全日本GT選手権 （JGTC）2001 第7戦 山口

2001年シーズンのチャンピオンを獲得した
竹内／立川組のトヨタ・スープラ 　全日本ＧＴ選手権第７戦が１１月１０日、１１日の両日、山口県のＭＩＮＥサーキット（１周３．３３０㎞×７６周）で開催された。今期最終戦となるＭＩＮＥには、ＧＴ５００クラスに18台、ＧＴ３００クラスに19台が参加。このうちトヨタ勢はＧＴ５００に スープラ７台とＧＴ３００にＭＲ-Ｓ５台がそれぞれエントリーした。
　このうち、GT500クラスではポイントランキング首位につけるａｕセルモスープラ38号車と、14点差５位のマツキヨＺＥＮＴトムススープラ37号車、18点差６位のエッソウルトラフロースープラ6号車の３台、また、GT300クラスでは20点差６位につけるＡＲＴＡアペックスＭＲ‐Ｓ31号車が、各々チャンピオン獲得の可能性を持っている。とはいえ注目の的は、今回80kgのウェイトを搭載して出場することになったGT500クラスのトヨタ・スープラ38号車と、２点差で２位につけるホンダ・ＮＳＸの一騎打ち。僅差で迎えたチャンピオン争いは頂上決戦を迎えた。

予選
　10日の予選日は好天に恵まれたが、早朝までの雨で午前中のセッションは路面がウェットコンディション。完全ドライとなった午後のセッション終盤に大半の車両がタイムアップを果した。この結果、50kgのウェイトを積むスープラ6号車が５番手、デンソーサードスープラ39号車が６番手グリッドを獲得。80kgものウェイトを積んで、練習走行から決勝のセッティングに腐心していたスープラ38号車は予選用セットアップにも悩んで13番手にとどまった。
　ＧＴ３００では７０ｋｇのウエイトに苦しみながらもウェッズスポーツＭＲ-Ｓ19号車が４番手、前戦鈴鹿で初優勝を果したプロジェクトμ・エスペリアＭＲ-Ｓ86号車が３０ｋｇのウェイトを積んで６番手グリッドからのスタートとなった。

決勝
　１１日の決勝日も晴れ時々曇りと天候に恵まれ、人気のＧＴレースらしく朝から高速道路出口からサーキットに向かう観客の車が長蛇の列。最終戦にふさわしく４万６千人もの観客入場を記録した。
　人気のワンメイクレース、ネッツカップ・ヴィッツ西日本シリーズ第５戦、アルテッツアシリーズ第９戦（ともに最終戦）の決勝のあと、JGTC最終戦は、午後２時にローリングを開始。気温18度／路面温度24度という低温に配慮して特別にパレードラップを１周追加してスタートが切られた。
　クリーンなスタートが切られたGT５００クラスだったが、オープニングラップの３コーナーで、中団グループのスープラ38号車がＮＳＸ８号車に追突され、スープラ37号車と共にスピンを喫してコースアウト。ＧＴ３００車両通過後にコースへ復帰するが最後尾となってしまった。
　一方、上位陣はポールスタートのマクラーレンに続いてスープラ６号車が序盤４位を走行するなど速さをアピール。しかし、31周目に無念のコースアウトで大きく順位を下げ、代わって６番手スタートのスープラ39号車がポジションを上げ、中盤のピット作業が一巡したところで４位で周回を重ねた。
　最後尾からチャンピオン獲得を念じて鬼神の追い上げを図るスープラ38号車は、39周目９位のポジションまで躍進してドライバーチェンジ。さらに上位復帰を狙うが、まもなくフロントのサスペンションに不具合が出て急遽ピットイン。レースには復帰したものの上位獲得は難しい状況となった。
　しかし、チャンピオンタイトルを争うＮＳＸ８号車も、ＮＳＸ１号車との競り合いの末に34周でコースアウトしてリタイア。後半戦に入って８位を走行していたＮＳＸ１号車も、ギアボックストラブルによりスローダウンし、ポイント圏外の12位へと後退。30位でフィニッシュしたスープラ38号車が２ポイント差を守り切り念願のチャンピオンを獲得した。また、スープラ39号車は、表彰台こそ逃したものの今季最上位となる４位入賞を果たした。
　ＧＴ３００クラスでは、予選13番手と後方からのスタートながら混戦を走り抜いたシグマＭＲ－Ｓ71号車が初優勝を飾った。

ａｕセルモスープラ３８号車のドライバー　竹内浩典のコメント：
ウェイトに対応するセッティングを煮詰め切れず、予選は苦しかった。決勝はスピンしたときに終わったかなと思ったが、その後も諦めずに走り、最後は信じられない展開でチャンピオンが決まった。今期は苦しかったが、スープラのポテンシャルが高かったのも事実だ。来期も全力で頑張りたい。

ａｕセルモスープラ３８号車のドライバー　立川祐路のコメント：
チーム全員が最後まで諦めない気持ちが良い方向に出たのではないかと思う。チャンピオンになれたのは皆さんのおかげです。自分にとっても初の全日本タイトルですごく嬉しい。

トヨタチームセルモ監督　佐藤正幸のコメント：
まだ実感が沸かないが、チャンピオンという結果を出せて嬉しい。大澤エンジニアや２人のドライバーをはじめ、スープラを走らせたチームのスタッフには本当に感謝しています。