JGTC第3戦SUGO 脇阪/飯田組スープラが制す
前戦の2位に続き優勝を果たした脇阪/飯田組はドライバーズポイントトップに躍進
JGTC第3戦を制した脇阪/飯田組のトヨタ・スープラ
全日本GT選手権第3戦「SUGO GT選手権レース」が5月25日~26日の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。フリープラクティスの行われた金曜日こそ、インターバルに降雨に見舞われたものの、予選・決勝の行われた週末は好天に恵まれ、サーキットへ集った5万人近いレースファンの見守る中で、激しいレースが繰り広げられた。
予選
25日(土)の公式予選には、GT500クラス19台、GT300クラス24台が出走。トヨタ勢は前戦FISCOで優勝を飾ったauセルモスープラ1号車が70kg、2位入賞のエッソウルトラフロースープラ6号車が40kg、第1戦3位入賞のデンソーサードスープラ39号車が10kgのハンデウェイトをそれぞれ搭載することとなった。
各車タイムが伸び悩む中、昨年SUGOで優勝、事前の合同テストでもトップタイムを記録するなど好調の波に乗る、トムスチームのトクホントムススープラ36号車と、開幕から各セッションで速さを見せながらも決勝の結果に恵まれないFK/マッシモADVANスープラ25号車が健闘。
午前中のセッションでスープラ25号車が2番手、スープラ36号車が3番手タイムを記録。午後のセッションでは、終盤のタイムアップ合戦でスープラ36号車が1分18秒087のコースレコードを叩きだしトップに躍り出たが、その後、惜しくもNSX8号車に逆転され、2番手フロントロー獲得となった。
また、タイムアタック中にクリアラップが取れなかったスープラ25号車は4番手、40kgのウェイトを積むスープラ6号車は1回目のタイムアタックでは赤旗でタイミングを逸し、2回目もホイールのトラブルを抱えて6番手グリッドとなった。
GT300クラスでは、ウェッズスポーツMR-S19号車が10kgのウェイトを搭載しながらも、午前中コースレコードとなる1分25秒269で2番手につけたが、午後のタイムアタックでは、トラブルに見舞われてタイムアップを果たせず。クラス3番手のグリッドとなった。
決勝
26日(日)、人気のサポートレース、ネッツカップヴィッツ東北シリーズ第2戦、エッソ・フォーミュラトヨタシリーズ第2戦に続き、午後2時過ぎにローリングスタートを切った決勝レースは、オープニングラップから多重クラッシュで、フルコースコーション。この波乱の幕開けで、ポールポジションからスタートのNSX8号車は、パンクによりピットイン、すかさずスープラ36号車がトップへと躍り出た。
中盤戦を前にした36周目には、再びコースアウト車両排除でセーフティカーの導入となり、この間隙を縫って多くの車両がピット作業を行う中、スープラ36号車もこのタイミングを逃さずにピットインし、トップの座をキープ。しかし、終盤戦へと逃げ切るかに見えたスープラ36号車であったが、このピットアウトの際の信号無視により、痛恨のペナルティストップを課され、無念の後退を余儀なくされてしまった。
この逆転劇で残り10周の時点で首位に立ったのは、タイヤをセーブしつつ、セーフティカー導入のタイミングをうまく利用したピット作業など、じわじわと順位を上げていたスープラ6号車。終盤、2位のスープラ25号車の追い上げも見事かわし、トップでチェッカーをくぐり抜けた。
スープラ6号車の脇阪寿一/飯田章組は、コンビ初の優勝を飾り、ドライバーズポイントでも首位に浮上。第2戦に続くスープラの連勝によりエンジンチューナー部門でもトヨタテクノクラフトがポイントトップに躍進した。
なお、2位でチェッカーを受けたスープラ25号車は、63周目のセーフティカー導入時に、追い越し違反をしたとして、ゴールタイムに1分のペナルティを課され、11位に転落。また、トムスチームは、スープラ36号車のペナルティに抗議。しかし審査委員会に却下されたため、控訴を提出した。この結果、順位は暫定のまま保留されることとなった。
一方、GT300クラスでは、MR-S勢が各車トラブルに見舞われるなど、プロジェクトμ・クリスタルMR-S・86号車のクラス11位が最上位であった。
エッソウルトラフロースープラ6号車のドライバー 脇阪寿一のコメント:
ウェイトハンディのあるGT選手権で、40kgも積んで優勝出来るとは思っていなかった。今日は、セーフティカーが何回も入り、運にも恵まれたが、結果はチームの 総合力の高さによるものだと思う。次戦はハンディウエイトが90kgと辛いものの、チャンピオンに向けて全力を尽くしたい。
