2002年4月14日(日)配信

JGTC開幕。トヨタ・スープラのデュフォア/織戸組が3位入賞
GT300クラスでは新田/高木組MR-Sがポール・トゥ・ウィン!


開幕戦で3位入賞を果たしたデュフォア/織戸組のトヨタ・スープラ
 全日本GT選手権(JGTC)第1戦「GTチャンピオンシップ・イン・TI」が4月13日/14日の両日、岡山県のTIサーキット英田で開催された。いよいよ国内レース最大の観客動員を誇るJGTCが熱戦の火蓋を切った。
 今シーズンのJGTCは、第4戦(6月22日〜23日)に日本のレースシリーズとして史上初の海外イベントをマレーシア・セパンサーキットで行うこととなり、昨年より1レース増えた全8戦を予定。今年は、決勝結果に応じて搭載するハンディウェイトを減量出来るのが従来の4位以下から5位以下となり、予選結果および決勝ベストラップの上位3台に1ポイントづつ選手権得点が与えられるなど、レギュレーションが見直され一層の接戦模様が予想されている。また、従来選手権はドライバーとチーム部門のみだったが、新たにエンジンチューナー部門が創設されることとなった。
 トヨタユーザーは、GT500に昨年より1台多い8台のスープラとGT300に5台のMR‐Sが出場となり、総勢13台はシリーズ最多。エンジンチューナーは全てTRD(トヨタテクノクラフト)が担当する。 開幕戦には、この13台を含め、GT500に19台/GT300に25台の合計44台が出場。第2戦以降は予選落ちが発生する可能性も高いほど、盛況な開幕戦となった。

予選
 時折雲に覆われるものの好天に恵まれた公式予選では、FK/マッシモADVANスープラ25号車が午前中のセッション早々にコースレコードを破り、予選総合(午前+午後)の4番手に。これにデンソーサードスープラ39号車が6番手で続き、昨年のチャンピオンコンビがそのまま組むauセルモスープラ1号車は、午前中アンダーステアが解消せず、8番手となった。午後のアタック終盤にコースアウトを喫したエッソウルトラフロースープラ6号車は無念の13番手。
 一方、GT300では、空力やシャシーバランスなど徹底的なマシンの見直しを行い、タイヤもヨコハマからBFグッドリッチにスイッチしたARTAアペックスMR-S31号車が合同テストから全てのセッションでトップタイムを記録するなど好調。予選でも、午前/午後ともに一番時計で、レコードタイムを破る1分32秒430で堂々ポールポジションを獲得した。

決勝
 決勝日は、朝のフリー走行でスープラ39号車が3番手につけるなど好調をアピール。午前中には、人気のワンメイクシリーズ、ネッツカップ・ヴィッツ関西シリーズの第2戦の決勝も行われた。
 好天のもと、サーキットに詰めかけた大観衆の見守る中、午後2時3分、決勝レースがスタート。すぐにスープラ39号車は先行車をパスして5位に。さらにペースの上がらないスープラ25号車を抜くと、中盤のドライバー交代時までに3位に浮上した。2位走行中のNSXがピットアウトラップでハーフスピン。
 このチャンスを逃さず、2位を奪取したスープラ39号車の躍進は大いに観客を沸かせたが、ドライバーの織戸学は、ドライバー交代時のトラブルで、シートポジションが合わない状態でのドライビングを強いられることになってしまった。そして、チームの作戦もあって、後方から追い上げてきたNSXの先行を許したスープラ39号車は、3位でチェッカーを受けた。
 また、8位からじわじわと順位を上げ47周目には4位まで浮上したスープラ1号車はこのポジションを守り切りゴールし、次戦のハンディウェイト搭載無しに貴重な10ポイントを獲得。さらに、スープラ25号車も6位で貴重な6ポイントを獲得した。
 一方、GT300クラスでは、スタートから、ポールポジションのMR−S31号車が快調にリードし、後続のポルシェとの差を広げて独走体制を確立。その後もクラス2位以下を周回遅れにする圧倒的な走りを見せて逃げ切り、堂々の優勝。昨年のJGTC開幕戦に続くTIサーキットでの2連覇を達成した。

