/土屋武士 8位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 R.デュマ/J.デュフォア 9位
土屋エンジニアリング トヨタスープラGT 25 織戸 学/荒 聖治 11位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 33 片山右京/近藤真彦 13位
RACING PROJECT BANDOH トヨタMR-S 19 田中 実/後藤 聡 24位/ 10位
KRAFT トヨタスプリンタートレノ 86 長島正興/松田晃司 リタイア
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 0 松永まさひろ/佐藤久実 リタイア
ARTA with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男/高木真一 リタイア
シグマテックレーシングチーム トヨタMR-S 71 城内政樹/田嶋栄一 リタイア
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 土屋圭市/金石勝智 36
2位 道上 龍/光貞秀俊 33
3位 山路慎一/W.ガードナー 30
4位 脇阪寿一/野田英樹 28
5位 竹内浩典/立川祐路 27
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 AUTOBACS RACING TEAM AGURI 36
2位 無限×童夢Projrct 33
3位 TOYOTA TEAM TOM'S 30
4位 ESSO TOYOTA TEAM Le Mans 28
5位 TOYOTA TEAM SERUMO 27