2001年8月 5日(日)配信

真夏のFISCOで スープラの脇阪/野田組3位入賞
予選では片山/近藤組スープラと 田中/後藤組MR-Sが初PP獲得

写真
JGTC第4戦で初ポールポジションを獲得したが、
接触で惜しくも3位に終わった田中実/後藤聡組のトヨタ・MR-S
 全日本GT選手権第4戦「JAPAN SPECIAL GT CUP」が8月4~5日の両日、富士スピードウェイで開催された。5月にJGTC初の500kmレースとして行われた第2戦に続くFISCOでの開催だが、今回は真夏の暑さと、250kmの短距離レースが特徴。
 今年も予選、決勝合わせて延べ65000人もの大観客を集め、併催された人気のワンメイクシリーズ、ネッツカップのアルテッツア/ヴィッツレースも、それぞれ44台/95台という大挙エントリーで賑わった。このため決勝日のゲートオープンは前日4日(土)の午後7時とされ、熱心なファンの入場車約1500台がサーキット内に泊まり込むという異例の措置がとられ、決勝日のゲート通過時間の短縮と共に交通渋滞の解消に一役買うこととなった。
 今大会には、7台のスープラがエントリーしていたが、金曜日の練習走行でトップタイムを記録したFK/マッシモADVANスープラ25号車は、その後の練習走行中にコースアウトし転倒。ドライバーの織戸学は幸い打撲などの軽傷で済んだもののマシンのダメージは大きく、残念ながら今大会の予選と決勝は欠場。6台のスープラが決勝に臨むこととなった。

予選
 4日(土)に行われた予選は、GT500クラスに出場のTeam UKYOスープラ33号車の片山右京が、赤旗中断を挟んで約50分ほどずれ込んだ、午後のセッション終了間際のアタック合戦、残り3分で渾身のベストタイムを記録。その後、このタイムは更新されず、チーム右京初のポールポジションが決定。片山右京にとっては99年富士1000kmのトヨタTS020以来のポールポジション獲得となった。
 また、60kgのハンディ・ウエイトを搭載したエッソウルトラフロー スープラ6号車が3番手、同じく70kgを積んだauセルモスープラ38号車も5番手と健闘。今回からカラーリングを一新したカストロール・トムス・スープラ36号車も、20kgのウェイトを搭載して、6番手と続いた。
 一方、GT300クラスでは直前の合同テストと練習走行でもトップタイムを記録、好調ぶりを見せつけるウェッズスポーツMR‐S19号車がトップタイムをマーク。初のポールポジションを獲得した。MR‐S19号車は、前戦終了後、FISCOのスポーツ走行枠などを積極的に利用して約3000kmにも渡る入念なテストとセットアップを実施して、今回のレースに臨み、決勝レースにも期待がかかった。

決勝
 5日(日)の決勝日は、早朝に小雨が降った影響で、朝のウォームアップはウェットで行われたが、午前中のサポートレースでコースは乾き、午後2時40分からの決勝レースまでには完全なドライとなった。
 ポールポジションからスタートのスープラ33号車を駆る片山右京は、初めてのJGTCのローリングスタートに戸惑って出遅れ、スカイライン23号車、スープラ6号車の先行を許して3位からレースへ突入。間もなく2位に上がるものの、不運にも他車に追突され、さらに、その後の追い上げ中にもGT300車両と接触してサスペンションのバランスを崩すなどして、14位へと後退。
 一方、スタートで2位にポジションを上げたスープラ6号車はスカイライン22号車と抜きつ抜かれつのバトルを演じて観客を沸かせた。しかし、ハンディ・ウェイト搭載とタイヤのバランスに苦しめられ、惜しくもスカイラインに先行を許し、3位でフィニッシュ。
 4位にはスタートで出遅れるものの、着実な走りで追い上げたスープラ38号車が入り、貴重なポイントを獲得した。
 GT300クラスでは、ポールポジションスタートのMR‐S19号車がスタートからトップを走るが、序盤戦は、2位のシルビア81号車との首位争いの一騎打ち。中盤のピットタイミングも2台同時で、その激しいバトルは観客を沸かせた。しかし、MR-S19号車は、終盤戦で周回遅れの車両と接触。無念の後退、3位入賞に終わった。

エッソウルトラフロースープラ6号車のドライバー 野田英樹のコメント:
今回は60kgのハンディ・ウェイトに対して、タイヤのバランスが上手くとれず、乗りにくい中での戦いとなってしまった。しかし、3位でのポイント獲得には満足している。

エッソウルトラフロースープラ6号車のドライバー 脇阪寿一のコメント:
ブレーキなど、セパンで出た問題には対処して臨んだんですが...。4位でハンディ・ウェイトを降ろせるのも良いのですが、ポイントも大事ですから3位で良かった。

トヨタ・チーム・セルモ監督 佐藤正幸のコメント:
4位は、ある意味作戦通り。優勝出来なければ4位は良い結果だ。次戦のハンディ・ウェイトを免れた上でポイントも獲得できた。全力を尽くして次戦は勝ちに行き、チャンピオンを狙いたい。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回
1 22 日産スカイラインGT-R M.クルム/田中哲也 1:24'42.126 57
2 23 日産スカイラインGT-R E.コマス/影山正美 0'00.895 57
3 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一/野田英樹 0'15.172 57
4 38 トヨタスープラGT 竹内浩典/立川祐路 0'27.597 57
5 1 ホンダNSX 道上 龍/光貞秀俊 0'37.514 57
6 64 ホンダNSX D.シュワガー/松田次生 0'40.672 57
7 12 日産スカイラインGT-R 星野一義/本山 哲 0'44.254 57
8 36 トヨタスープラGT 黒澤琢弥/土屋武士 0'47.649 57
9 100 ホンダNSX 飯田 章/伊藤大輔 1'07.334 57
10 37 トヨタスープラGT 山路慎一/W.ガードナー 1'12.701 57
チーム車両No.ドライバー決勝結果
ESSO TOYOTA TEAM Le Mans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/野田英樹 3位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 4位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 黒澤琢弥/土屋武士 8位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 山路慎一/W.ガードナー 10位
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 J.デュフォア/R.デュマ 13位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 33 片山右京/近藤真彦 14位
土屋エンジニアリング トヨタスープラGT 25 織戸 学/荒 聖治 出走せず
RACING PROJECT BANDOH トヨタMR-S 19 田中 実/後藤 聡 18位/3位
ARTA with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男/高木真一 20位/5位
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 0 松永まさひろ/佐藤久実 リタイア
シグマテックレーシングチーム トヨタMR-S 71 Guts城内/田嶋栄一 リタイア
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 M.クルム/田中哲也 42
2位 道上 龍/光貞秀俊 41
3位 脇阪寿一/野田英樹 40
4位 竹内浩典/立川祐路 37
6位 山路慎一/W.ガードナー 31
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 NISMO 43
2位 無限×童夢Projrct 41
3位 ESSO TOYOTA TEAM Le Mans 40
4位 TOYOTA TEAM SERUMO 37
5位 TOYOTA TEAM TOM'S 33