デンソーサードスープラ39号車のドライバー 織戸学のコメント:
 スープラに乗ってGT500クラスの初表彰台が飾れて嬉しい。今日は、タイヤを労わってちょっと遠慮しすぎたが、今後は攻めるときは攻め、チャンピオンを狙いたい。

auセルモスープラ1号車のドライバー 立川祐路のコメント:
 今回は、トラブルもあってセッティングが煮詰めきれず、4位となったが、10点を稼いだ上、ウェイト無しでスープラが得意とする富士を迎えることが出来る。次戦は是非とも優勝を目指す。

ARTAアペックスMR-S31号車のドライバー 新田守男のコメント:
 実はミッションケースにトラブルを抱えての走行で、無事優勝できて嬉しいと同時にほっとした。今回の結果で熟成を果したMR-Sのポテンシャルも確認出来た。

ARTAアペックスMR-S31号車のドライバー 高木真一のコメント:
 MR-Sは安定性が増して、とても乗りやすい。今日は後ろを見ながらペースを合わせる余裕さえあった。これからも当然タイトルを目標に頑張る。

リザルト

順位No.車名ドライバー名所要時間/差周回
1 64 ホンダNSX 松田次生/R.ファーマン 2:02'52.174 82
2 18 ホンダNSX S.フィリップ/R.ライアン 0'28.398 82
3 39 トヨタスープラGT J.デュフォア/織戸 学 0'29.529 82
4 1 トヨタスープラGT 竹内浩典/立川祐路 0'29.813 82
5 16 ホンダNSX D.シュワガー/伊藤大輔 1'12.062 82
6 25 トヨタスープラGT 山路慎一/荒 聖治 1'19.047 82
7 8 ホンダNSX 土屋圭市/金石勝智 1'19.911 82
8 36 トヨタスープラGT 土屋武士/W.ガードナー 1'20.394 82
9 100 ホンダNSX 加藤寛規/光貞秀俊 1'22.824 82
10 6 トヨタスープラGT 脇阪寿一/飯田 章 1lap 81
チーム車両No.ドライバー決勝結果
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 J.デュフォア/織戸 学 3位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 1 竹内浩典/立川祐路 4位
土屋エンジニアリング トヨタスープラGT 25 山路慎一/荒 聖治 6位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/W.ガードナー 8位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/飯田 章 10位
TOYOTA TEAM CERUMO with UKYO トヨタスープラGT 33 片山右京/近藤真彦 15位
KRAFT トヨタスープラGT 35 影山正彦/脇阪薫一 18位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 黒澤琢弥/P.モンティン リタイア
ARTA with A'PEX トヨタMR-S 31 新田守男/高木真一 17位/1位
TOM'S SPIRIT トヨタMR-S 17 松永まさひろ/滑川 健 29位/12位
シグマテックレーシングチーム トヨタMR-S 71 Guts城内/澤 圭太 31位/14位
RACING PROJECT BANDOH トヨタMR-S 19 田中 実/後藤 聡 35位/18位
KRAFT トヨタMR-S 86 長島正興/松田晃司 36位/19位
ドライバーズポイント
順位ドライバー名ポイント
1位 松田次生/R.ファーマン 22
2位 S.フィリップ/R.ライアン 17
3位 J.デュフォア/織戸 学 13
4位 竹内浩典/立川祐路 10
6位 山路慎一/荒 聖治 6
8位 土屋武士/W.ガードナー 3
10位 脇阪寿一/飯田 章 1
チームポイント
順位チーム名ポイント
1位 Mobil 1 NAKAJIMA RACING 22
2位 無限×童夢Projrct 17
3位 TOYOTA TEAM SARD 13
4位 TOYOTA TEAM CERUMO 10
5位 土屋エンジニアリング 6
7位 TOYOTA TEAM TOM'S 3
9位 ESSO TOYOTA TEAM Le Mans 1