2001年6月24日(日)配信

トヨタ・スープラの脇阪/野田組がJGTCマレーシア特別戦を制す!
スープラ同士の激しい首位争いに、43000人の地元レースファンが熱狂

写真
JGTCマレーシア特別戦で優勝を飾った
脇阪寿一/野田英樹組のトヨタ・スープラ
 全日本GT選手権の特別戦、「2001ジャパンGTレース マレーシアラウンド」が6月22日から24日にかけてマレーシア・クアラルンプール空港に隣接するセパンインターナショナルサーキットで開催された。昨年に続く同レースの開催はアジアにおける全日本GT選手権の人気の高さを裏付けるもので、今年も43,000人もの観客が詰め掛けた。選手権シリーズ外の特別開催で、シリーズポイント及びハンディウェイトは無いものの、予選に応じたウェイトが課される。
 参加車両はGT500クラス14台、GT300クラス12台に地元参加のGT300車両3台を加えた全29台。トヨタ勢は、GT500クラスに6号車エッソウルトラフロースープラ、33号車Team Ukyo スープラ、36号車トクホントムススープラ、38号車AUセルモスープラの4台、GT300クラスには、31号車ARTA・アペックスMR-Sの1台の合計5台が出場した。

予選
 スープラ勢は8月に行われる第4戦富士を想定して、ラジエター、インタークーラーの容量を増やし、空力的にもやや冷却を重視した仕様を採用して臨み、昨年の同大会よりやや涼しいとはいえ、気温35度以上という猛暑のマレーシアでもハイポテンシャルを存分に発揮。22日午後のフリー走行1回目でスープラ6号車、スープラ36号車が1位、2位、23日午前の2回目でもスープラ38号車が昨年のポールタイムを破って1分59秒台に入るなど順調な滑り出しを見せた。
 23日午後12時10分から行われた公式予選1回目では、スープラ6号車とスープラ38号車がトップを奪い合う激しい争いを見せ、1分59秒374を出したスープラ6号車が暫定ポールポジションを獲得。しかし、午後4時10分からの公式予選2回目では予想通り、気温の下がる終了間際にタイムアップを図る車両が続出。この予選終了間際にスープラ38号車が1分59秒184をたたき出して逆転ポールを獲得。タイムが思うように縮まらなかったスープラ6号車は、予選2番手に付け、スープラ勢がフロントロー独占で決勝へ臨むこととなった。

決勝
 24日(日)の天候は曇りがちで、湿度は高いとはいえ、昨年の決勝日よりは過ごしやすく、サーキット周辺には当日券を買い求める人々が朝早くから長蛇の列をつくり、マレーシアでのGTレースの人気を裏付けた。
 セレモニーの後、定刻の午後3時を3分ほど遅れてスタートを切った決勝レースは、まずポールスタートのスープラ38号車がリードし、これにスープラ6号車が続き激戦を開始。間もなく後方から追い上げたスープラ36号車も3位に浮上し、一時はスープラ勢が1~3位を独占して序盤戦が進行。
 中盤戦へと入り、給油ピットインを終えた時点で、作業時間の短かったスープラ6号車が先行するものの、スープラ6号車は過熱によるブレーキトラブルを抱えており、追いついたスープラ38号車と抜きつ抜かれつの首位争いを展開。このバトルに観客は大興奮。ドライバーにも届いていたという歓声の渦にサーキットは包まれた。
 その後、周回遅れ車両に阻まれたスープラ6号車をパスしたスープラ38号車はそのまま逃げ切るかと思われたが、クールスーツが壊れ、ドライバーの立川祐路が脱水症状に見舞われてペースダウン。急遽ドライバーチェンジを行うが、今度はオーバーヒートでストップ。大きく順位を落とすこととなってしまった。一方、3位に付けていたスープラ36号車は28周目にブレーキトラブルでコースアウト、リタイア。スープラ38号車の後退で首位独走となったスープラ6号車は2位のNSX18号車に4.956秒差をつけてチェッカー。見事優勝を飾った。
 GT300クラスでは、唯一のトヨタ車となったMR-S31号車は、序盤に単独スピンを喫するものの、その後の追い上げは凄まじく3位まで浮上。2位争いを演じるが、惜しくも接触、3位でチェッカーを受けた。

エッソウルトラフロースープラ6号車のドライバー 脇阪寿一のコメント:
今回は38号車のペースが速かったが、ピットインで逆転したあと、野田さんが頑張ってくれて勝つことが出来、とても嬉しい。この勢いで次の富士も勝ちたい。

エッソウルトラフロースープラ6号車のドライバー 野田英樹のコメント:
ドライバー交代してしばらくしたらブレーキのトラブルが出て、コースアウトしそうになりながらも、走り抜くことが出来てほっとしています。38号車とのバトルの時は大観衆が総立ちで声援を送ってくれ、とても嬉しかった。勝てたのは最後まで諦めなかったからだと思います。

ARTA・アペックスMR-S31号車のドライバー 新田守男のコメント:
今回は次の富士に向けていろいろなセッティングを試しました。2位争いには敗れましたが。昨年と同じ3位にに入ることが出来、内容的には満足しています。

ARTA・アペックスMR-S31号車のドライバー 高木真一のコメント:
2位のインプレッサを追い切れなかったのが悔しいですが、充実した戦いを出来たと思っています。レース後はどっと疲れが出ましたが、気持ちの良いレースでした。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回
1 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一/野田英樹 1:52'34.377 54
2 18 ホンダNSX 加藤寛規/S.フィリップ 4.956 54
3 22 日産スカイラインGT-R M.クルム/田中哲也 22.143 54
4 23 日産スカイラインGT-R E.コマス/影山正美 35.27 54
5 1 ホンダNSX 道上 龍/光貞秀俊 47.558 54
6 100 ホンダNSX 飯田 章/伊藤大輔 1'02.597 54
7 12 日産スカイラインGT-R 星野一義/本山 哲 1'04.336 54
8 64 ホンダNSX D.シュワガー/松田次生 1'22.007 54
9 8 ホンダNSX 土屋圭市/金石勝智 1'40.165 54
10 21 マクラーレンGTR 一ツ山康/服部尚貴 1lap 53
チーム車両No.ドライバー決勝結果
ESSO TOYOTA TEAM Le Mans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/野田英樹 1位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 33 片山右京/近藤真彦 11位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 竹内浩典/立川祐路 12位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/W.ガードナー リタイア
ARTA with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男/高木真一 15位/3位