エッソウルトラフロースープラ6号車のドライバー 飯田章のコメント:
前半はタイヤの持ちを考え、ペースを抑えて温存していた。セーフティカーを予想した作戦も当たるなど、ツキにも恵まれた。スープラでの初優勝を飾ることができて嬉しい。
トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:
今回、大幅にNSX勢がレベルアップしてくる中、荒れた展開で、36号車のペナルティなど残念な部分もあったものの、スープラが連勝を飾れたことには満足している。GT300は各車とも歯車がうまく噛み合わず、残念な結果となったが、これからも一層努力を重ね、タイトル獲得を目指したい。
リザルト
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 所要時間/差 | 周回 |
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1 | 6 | トヨタスープラGT | 脇阪寿一/飯田 章 | 2:07'09.240 | 81 |
2 | 100 | ホンダNSX | 加藤寛規/光貞秀俊 | 0'09.929 | 81 |
3 | 16 | ホンダNSX | 伊藤大輔/D.シュワガー | 0'16.294 | 81 |
4 | 23 | スカイラインGT-R | 影山正美/E.コマス | 0'16.930 | 81 |
5 | 37 | トヨタスープラGT | 黒澤琢弥/P.モンティン | 0'17.168 | 81 |
6 | 76 | マクラーレンGT-R | 服部尚貴/田嶋栄一 | 0'25.409 | 81 |
7 | 22 | スカイラインGT-R | 本山 哲/M.クルム | 0'25.566 | 81 |
8 | 12 | スカイラインGT-R | 星野一義/田中哲也 | 0'26.707 | 81 |
9 | 33 | トヨタスープラGT | 片山右京/近藤真彦 | 0'33.745 | 81 |
10 | 36 | トヨタスープラGT | 土屋武士/W.ガードナー | 0'40.376 | 81 |
チーム | 車両 | No. | ドライバー | 決勝結果 | |||
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ESSO TOYOTA TEAM LeMans | トヨタスープラGT | 6 | 脇阪寿一/飯田 章 | 1位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 37 | 黒澤琢弥/P.モンティン | 5位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO with UKYO | トヨタスープラGT | 33 | 片山右京/近藤真彦 | 9位 | |||
TOYOTA TEAM TOM'S | トヨタスープラGT | 36 | 土屋武士/W.ガードナー | 10位 | |||
土屋エンジニアリング | トヨタスープラGT | 25 | 山路慎一/荒 聖治 | 11位 | |||
TOYOTA TEAM SARD | トヨタスープラGT | 39 | J.デュフォア/織戸 学 | 12位 | |||
TOYOTA TEAM CERUMO | トヨタスープラGT | 1 | 竹内浩典/立川祐路 | 20位 | |||
KRAFT | トヨタスープラGT | 35 | 影山正彦/脇阪薫一 | リタイア | |||
KRAFT | トヨタMR-S | 86 | 長島正興/松田晃司 | 28位/11位 | |||
TOM'S SPIRIT | トヨタMR-S | 17 | 松永まさひろ/滑川 健 | 31位/14位 | |||
ARTA with A'PEX | トヨタMR-S | 31 | 新田守男/高木真一 | 34位/17位 | |||
RACING PROJECT BANDOH | トヨタMR-S | 19 | 田中 実/後藤 聡 | リタイア | |||
シグマテックレーシングチーム | トヨタMR-S | 71 | Guts城内/澤 圭太 | リタイア | |||
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